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レビューを参考にゲームを買うことの難しさ と その対処法



・はじめに

口コミ……つまりユーザーによるレビュー
口コミが誕生して以来、レビュー界隈は大きな盛り上がりを見せている。

購入前にレビューをチェックすることは、もはや当たり前となった。
ユーザーによるレビューには忖度がない。
広告としての意味が強い新聞などよりも信用できる。

……しかし、
レビューを購入の参考にしようと思ったとき、
家電などでは発生しえない難しさ…「落とし穴」が多く存在する

今回は、ゲームレビューを購入の参考にすることの難しさ。
ゲームレビューそのものの価値。
この難しさとどう付き合っていくか…という対処法を紹介していく

(なお、筆者はゲーム下手な一般人である。
この記事の信頼性には注意してほしい。)


・「感じて楽しむ」ものであることの難しさ

まず家電レビューの場合は、評価にはハッキリとした基準がある
どれほど長く動くのか、どのくらいの熱量が出るのか。数値でほぼ正確に表せる。

どのように使えて どんな人に必要なのか ほぼ正確に知る ことができる。
(そのわりに数値や仕様などの記載がないレビューも多いが、そういったものは無視できる。)

しかし、ゲームレビューはちがう
重要なのはゲームが「面白いかどうか」だ。
それは数値などで正確に表すことができない

あなたが面白いと感じたかどうかがすべて
ゲームが持つこの性質はレビューを極めて難しくしている。

ゲームレビューで、
グラフィックの素晴らしさが力説されていても、
完成度の高いシステムだと説明されていても、
大勢の人間から高い評価を受けていると書かれていても、

あなたが「このゲーム、微妙だな」と思ったら、
それらのレビューはすべて灰と化す

逆にゲームレビューで、
グラフィック技術が低いと力説されていても、
バランスが悪いと説明されていても、
大勢の人間がつまらないと言っていると書かれていても、

あなたが「このゲーム、面白いな」と思ったら、
それらのレビューはすべて灰と化す

ゲームは「プレイして感じる」ものだ。
正確にレビューすることができない。

このゲームには○○というシステムがあります……××というゲームエンジンで作られました……というような情報は正確だが、「面白いかどうか」という重要なところは保証してくれない。

あなたがそのゲームを面白いと思うかどうかは、
あなたがそのゲームをプレイしなければわからない。


購入の参考にするにあたって、ゲームレビューは極めて無力である。


・読み物としてのゲームレビュー

……では、ゲームレビューには価値がないのか?
そんなことはない。
ゲームレビューはそれ自体が楽しいのだ。読むのも書くのも楽しい。これこそが購入の参考にならなくてもゲームレビューが滅びない理由だろう。

ゲームは「あなたが感じたことがすべて」だ。
つまり、同じゲームを遊んでも感想はまったくちがうものになる
あなたにしか書けないただひとつのレビューとなるのだ
だからこそ、他人のゲームレビューを読んだときも「あなたであるがゆえの感想」がドンドン湧いてくる。(プレイ済みのゲームならなおのことだ。)

(SNSではいわゆる空気読みが行われるためコピーな感想が多かったりするが、対面で深堀りする……個人サイトを見る……などすると 良かったと思う部分がまったく異なっていて驚くことが多い。)
(また、空気を読んで話を合わせるのも それはそれで面白さがある。)

ゲームレビューは人の心を強くゆさぶる
じんわりと胸が熱くなるようなことも、とてつもないショックを受けることもたくさん起こる。ゲームレビューそれ自体が「読み物/書き物」として魅力的だ。購入の参考にはならなくても それは非常に価値がある。

・ゲームを購入するときに参考になるもの

ゲームレビューは「読み物/書き物」として非常に価値がある。
しかし、そうはいっても実際にゲームを購入するときどうすればいいのか?

残念ながら、どんなに頑張ってもゲームの購入は博打である。
「自分がどう感じるか」がゴールである限り、この点は揺るがらない。
そのうえで打率を上げる手段はいくつかある

まずはゲームプレイを見ることである。
昨今はプレイ動画があふれていて参考文献には困らない。このとき色眼鏡をあえてかけることで、プレイ動画を購入の参考にすることができる。
「動画として見ていて面白いか」で判断するのではなく「実際に自分がプレイしたらどう感じるか」を想像して判断するのである。動画として見ていると稚拙なグラフィックも、実際にプレイして手に汗握りながら見ると迫力がまるでちがう……なんてことはゲームにおいてよくあることである。

「自分がプレイしていたらどうか」という点を意識することで、「動画」を「実際のプレイ」に近づけることができる
動画として面白いことと、プレイしていて面白いことは別物なのだ。

(これはレビューを参考にしたい時も同じことがいえる)
(ネタバレは踏んでしまうことになりやすいので難しいが、序盤ではなく中盤のプレイ動画をチェックしておくと打率はより上がる。
序盤の数時間はチュートリアルも終わっていないような……いわゆるタメの段階であることが多い。)


続いては公式サイトなどの説明をよく読むことである。
昨今の公式ページでは、情報がこまかく記載されていることが多い。どのようなゲームジャンルなのか、どんなプレイヤーに届けたくて作ったゲームなのか、既存ゲームとはどうちがうのか書かれている。

もちろん公式の情報は広告でもある。
欠点をうまく隠して都合よく書かれている。

しかし、公式が伝えたい魅力が描かれていることも事実だ。
多少盛られていることを加味したうえで、うまく参考にしていきたい。

(このとき、実際のプレイを含まないイメージ映像を参考にしないように注意したい。強く加工・編集されているものも同様だ。
イメージはイメージであり、実際のプレイとは異なる。)

最後は、たくさんのゲームを買うことである。
昨今はセールの値引き率がすごい。2~3年前の大作ゲームが50%OFF、4~6年前なら75%、さらに昔のものならワンコインなんてことはざらにある。
小品なら時期すら問わずに安価なことも多い。
新作を買うついでに、安価なそれらも購入しておくと保険になる

ついでに買ったものは積みゲー」にしておく
不幸にも本命が肌に合わなかったり、思ったよりも早く終わってしまったときに始めればよい。悪いと思いがちな積みゲーだが、よくよく考えてほしい。財布から小銭が消えるだけで誰も困ったりはしない。)

ゲームというものは、たいてい良い点と悪い点がセットになっている
物語性が良いゲームは、ゲーム性を失っている。
ゲーム性の良いゲームは、物語性を失っている。
どちらも良くしたゲームは、プレイヤーに負荷の高い脳内処理を強いる。

すべてが完璧なゲームは存在せず、すべてが悪いゲームも存在しない。
旧作が新作の完全下位互換である……ということは極めて少ない。
その時代のゲームにしかなかった魅力というものが存在する。

過去作を買う意味は十分にある……ということである。

・まとめ

ゲームレビューは人の心を強くゆさぶる
それ自体が「読み物/書き物」として魅力的なものである。

しかし、購入の参考にしようと思うと難しい。
ゲームレビューには正確さがない。
ゲームが「感じて楽しむ」ものである限り、どんなに詳しく書かれたレビューであっても「面白いかどうか」の証明にはならない。

あなたがそのゲームを面白いと思うかどうかは、
あなたがそのゲームをプレイしなければわからない。

過去作を格安セール、多くのタイトルを遊べるサブスクリプション。
これらのサービスは多くのゲームをあなたに届けてくれるだろう。
お財布や時間と相談して様々なゲームを遊んでみることをおすすめする。もちろん、ピンときた一本とじっくり付き合ってもいい。

ゲームはとらえどころのないものだ。
手に取ったそれがどんなゲームなのか、ただひとつの正解はない。
あなたによってその姿形を変える。

あなたが「あなたが面白いと感じる」ゲームに出会えることを祈っている。


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