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ハラダが経験した『秘書』という仕事。

きっと経験者の少ないお仕事だと思うので、書いてみようと思います。
あくまで「ハラダが経験した」です。

この会社内での「秘書」とは…

おそらく大体の日本人の方は名前を聞いたことのある某生命保険会社の、7人いる役員のうちのおひとりでした。
CEO、社長、専務、常務などいらっしゃって、それぞれに第一秘書・第二秘書がついています。
基本的に、すべては第一秘書が秘書業務を行い、第二秘書はあくまで「第一秘書が休みの時に対応する」という立場でした。

しかし、全ての秘書が同じ仕事をするわけではなく、その役員によって業務内容が変わっていました。例えば、あらかじめ決められた選択肢からランチを毎日買ってこなければいけないとか、英語が話せなければいけないとか、〇センチ以上のヒールを履かなければいけない、とか…。

私がついた役員の場合は…

他の先輩秘書の方からも「一番優しい役員ですよ」って言って頂けるほど、確かにお優しい方でした。
最初はパンプスで出勤していた私ですが、途中からスニーカーになっても特に何も言われず(笑)
そして、他の秘書の方がやっているような出張の手配・会食の手配も全部自分で行いたい、という方でした。お食事や宿泊先などにこだわっていらっしゃったことが理由のようです。

しかし、彼の予定といえば3か月先まで細かく埋まっていました。明日の予定、なんていえば本当に分刻みで、数分早くミーティングが終われば、その合間にトイレにダッシュで行く光景をよく見かけました(笑)
毎日のランチはコンビニ弁当。もちろんその時も仕事をしながら。
そして、彼に相談ごとのある人たちは、この時間しかお話ができないので申し訳なさそうに訪れることもしばしば。勿論、それは絶対に断ることなく食べるのを中断してミーティングに変更します。

そんな大忙しの役員ですので、直接話しかけるよりもメールでの連絡に徹しました。(跡を残せますし、作業を中断させずに済むので)
この時も、光の速さでお返事がきます。なので、お返事が来ない時は本当に時間が無い時、と捉えることもできました。

相手の事情により、早急に役員と相談をしなければならないようなときは、相手に合わせて役員が早朝に出勤したり、夜遅くに対応することもありました。その合間に、お客様からの感謝のお手紙を1通1通読んでいる日もありました。

そんな私の秘書仕事は…

基本的には、

■スケジュール管理
■来客の際に部屋へご案内をする
■年賀状など作成
■経費精算

くらいのものでした。

この中でも、私の大好きな仕事が「スケジュール管理」(笑)

前述したとおり、分刻みの彼の業務量。
これを、スムーズに行えるために私が最大限にできることをしていました。

優先されるご予定…取締役会や株主総会などはもう絶対なので、この前後30分は空けておきますね。
それでも「もしこの時間が空白になったら少しでも話をさせてください!」という方からの懇願もあるので、仮予定として入れることもありました。

スケジュール調整はテトリスみたいなもの

基本的には、「誰か」から「こんな内容で/対面or非対面で/この日までに/〇時間のミーティングをしたい」という形で連絡がきます。

その内容から判断できる役員のスケジュールのうち、3候補の日程を「仮押さえ」として、空白の予定をシステムに打ち込んでおきます。
同時に、会議室も確保!
※これをしておかないと、他の誰かに先に予定を入れられたりしてしまうんです。時々、秘書を通さず勝手に予定を入れてしまう輩がいたもので(笑)

そして、依頼元の方にその3日程を伝えます。
「対面の場合は、〇/〇 〇:00~〇:00で」
「非対面の場合は、□/□ □:00~□:00で」
…なんていう風に。

これで決まれば、仮押さえしていた要らない日程・使わない会議室の予定は削除。会議の内容/参加人数によっても、会議室のスペックが変わってくるので、会議室選びも慎重になります。

ハラダは子供の頃、「テトリス」が大好きでした。
それと同じ感覚ですね!


依頼元の希望と、彼のスケジュールがきっちりハマる日とか、ミーティングの参加者が多くて予定がうまく組めなかったものが何とかバチっとハマった日なんてもう、達成感が半端ないのです(笑)

大どんでん返しのスケジュール調整

全ては彼の予定が基本。
そして、拠点間の移動や出張も多いので、私自身、顔を合わすことは週1~2度でした。

「この週はこの拠点にいる」という連絡をくださるので、それをベースに組んでいくんですが、稀に、彼の居場所の予定が変わることがあるんです。

そうなると、
「実際にあってこのプロジェクトの説明をしたい!」
「採用の面接がある」等
対面形式で行う必要のあるご予定は
一度バラして組みなおしになります…!

相手に陳謝しつつ、彼の空白の日程をピックアップして、良さそうな日を電話で話しながらどんどん仮押さえ!もちろん同時に会議室も同時に押さえる!

どうしても予定が合わない場合、既に確定している予定のうち「この日じゃなくても良い予定」の相手側に調整をお願いして一旦確保。
そこに変更できるか、相手にも確認してOKならねじ込む!

更に会議室が空いていない場合、その会議室を押さえている方ひとりひとりと連絡を取り、「こっちの会議室に変更できないか?」「可能であれば空けてもらえないか?」の交渉。
※たまに、一人で静かに作業に集中したいという方が会議室を取っている方もいるので、片っ端から連絡。

それでも空かない場合、他の役員の秘書にご連絡。
その役員が外出・出張などで役員室を使っていない場合、そのお部屋を一時的にお借りすることも可能なんです。とはいえ、最終手段にはなります…。

こういった社内の予定であれば、基本的に役員に「ここに予定を入れていいですか?」とは聞かず、私の一存で決めていました。

最初は怖かったですけどね…(笑)
人の予定を勝手に決めるのって。

来客や、グループ会社の役員とのご予定は、まずは彼に確認を取って候補日を絞ってもらっていました。

人の役に立つ仕事、だと思った

「誰かの役に立つ仕事」が出来たのが、この秘書という仕事だったと思います。

分刻みの忙しさで仕事をこなす彼に、少しでも負担の無いような予定を組むことに全力を注ぐこと。

彼とミーティングをしたい等の希望を、彼の予定を軸にしつつ、その相手の希望を最大限に叶える努力をすること。

この両方を同時に行うことが、本当に楽しくて。

関わる方々が、各自のパフォーマンスを最大限に発揮できるよう、足元をしっかり固めて置く…とでもいいましょうか。



当たり前の仕事なので、感謝されたいという願望はありませんでしたが
時々、「何とか●日までに役員とお話できてよかった!ハラダさんありがとうございました!」って言って頂けると、毎回全力で対応していてよかったなぁと思えました。

ハラダが1日休んでしまうと、第二秘書が対応するわけですが
普段の状況をよく知らない方なので、その翌日、予定の組み直しを行うことになります…。
会議室を確保できていないのにミーティングの予定を入れてしまったがために、場所がないとか。
なぜか役員が休日の日に予定を入れてしまったりとか…(泣)

朝一から、全てのメールをチェックし、私が入れていない予定は全てウラを取り「このまま進めていいか?」の確認が必要でした。
毎日、数か月先まで膨大なスケジュール調整依頼がある為、ハラダが休んだ日のスケジュールのおさらいは、朝から昼までかかりました。

秘書仕事は、ある意味「作品」でした

そんな風に、自分が完璧に仕上げているスケジュールを1日で崩されることがあったので、本当に休みたくなかったですね(笑)

ある意味、「作品」だったと言えます。

役員の都合、相手の都合、場所、曜日、日にち、時間…その他の要素を極限までマッチさせて、役員の一日を作り上げていました。

変態っぽいんですけど、これは本当に楽しかったんです。

目指しているのはクリエイターの応援

アクセサリークリエイターとなる道を選び
今年、この秘書の仕事は終了しました。
役員からも「頑張ってね!」と応援していただきました。

しかし、やはり私は「人を応援する」事が好きで。
そして多分、性に合っているんだと思います。

自分を主張する必要のあるクリエイターの仕事を選びましたが
これについては勉強が必要なくらい、自己主張というものをして来なかった人生を過ごしてきました。
これまでもしてきた「人を支えること」は、やっぱり今後も続けたいんですね。

それが、いつか叶えたいと思っている
「クリアな形態のハンドメイドPOP UP」です。

一部の方にはお話をしたことのある、このことについてはまた今度!

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𝐈𝐑𝐎 𝐋𝐀𝐁
「花鳥風月を色や素材で表現したい。」
「お洒落に痛みはつきもの、なんて言いたくない。」

✔︎ℍℙ
✔︎𝕚𝕟𝕤𝕥𝕒𝕘𝕣𝕒𝕞
✔︎𝕥𝕨𝕚𝕥𝕥𝕖𝕣
✔︎𝕞𝕚𝕟𝕟𝕖
✔︎ℂ𝕣𝕖𝕖𝕞𝕒
✔︎𝕚𝕚𝕔𝕙𝕚
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