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草木染めで下地処理をする理由とは?(その1)

四季を感じながら、身近な植物を使った
草木染めやモノづくりを楽しんでみませんか?

草木染めとは、簡単に言うと
植物を煮出して、
その煮出した液で染めること。



それだけ聞くと、とってもシンプル。


でも、綿や麻などの植物繊維には、
何の処理もしないで染めようとしても
色が定着しないことが多い。

そのために下地処理をする。
染める前に、染めるものが染まりやすいように
準備をする作業のこと。
草木染めを体験したことがあれば、
あぁ、あれのことねって分かることだけれど。

少しでも染まれば良いという人は、
無理にする必要は無いけれど、
せっかく時間をかけたのにもったいないと
思う人にはぜひやって欲しい。

下地処理の他に、媒染という染める時に
大切な工程もあるけれど、
それについてはまた別の機会に。

草木染めは化学反応。

簡単に言うと、繊維と色素が結びついて
色が見えることが染まるということ。

繊維と色素が結びつくには、
イオン結合、共有結合、水素結合、
分子間力など
色んな結合のしかたがある。

結合によって強弱はあるけれど、
繊維と色素が結びつくことが、
まず第一歩!

そもそも植物繊維は、
セルロースが主成分で、
同じものが沢山並んでいるだけだと、
結合できるタイプの色素が限られてくる。

色素は色んなタイプがあるので、
くっつく形が沢山ある方が、よく染まる。
例えば、動物繊維の絹やウールなどは、
下地処理をしなくても、
色んな色素と結合できる状態。

植物繊維(綿、麻など)と
動物繊維(シルク、ウールなど)は、
同じ染液を使っても染まった色が
違うことはよくあること。

そもそも染まりにくい繊維である綿や麻を
染まりやすいように加工しているから、
どうしても絹やウールの方が染まりやすく、
発色にもそれぞれの素材で癖がある。

例えば、シルクでオリーブグリーンに
染まったとしても、
綿素材では茶色系に染まる。

草木染めを始めた人には、
下地処理をしなくても染まるシルクを
薦めている理由として、
染まりやすい点も一つある。
以前の記事参考↓


一般的に下地処理の方法は三つ。

①豆汁(豆乳)や牛乳を使う。
一般的なのは、豆汁(豆乳)に浸して乾燥。

②染料店で販売している濃染剤。
染料店によって何タイプかある。
柔軟剤を使っても同じような役割。

③タンニン下地。

下地処理について具体的な話については
また別の記事で。
とりあえずは、
この3パターンあるってことで。

ちなみに、日本で藍染が流行った一因に、
藍と綿の相性が良く、
濃く染めることができた点があるそう。

草木染めを始めると、
最初は色が染まるだけでも
おぉ!ってなるけれど、
段々と欲が出てきて、
もっと濃く、もっと鮮やかな色に
染まらないかなと思うように。

それには下地処理が要因になることも。

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