見出し画像

散文【大人の眼鏡】207字


子どもの頃、ぼくはずっと不思議だった。

雨に打たれながら車道で仰向けに寝て空を見つめるオジサン。

とつぜん壁から現れ、再び壁に消えるお姉さん。

少し変わったその人たちのことを母に話すと母は嫌な顔をした。

変わった人は家にもいた。そのことを母に話すと引越しが決まった。


時が経ち、周囲の人たちの真似をして大人の眼鏡をかけると見えなくなった。

なぜ大人たちは眼鏡をかけるのだろうか?

どうやらこの眼鏡は一度かけると外せないらしい。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?