日本政策金融公庫から門前払いされる。【フリーター、ジムを建てる。その5】

お世話になっております。
フィットネスジムIRONPARKです。

~前回までのあらすじ~
知識も経験も自己資金もないフリーターが、ジムを作るために日本政策金融公庫に融資の相談に行った。
~あらすじ終わり~

前回の記事でも書きましたが、公庫から融資を受けるためには、創業計画書等の各種書類の作成提出が必要です。

創業計画書は、
・各種見積もり
・借金の有無
・自己資金
・融資希望額
・家族構成
・職歴
・月間収支予定
などを記入する項目があり、しっかり根拠のある数字で作成していかなければなりません。
例えば自己資金額を偽ろうとしても、通帳のコピーの提示を求められます。
源泉徴収票のコピーも求められました。

我々は嘘偽りになく創業計画書を作成しました。
希望融資額は2000万円。(器具や内外装工事の見積額+α)
今だからこそ冷静になって思えるのですが、業界経験も自己資金もないフリーター達に、2000万円なんて常識的に考えて借りられるわけがありません。
ですが当時の我々はそんなことも知る由もなく、借りられる気でいました。

忘れもしません2021年12月、初めて日本政策金融公庫に融資の相談に行った日のことです。
創業計画書等を握りしめ、普段は着ないスーツに身を包み、緊張しながら公庫に向かいました。
若い男性の公庫担当者が出迎えてくれて、相談ブースに通されました。

まず創業に至った経緯や、創業計画書についての説明を担当者に話しました。担当者はたまに相槌を打ちながら話を聞き終えると、
「率直に申し上げますと、融資はできません。」
そう我々に告げました。
今でも融資を断られたときのことは鮮明に覚えています。

その後、担当者からなぜ融資できないか説明されましたので、ここに書き記します。公庫から融資を受けようと考えている方の参考になれば幸いです。
○業界未経験
融資の審査には、その業界に経験があるかがかなり重要視されるそうです。だいたい10年ぐらい業界で働いてやっと経験ありということで、審査の対象になるとのこと。そもそも我々は審査対象外だったわけです。
○自己資金不足
融資できる額は自己資金によって決まります。だいたい自己資金額の3倍ぐらいが融資限度額です。2000万円融資してもらおうとしたら、単純計算で最低でも600万円ぐらい自己資金がなければならない計算になります。(自己資金600万円あれば、融資は1400万円で済みますが。)
○コロナ禍
いわずもがな、コロナが流行していましたので、世間は自粛ブームです。そのようなご時世でジムを開業しても、すぐに潰れしまうことは容易に想像できます。
さらに、コロナ禍で減益した他の事業者からの融資の相談が急増していた背景もあり、まずはそちらが優先となってしまい、我々にような素性もよくわからない者に融資できるお金もなかったのでしょう。

どんなに優れた計画書を作ろうが、
経験と自己資金がなければ、融資は受けられません。
コロナ禍ならなおさらです。

そもそも政策金融公庫は国が出資している金融機関です。税金が投入されている以上、成功する見込みの薄い事業には融資なんてされるわけがありません。

我々はそもそも審査の対象にもならず、門前払いされてしまった形になります。その当時は落胆し、一生懸命計画書を作ったのに一蹴されたので公庫を少し恨みましたが、今考えれば融資がおりないのも頷けるし当然だったと思います。

次回『フリーター、資金調達に難航する』


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