母校に協力してきた

ちょっと前になるが、母校から連絡がきて、「卒業学科と同じ(ようなw)仕事に20年以上就いている卒業生から在学生・入学希望生との対話(zoom等)」をするという仕事が来た。ギャラはamazonかあいちゅんかーどっていう詐欺かっていうようなw

いや実際最初「詐欺かな」って思って無視してたら、ちゃんと学園事務局から電話がかかってきて本当だとわかった。
まあどう考えても私なんて実家にいるからなんとか生活できてるだけのショボい自営業者だし、他にいくらも適任がいるだろうとおもったが、思えば「20年以上学んだ学科と同じ(ような)仕事をしている」「卒業時の連絡先が生きている」人間なんて本当に選ばれたメンバーなんだね。
つまり実家が引っ越してないか、自分が実家住まいだ。
がっかりなことに私は後者。
そしてだからこそ「生きてける」範囲でしか仕事ができてないのだがそれでいいのか?と事務の人に正直に話してしまったw

とはいえ、20年以上となると本当に限られた人数なので(私在学中は1クラス52人しかいなかったしね。卒業するときは40人切ってたしw)、お願いしますということでおねがいされました。

あれなんな。今時在学生より志望する高校生とその親がメインなんやな。
学生の「どうしてこの学科を志望されたんですか」という質問に、いやー志望してる大学(しかも全然関係ない理系な学部)全部おちちゃって、浪人するかで悩んだ挙句、情報処理とデザインとまよってデザインを選択しました!覆面浪人生やってて翌年も第一志望だった大学受験したんだよー。受かったんだけど結局大学いかなかったので、親にめっちゃおこられたんだ!
とか言うのもなんなんでw そこは適度に嘘ついちゃったよごめんな。
半世紀も生きてるとこういう嘘はすごくうまくなるんだよ。ここに至るまでに似た質問は何度かされてそのたびに言葉にしてるんで、なんとなくスラスラとストーリーは出るんだ。

親御さんからの質問はもっと具体的で、お給料や仕事の選び方や就活について聞いてくる。そういう意味ではよい仕事はもっと他にあるし、20年以上やってるっているのはほぼ生存者適応で、どれだけの人間が(就職の段階で、お給料の問題で、人間関係や体力的に、ライフワークバランスを考えて)離職したかわからないという過酷かつ成果の見えにくい業界なわけで。
しかも紙メディアなんてこれから完全に死に体かもしれない。
(いや個人的には死ぬ死ぬいわれて残ったのはレコードとCTみたいなこともあるので望みは全く捨ててないけれど、一般的にはね)
そういう意味ではゲームやアニメやweb、VRなどというもっと具体性のある学科を選んだ方がいい、って思うのかもしれない。
でも基本の基本はセンスだったり物を見る目だったり自分の好きをどれだけ増やすかみたいな事で、そのレンジを学生〜30代前半位までにどれだけ広げて吸収して蓄えたかという基礎力が生きているから、そういう意味ではこの学科も悪くないよ的な話はしました。引き出しは多いに限る。
カリキュラムも他の学校にくらべたら多いし、バイトもあるだろうけど、学割効く間にいろいろみにいったり体感したりしてほしいなってすごくすごく思う。
美学とかマスコミ論とか映像論とかやんなくてもいい基礎教養的座学はまだカリキュラムとして残ってて、そういうのが私も最終的に役立ってるし。
ぶっちゃけ基礎があれば、技術はその場で必要なことを学べばいいんだよ。
だから最初の間口は狭めるべきじゃない、っていう学科の意図は正しい、と思う。
実際のとこ(事務局の人には個人情報だから言わなかったが)、
クラスメイト達の中には、和柄染め物職人、鯖江でメガネ職人、革製品作ってる子、ビーズやレジンで作品作って食べてる人、ドールの衣装つくってるたべてる人、ウエディングカメラマン、枚葉と活版の印刷所をやってる人といるが、この幅広いというかなんか無節操な仕事内容、やっぱりうちの学科っぽいって思うしね。
ちなみに私は学生の頃は、シルクスクリーン印刷と写真現像室(両方地下)に篭ってる時間が長かったけれど、最後の卒業制作はほぼ半田づけと機械工作だったし、映像会社に就職して企画仕事してたし、いわゆるデザイン業務一本になったのなんて20代も半ばだったけども、それはそれでいろんなとこで学べてよかったなーとか思っています。
今やってる仕事も、自分に向いてるわけでもうまいわけでも稼げるわけでもないけれど、まあここまでやってくるとこれからもやりたいなあ(仕事があればな!!!!)と思う程度には好きですし。

紙メディアは本当に廃れるかもしれないけれど、前述のとおり、音楽メディアとしてCDもMDも(LカセットもDATも)滅びるだろうが、レコードとCTが残ったように、趣味の領域として確実に残ると思うのよね。
ただ仕事は減っていくから、そこはどうするかだなあとは思っています。
時間的経済的な体力があるうちは、趣味の作品は作り続けて作品にふさわしい発信を続けられると本当は一番いいんだけど、そういうのがまたできない感じの仕事っちゃあ仕事なんだけどね苦

まあ諦めないことと、実家が太いことが一番だいじですな(みもふたもない)
*うちの実家は決して太くはないどこか細細だが、まあ色々事情があってなw


やりたい事ってむずかしいね。
最終学歴がどこになるかっていうのをティーンの頃に仕事のことまで鑑みて選ぶなんて絶対無理だし、学科と同じ仕事をしてるひとなんてほんの一握りだと思う。それができてる人間は僥倖なのか不幸なのかはしれないけれど、多分学んだことは無駄にはならないので、教えてくれるうちはなんでも学んでおけとおもうし、座学は大事だし、基礎教養は大人になるとどこでやっていいかわからんもんだから、学生は大事にしてほしさあるな。

まあでも、皆制作がしたくてやってくるんだもんなw
私みたいな座学好きの絵がかけない人が目指す学科ではなかったです。ハイ苦笑
まあ目指して卒業しちゃったんだけどね。もう30年も前のお話。

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