0から始める決算書vol.1〜楽天2019決算を読む①


楽天の決算書を簡単に読む

本日は少し面白い楽天の決算書を読みます(僕は楽天の株を買っているくらい楽天が好きですが、決算書は好き嫌い関係なく分析します。)。
2020年度の題材がまだないので、昨年のものを参考に決算書を読んでいきます。

営業収益って何?

楽天の決算書を見るとあまり見慣れない言葉が出てきます。
それが売上収益です。

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売上収益17%成長!となると結構すごいですが、簡単にいうと売上収益は売上高のことです。
なので、売上高(=売上収益)も企業の成長を見る数値として重要ですが、しっかり利益を見ましょう。
また、決算書を読んでいる際に聴き慣れない、見慣れない言葉が出てきた場合はしっかり調べた方が良いです。
邪推になりますが、楽天のビジネスモデルであれば売上自体は伸びやすいと思っています。それゆえ、楽天は会社の数字の印象をよく見せるために「売上収益」(益という字がプラスの印象を与える)という言葉を使っているのかなと思いました。人によって考え方は違いますが、楽天自体は利益を出している会社ですので、良い意味でアピールの上手い会社だと思います。

楽天はしっかり利益が出ているのか?

決算書を読むのが面倒な場合はPPTだけを見る方もいらっしゃいます。
楽天の決算参考資料では、コア事業の営業利益+20%と書かれています。

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しかし、よくよく見ると営業利益が合計で20%伸びているのは上記6つの事業に限定したものです。
なのでもういちど決算書に戻って楽天の営業利益がどうなっているかをみましょう。

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どうやら2019年12月期の楽天の営業利益は720億円で、2018年12月期と比べてマイナス57%でした。

コア事業がうまくいっているのに営業利益がなぜ減少している?

それは楽天モバイルがうまくいってないからだと思われます。
決算書に戻るとそのことが読み解けます。どうやらモバイル事業における損失は当時600億円だったようです。

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また、インターネットサービス(楽天市場等)の自社物流網強化等に対する投資により、営業利益が減少したものです。

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楽天の事業をどう見るか?

僕個人としては、モバイル事業はなかなかの群雄割拠時代に突入しました。楽天が参入を決めた段階ではdocomo等大手があぐらをかいていた時代でしたが、現在、大手も格安プランを出すなど非常に厳しい状況です。ですので、楽天が今後どのように投資を回収していくのかが注目ポイントになります。

最後に

Vol1ですので、まだまだ触りですが、決算書の売上と営業利益、昨年との対比だけで、楽天の決算説明用パワーポイントから受ける印象と異なる楽天の実態が見えてきたかと思います。
売上、営業利益、昨年の対比から気になる点やすごい点に気づくことが見えてきます。
決算書をこれまで読まなかった人でも、決算書の数ページさえ読めば、会社の面白ポイントが見えてきますので、是非チャレンジしてみてください!


今日のポイント

売上収益は売上高と同じ意味。

売上高、営業利益、前年との対比から気になるポイントが見えてくる。


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