見出し画像

SS【不思議な世界へようこそ】


子供の頃に不思議なものをたくさん見た。

ぼく自身の想像力と目で創り出したものたちだ。

木目が人の姿に見えたり、焚き火の中に今にも飛びかかってきそうな荒々しい虎の姿を見たり、空を見上げれば雲の巨人がいたりする。


自分の創り出す架空のものたちに怯えつつも、そこに何かの可能性を見い出したかったのかもしれない。


大人になってからは不思議なものたちの登場がめっきりと減った。

というより創らなかった。

二十年以上、創ろうとしなかった。


ぼくはここ一年くらい、毎日机に向かっている。

ちょっとした物語を書いている。

子供の頃に見てきた不思議な世界の住人たちに、命を吹き込むために。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?