先2コダマショック【R5年度・Glänz大学一般】
先日に行われたGlänz大学デュエプレ学部一般入学者選抜における出題について、学長のゆーや氏より公表があった。
氏によると、難易度は平年並みで、昨今の流行と情勢を鑑みて、適当だと考えられる問題を出題したとのことであった。
「ランクマだと体感8割くらいやられる」と話す通り、昨今の対戦環境において印象的な場面が題材となっている。
以下がその問題である。
問題
以下のデッキリストを使用し、先攻2ターン目に「斬斬人形コダマンマ」をプレイし、ストライク・バックで「デュアルショック・ドラゴン」をプレイできる確率を求めよ。
なお、解答の単位は%とし、小数第三位を四捨五入して答えよ。また、電卓や表計算ソフトを使用してもよい。
つまり、ドロー枚数6枚のうち、任意の2種類のカードをそれぞれ1枚以上ずつ引ける確率を求める問題である。
厄介なのは、1枚以上という点だ。
コダマンマやデュアルショックドラゴンを複数枚引く可能性があり、それらすべてのパターンを考えなくてはならない(例えば、コダマ1デュアルショック1、コダマ1デュアルショック2、コダマ1デュアルショック3、……)。
そこで、今回の問題では余事象を活用した解法が望ましい。
つまり、コダマンマやデュアルショックドラゴンを引けない場合を考えるということである。
具体的には、以下のように計算していく。
デッキ40枚から(2ターン目のドローを含む)6枚の手札を選ぶ時、その中に、コダマンマが1枚以上含まれているという事象を$${A}$$、デュアルショックドラゴンが1枚以上含まれているという事象を$${B}$$とする。また、事象$${A}$$に対して、$${A}$$が起こらないという事象を$${A}$$の余事象とし、$${\overline{A}}$$と表す。
このとき、求める確率は、事象AとBを両方満たす確率であるので、
$$
P(A\cap B)
$$
と表すことができる。
ところが、前述の通り、これを直接求めるには沢山のパターン考えなくてはならないため、この式を以下のように変形していく。
$$
\begin{array}{rcl}
P(A\cap B) & = & 1-P\left(\overline{A\cap B}\right)\\
&&\\
&=&1-P\left(\overline{A} \cup \overline{B}\right)\\
\end{array}
$$
いわゆるド•モルガンの法則である。
さらにここで事象$${\overline{A}}$$と$${\overline{B}}$$は排反な事象ではないため、
$$
\begin{array}{cl}
& P\left(\overline{A} \cup \overline{B}\right)\\
&\\
=& P\left(\overline{A} \right) + P\left(\overline{B} \right) - P\left(\overline{A} \cap \overline{B}\right)
\end{array}
$$
である。
ここで、$${P\left(\overline{A} \right)}$$はドロー6枚のなかにコダマンマが含まれない確率であるので、
$$
P\left(\overline{A} \right) = \cfrac{ _{36}C_{6}}{ _{40}C_{6}}
$$
と、コダマンマ以外の36枚から6枚取る選び方を考えればよい。
$${P\left(\overline{B} \right)}$$についても同様に、デュアルショックドラゴン以外のカードを考えれば良いので、
$$
P\left(\overline{B} \right) = \cfrac{ _{36}C_{6}}{ _{40}C_{6}}
$$
である。
また、$${P\left(\overline{A} \cap \overline{B}\right)}$$については、コダマンマもデュアルショックドラゴンも引けない場合なので、この8枚以外の32枚から6枚を取る場合を考えればよい。
よって、
$$
P\left(\overline{A} \cap \overline{B}\right) = \cfrac{ _{32}C_{6}}{ _{40}C_{6}}
$$
となる。
以上から、
$$
\begin{array}{cl}
&P\left( A \cap B \right) \\
&\\
= & 1-P\left( \overline{A \cap B} \right)\\
&\\
=&1 - P\left(\overline{A} \cup \overline{B}\right)\\
&\\
=&1- \left\{P\left(\overline{A} \right) + P\left(\overline{B} \right) - P\left(\overline{A} \cap \overline{B}\right) \right\}\\
&\\
=& 1-\left( \cfrac{ _{36}C_{6}}{ _{40}C_{6}}+ \cfrac{ _{36}C_{6}}{ _{40}C_{6}} - \cfrac{ _{32}C_{6}}{ _{40}C_{6}}\right)\\
&\\
\fallingdotseq&22.12 \%
\end{array}
$$
これが求める確率である。
同大学では昨年度、2ターン目にフェアリーライフを打てる確率を求める出題があり、同じく余事象を用いた解法が模範解答として示されていた。
過去問に取り組んでいた受験生にとっては、今回の出題は想定範囲内であったか。
Glänz大学では全学部通じて今月末に合格発表が行われる予定だ。
なお、筆者が独自に取材したところ、理念にかこつけて牌を集めるゲームがよくサーバー内で企画されているとのリークがあった。「トップで切り札をめくる練習のために裏ドラをめくっている」などと支離滅裂な言い分が繰り広げられている。なお、某BAチャンピオンが一番雀魂のランクが高いとの情報もある。
受験シーズンにあやかって。
お目汚し失礼いたしました。
なお、計算以外の部分は全てフィクションですので、あしからず。
ちなみに後手は2ターン目コダマンマデュアルショックは、ドロー枚数が7になるため、22.12%→28.50%と上がります。
つまり同様にして、先3トロアチャージャー&コッコルアも28.50%、後3は34.98%です。
さらに……
1ターン目ブレイズクローからの2ターン目コダマンマデュアルショックという上振れムーブは、先攻7.52%、後攻11.92%となります。
計算方法を簡単に説明します。
まず、1ターン目の手札について、以下のように場合分けを行います。
①ブレイズクローもコダマンマもデュアルショックも引けている
②ブレイズクローとコダマンマだけ引けている
③ブレイズクローとデュアルショックだけ引けている
その後、②、③の場合は2ターン目のトップで足りないカードを引く可能性を考えてます。
なお、この場合も複数枚ドローのパターン分けが大変なことになるので、余事象、つまり「引けない」 確率を用いて計算を行います。
例えば、②のデュアルショックが引けないパターンについては、以下のようにします。
1ターン目の手札に、
事象A:ブレイズクローが1枚以上ある
事象B:コダマンマが1枚以上ある
事象C:デュアルショックが1枚以上ある
として、
求める事象$${A\cap B\cap \overline{C}}$$の確率$${P\left(A\cap B\cap \overline{C}\right)}$$は、
$$
\begin{array}{cl}
&P\left(A \cap B \cap \overline{C} \right)\\
&\\
=& P \left( \overline{C} \right) -P \left( \overline{A} \cap \overline{C} \right)\\
&\\
&\, -P \left( \overline{B} \cap \overline{C} \right)+ P \left( \overline{A} \cap \overline{B} \cap \overline{C} \right)\\
\end{array}
$$
として計算し、その後トップでデュアルショックを引く確率を上乗せします。
その他の場合も同様にして計算を行うと、ブレイズコダマショックの確率、先攻7.52%、後攻11.92%が求められます。
さすがにこちらはエクセルさんにお世話になりました。
ちなみに、似たような組み合わせで、
2ターン目のマイパッド、3ターン目のエリートジャバジャックは先攻が13.54%、後攻18.95%となります。
こちらはエリートのワンドロー分があるので、若干計算方法は異なります。
今回は以上になります。
お読みいただいてありがとうございました。
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