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イーロン・マスクがTwitterで暴走してる話

イーロン・マスク、暴れておりますね。TwitterのAPI制限(2023年7月3日現在)の件です。Twitterだと文字数制限で書けなかったのでこちらに書いてみます。自分の脳内整理のメモも兼ねて。

これTwitterユーザーからすると迷惑でしかないんですけどイーロン・マスクの言い分もよくわかるのでIT屋さんとして書いてみます。

まずなんで制限したか?というイーロン・マスクの事情から。

以前別記事でも書いたのですが、ここ半年で劇的にAI分野が発展しています。私も本業の方だと劇的なニーズ増加に対して急遽対応する必要があり、体制組むんで追加で予算ください!とお願いしてるような状況です。

そのAI達は優秀な判断をするために大量の学習データが欲しくて、欲しくてたまらない。AI同士も覇権を賭けた争いがスタートしたのです。そして、Twitterは【文字数の制限のあるSNS】なので非常に学習しやすいデータなのです。

※当たり前ですがAIは短文は理解しやすく、長文は理解が難しい生き物です。生きてないけど。

ということで、Twitterに対してAI側が想定外の量のクレクレをした、そしてそれに困ったイーロン・マスクが制限をかけたということです。

このクレクレをするために実行されるプログラムのことをAPIと呼んでます。

別にそんなのは世界の発展のためにデータあげればいいじゃないと思うんですが、これ世の中の全てのシステムは何からのサーバーやネットワークを利用してサービス提供しておりいずれも利用料がかかります。つまりクレクレが多いと金がかかるのです。

さて、ここでそもそものTwitter社の話。Twitterはユーザー数だけみれば大きなサービスですが、売上の大半は広告収入で約7000億円くらい。これはIT業界としては悪くはないけど大きくもありません。そしてTwitter社はちょいちょい赤字です。広告収入はFacebookにボロ負けです。

ユーザー数が増えてクレクレが多くなる分には広告料を値上げすればいいのですが、AIがクレクレするのは全く嬉しくないのです。

ただでさえキツい状況なのにAI勢に食い物にされてイーロン・マスクがキレたのが今回の背景です。実際キレたかはしらんけど。乱暴だけど適切な気もします。

Twitterはイーロン・マスク買収後にそもそもTwitter Blueの有料会員を強化して稼ごうというのと、Twitterのデータをしっかり金に換えようという方針でした。

これは明らかに今のままではTwitterは維持できないという表れでもあり、今後Twitterのつぶやきをしっかりデータとして売り物にしていく構造変換が実現できなければ縮小均衡の後に消えていく可能性も否定できないのです。

今回の件で認証ユーザーも増えただろうし、AI勢にも一定のダメージは与えただろうし、イーロン・マスクは自分のイメージ戦略とか無いだろうからある意味大成功です。

ZOZOTOWNの仕事したときも似たような驚きがありましたけど、ぶっ飛んでる経営者の方々は私達には理解できない考えでかつ、思いつくよりそれをやっちゃう凄さがありますね。良し悪しはともかく凄いなと感心します。

激変しているITの世界においてユーザー側もサービスを利用する上で様々な変化についていく覚悟が必要なのかもしれません。

そもそも日本人は無料のサービスに対して厳しすぎる民族なので、そのあたりからかな?

おしまい

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