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いろりの話をします 後編

いろりの畑です。
長かった夏はまるで秋を忘れて冬をもたらしました。前編から時間が経ちましたが、その間に発酵も進んでいるいろりについて、またお話してみます。

前編はこちら↓

オンラインのその次へ
さてオンライン日本語サロンを始めて、ずっと歯がゆさがありました。この活動を届けたい人はまだたくさんいるし、居心地いい場所になったそこに発展はあるのかと。

筆者が初めて地域の外国人に出会ったのは日本語教室でした。そこは毎週日本語を勉強したい、日本人と出会いたい、国際交流したい人々が集まるひとつの「居場所」でした。しかし場所と時間の制約があってどうしてもこの居場所にリーチできない人がいました。

更にコロナを機に対面のクラスが行えなくなりました。日本語教室は先に述べたように「居場所」としての役割も強く、当時多くの人が抱えた閉塞感も相まって日本語教室をオンラインでもできないかと試みました。そうして誕生したのが、いろりです。始めて2年、当初の参加者は地域、特に静岡県掛川市在住の方々でしたがその一部は帰国して海外から参加したり、SNSや口コミで広がって、新しい参加者がまた新しい参加者を呼んだりしてたくさんの出会いを作り出せました。対面の日本語教室には来なかった、来られなかった人でいろりに来る人もいました。

成果として報告してみると、日本語能力試験の目標級を合格する人が続々といた、帰国して日本語の先生になった、いろりで友だちになった人とSNSで繋がってチャットしたり電話したりする仲になった。こんな出来事が多くありました。

嬉しいいいいい!

......一方で危機も感じました。今ある「いろり」という器の中にこれら出来事が埋没してしまうのではないかと。第一、「わたしとあなた」の関係性はそれぞれでグンと濃くなりました。しかしいろりの一歩外を出ると、孤独や無知、偏見の風が吹いていて、そこから逃げる場所を私が私のために作っていたのかもしれないと。

そうして今あるいろりを社会に!それはあの冷たい風に立ち向かう新たな一歩になったのです。

いろりの畑はこれから何を目指すのか

2年目に入って、「畑」であることの目的も改めて考えているところです。報告書にて「草刈り効果」と呼び、農作業を通して自然と人と人が心を通わせ合うことは毎度のことです。そして畑は、みんなのフィールドになることも見えてきました。力の差や器用さによって出来ないことがあるのではなく、畑において出来ることはたくさんあります。過ごし方をそれぞれが見つけやすいのです。

かく言う私は、みんなの農作業している姿を眺めることが好きです。サボっているんじゃないんです。過ごしているんです(笑)

今年、お世話になっている里山があります。そこでの体験談を書いてくれた参加者がいるので紹介します↓

参加する理由が何であれ、いろりに集まった人は迎え入れ、楽しい時間を共有するという「いろり」という名前に込められたあたたかい想いを感じました。

かほりちゃんのnoteより

いろりの畑はこれから何を目指すのか、これです。楽しい時間を共有したい。温もりを耕したい。また偶然にも、里山や世界の現実を知ったり考えたりする機会になるかもしれない。前編でも述べた「人と人が出会って関係性を、文化を、価値観を耕すことができる場をみんなとつくり【たい】と思って活動をしています」ということはつまり、いろりの畑には何か出会いが待っていて、だからこそ発酵する場所であるということです。

※発酵とは「微生物の活動によって食べ物が人間にとって良い形に変化することで、栄養素や味、人間にとって好ましい変化を引き起こす」こととしたら、いろりの畑においては、「色々な人が関わり続けることで場が活性化していくプロセス」と例えています。これについて次回書きたいと思っています。

今後も、里山や農家さん達とコラボレーション企画をしていきます。
毎日寒いけど、心も体も温かく過ごしましょうね。

ほなみ

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