見出し画像

自分ファースト宣言

このお正月、熊本の実家に帰省し、自分ファーストで生きると心に誓いました。

自分ファーストというと極端に自分中心に生きていくようですが、私がやると決めたことは
・自宅で私がノートを広げてカキモノをしている時は近づかないでと、夫に強く要望する。
・近づいてきそうになったら「ノートタイム中だから遠慮して」とハッキリ伝える
この二つです。
たったこれだけのこと?って思いましたか?
「旦那さんのこと、そんなに拒絶しなくても」って思いますか?
私もずっと、こんなに小さなこと、と思ってきました。けれど私にとって自宅でカキモノに集中できないことがここ3年の最大のストレスで、去年は「自宅でノートタイムとれないなら、いっそもう一部屋借りて週末別居するというのはどうだろう」と賃料の相場をネットで調べるところまで追い詰められるほどでした。

そもそも私がノートを使って内省するようになったのは2020年の春。コロナで在宅勤務となり、育児も落ち着いてきた頃と重なって自分の時間が増え、オンラインサロン「せいかつ編集サロン(現:天才サロン)」へ入会したことがきっかけでした。
それまでも日記をつける習慣はありましたが、サロンオーナーの大木春菜さんの日記を見てフォーマットを真似して書くうち、日記にとどまらない、自分の内面についてもあれやこれやと書くようになりました。他にも、読書メモやセミナーメモなども日記と同じノートに書くようになりました。私が「カキモノ」と呼ぶのは、こうした手書き文章全般のことです。
しかし自宅でノートに向かう時間が急増したのと同時に「自宅ではノートに集中できない」問題が浮上しました。
子どもはいいんです。
「ママがノートを広げて何か書いているときは近づかないでね」と一回言っただけで、その通りにしてくれるようになりました。
問題は夫でした。
夫と自宅にいると、トイレついでや休憩ついでに夫は私にスキンシップをしに来ます。
軽くハグしたり、髪を触ったり頭をなでたりというちょっとしたふれあいですが、これが非常に気が散ってしまう。自分一人の世界に深く潜りたいのに、夫がいつスキンシップしに来るかわからないと思うと、全然集中出来ないのです。

この問題について3年の間、色々な対策を講じてきました。
まずは、夫がいても集中できる自分になろうと試みました。自分を変えるのが一番手っ取り早いと思ったのです。
日記や内面のことを書いている、といっても、正直夫に見られて困る内容は書いていません。ごく稀に夫にムカついた、と書いていますが、腹が立った場合はその場で腹が立ったと本人に言うようにしてますので、読まれたところで問題ないのです。(とはいえ、積極的に読んでいいよとは、もちろん言っていませんが)
だったら夫がスキンシップをしに来たって気にしなければ意外と大丈夫かも、としばらく試しましたが、ダメでした。
自分の中に深く潜ることがどうしてもできない。
分析した結果、私は夫がいると「妻」の自分になってしまい「うるか」個人として素の自分になりきることができないのではないか、と思っています。

次に試したのは、夫に「私がノートを広げてカキモノをしているときは、近づかずに遠くから見守って」とお願いする、ということでした。
お願いするとそこから1週間くらいはスキンシップを自粛してくれますが、翌週には元に戻ってしまいます。これは1度や2度ならず、5回くらいはお願いしたと思います。

5回もやってダメだったので、もう夫に頼むのはあきらめ、去年の土日はカフェに出掛けてノートを書いていました。
カフェでのノートタイムは楽しいですが、混雑する時間帯を避けないと座れなかったり、居座るのは2時間くらいが限度かと思うと長居するのに落ち着かなかったりと、やはりデメリットもあります。
そしてだんだん、「土日に自宅では素に戻れない」という状況が自分自身を苦しめるようになり、前述の「いっそもう一部屋借りようか」というところまで考えが及んでしまったのです。

この年始に帰省したとき、実母から、実は15年前に突発性難聴にかかり、今も右耳の聴覚がない、と告げられました。
原因は、父と暮らすことへのストレスです。母本人もそう言っていました。
父は昔から唯我独尊タイプでしたが、15年ほど前に娘3人が次々と結婚したことで父と母二人だけの生活が始まり、そのストレスが高まって発症したのだと思います。
私はこの事実を聞いて、母の前では平静を装いましたがショックに打たれました。と同時に怒りと悲しみがあふれました。
バカじゃないの、バカじゃないのお母さん。
お父さんなんかのために片耳の聴覚を失うなんて、そこまでして一緒にいずにさっさと別れれば良かったのに。
父の側に居続ける母にも、自分がストレッサーになっているとは絶対思っていない父にも、15年も何も気づかず何もできなかった自分にも、本当に腹が立って悔しくて、その晩は寝床で涙が止まりませんでした。
ひとしきり泣いたあと、「私は自分を犠牲にしない」と静かに、強く思ったのです。

後日、母の難聴の話を夫にした後、改めて「私のノートタイム中には近づいてこないで。すごくストレスなの。近づいてきたら『今は遠慮して』ってハッキリ言うから、よろしくね。私の耳が聞こえなくなったら困るでしょ」と伝えました。
私にとって自宅でノートタイムに集中することは、自宅で素の自分になる時間を確保することに他なりません。
夫であっても、いやパートナーだからこそ、その時間の必要性を理解し自分のスキンシップ欲を我慢してほしい。私を尊重してほしい。
そして私も私のノートタイムを優先します。
私は私を何よりも尊重する。決めました。



追記
その後の話↓

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?