140字小説【変わらぬもの】

2023年7月16日 01:39

不景気で仕事が減り、今月の家賃さえ払えるか心配だ。母の反対を押し切り、遠くの街へやって来た僕には頼る人もいない。そんな苦しい状況下で空き巣被害に遭った。しかし誰かが侵入した形跡はあるが何も盗られていない。それどころか、空っぽだった貯金箱がずっしりと重くなっていた。「母さん・・・」

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