君の絶望に触れていたいよ
CRYAMYから、カワノさんが居なくなって一ヶ月が経った。
私はここ数日になってようやくまたCRYAMYの音楽を再生することが出来た。ようやく現実として受け止めることが出来てきた。そう思っていた、が、また声を聴いてしまうとどうしようも気持ちに襲われる。この感情をどうにかしたいので、CRYAMYについて書きたいと思う。これは自分のための文章だ。いや、ごめん嘘かも。私と同じ、CRYAMYを愛してやまない人間に届いてくれたら嬉しい。
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うるさいギターが好きだ。魂を削ってるかのようなボーカルが好きだ。文学的な歌詞が好きだ。愛を語る歌が好きだ。
CRYAMYははじめて聴いた瞬間から夢中になった。
「運命だ」と思った。ごめん、頼むから寒いとか痛いとか思わないでくれ。それくらい私の好みのバンドだった。
はじめて聴いた曲は『テリトリアル』。Spotifyの人気曲一位だった。もう、まずイントロからいい。正しくロックでギターがうるさい。最高だ。そしてサビ。
私は無責任な言葉が嫌いだ。その場しのぎの麻薬みたいな言葉に惑わされて人生を捨てたくない、し、そんなものに惑わされる人間もどうかと思う。
この歌詞、めちゃくちゃ凄い。無責任な言葉を投げかけるでもなく、ただ「君の絶望に触れていたいよ」と歌う優しさ。その優しさに救われる人間がどれほど居るんだろうと思った。
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私がCRYAMYでいちばん好きな曲の話をしよう。『物臭』だ。この曲はずっと退廃的な雰囲気を纏っている印象がある。
根からのロックバンドが「それなりのポップソングをあえて」と歌うことが、どれだけ重い意味を持つのだろうか。私にはまだ分からない。
さっき書いた「無責任な言葉が嫌」という話に通ずる歌詞だ。無力な人間が放つ言葉はいつだって説得力を持たない。だから何も言えない。でも"あなた"のことを思う気持ちは確かに本物なんだろうな。
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『物臭』がいちばん好きな曲だと言った。が、それとは別に、いちばん大切な曲がある。CRYAMYが好きな君ならきっと分かってくれるだろう。
この曲の歌詞、どこを引用するか迷った。それくらい全ての歌詞が私にとって大切だ。
どういう曲なのかっていうと、もうひたすらに”あなた”のことを歌っている。あなたに生きていて欲しい、そんな願いをいろんな言葉を紡ぎながら表現している。あなたのために、どうしようもなく必死になっている。この曲のフル、脅威の11分なんですよ。そんな壮大な曲のサビはたった四文字。「あなたが」この四文字を繰り返し叫ぶ。そんなサビ。
私はどうしようもなく根暗で上手く生きられない弱い人間だ。生きていて辛いと思う瞬間は数えきれないくらいある。でもこの曲を聴いている時は、生きててもいいんだって思えてくる。吐きそうなくらい辛いことがあった日はこの曲を聴いている。生きるために聴いている。
YouTubeに投稿されている世界のLIVE VIDEOでカワノさんは「あなたたちの世界は俺が守ってやるから心配しなくていい」と言っていた。本当に、その通りだ。カワノさんの言葉って、たとえどれだけ大袈裟な表現だったとしても不思議と信じてしまうのだ。ロックスターだよね、ほんとに。表舞台で見ることはもう、ないのかもしれないが(しれっと戻ってきても全然いいんですよ)暫くは残された曲に縋っていくよ。ありがとう。
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