【連載小説】第四部 #16「あっとほーむ ~幸せに続く道~」懐かしい顔
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前回のお話:
31.<孝太郎>
風に乗って麗華さんの歌声が聞こえた気がした。まさかと思ったが、隣を走る庸平が「あー、やってるやってる」と無感情に言うのを聞いて確信に変わる。もしかしたら庸平経由で僕らが走ることを聞いた彼女が歌で応援してくれているのかもしれない、などと考える。
体操クラブの周知と会員集めを目的に今、僕らは街中の歩道を走っている。経由地には子供が集まりそうな総合公園や広場、児童館や商店街が含まれており、それぞれの場所で走