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SS【もし魔法が使えたら】411文字


「ねえ、もし魔法が使えたら何したい? 魔法はたった一つだけ。どんな魔法かはあなたが決められる」


「クローズド・サークルを作り出すよ」


「推理小説でよく出てくる外との行き来ができなくなった状況のことね。外は猛吹雪になっている夜の山荘とか・・・・・・」


「そうそう」


「でもそんな状況を作り出してどうするの?」


「一人、また一人と謎の死をとげる中でぼくも殺される。そして最後は誰も居なくなる」


「そんな話あったね。実はあなたは死んでなくて最後まで生き残っている。なぜならあなたが犯人だから。そんな感じ?」


「ふふ。君はどんな魔法を使いたい?」


「私はあなたの過去を知りたい。十年前、あなたが急用で行けなかった山荘で起こった殺人事件。誰一人生き残った人は居なかったけど、最初にみんなを誘ったあなたが本当に参加しなかったのか知りたいわ」



「よかったね、魔法が使えなくて。ぼくは君が用事で行けない日を選んだ。恋敵との争いに君を巻き込まないためにね」



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