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140字小説【欲深いマグカップ】

一見するとなんの変哲もないマグカップ。骨董屋でただ同然で入手したそれは、品名が欲深いマグカップだった。不思議なことに薬缶に八分目まで入ったお茶をいくら注いでもマグカップは満たされない。薬缶はついに空になった。マグカップの底を覗くと、まるで際限のない、人の欲望のような深淵が見えた。

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