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140字小説【バイバイ】


「あの、何か落ちましたよ」私が声を掛けると青白い顔をした男が振り向いた。「ありがとうお嬢さん。この指輪はぼくが贈ったものなんだ」男はそう言うと地面に落ちた手の小指からルビーの指輪を抜き取り黒い上着のポケットに入れた。男は後ずさりする私に犠牲者の手を持ってバイバイした。

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