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140字小説【行く手を阻む番人】

荒波が打ち寄せる断崖絶壁、そこは自殺の名所。誰も立ち入らせないため蜘蛛の巣のように張られたロープをくぐり抜ける女。フラフラ崖の淵へと歩いていく。するとロープに仕掛けてあった鈴が鳴り、番人が昼寝から目覚めた。そして毅然と女の行く手を阻むと、何も言わずに、何度も何度も首を横に振った。

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