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笑われない英語

ずいぶん前になるけれど、英語の発音を、ネイティブみたいにしたくて、発音矯正講座を受けたことがある。その時、先生が、「日本人の発音が、ネイティブには、可笑しくて仕方ないらしい。」と言っていた。また、『笑われない英語』『笑われる英語』みたいな本のタイトルも、けっこう見かける。

でも、よく考えてみれば、英語母国語の人たちが、日本人の発音を笑っているのが、本当だったとしても、こういうタイトルや、発言は、効果的なマーケティング、宣伝文句だと思う。

外国人が、一生懸命、自分の国の言葉を覚えて、話しているのに、その話し方を笑う人がどういうタイプの人かは、日本人が、外国人の日本語を馬鹿にすることが、失礼なことを考えれば、理解できる。そのような人を気にして、自分のエネルギーや時間を使う必要はない。

私は、ここ数ヶ月、代理教師の仕事をしていて、たくさんの学校のクラスで、日々、子供たちに会う。今まで、1000人以上、もしかしたら、1500人とかの、保育園から高校までの、子供に会った。

それで、教室で、英語を笑われる事が、よくある。だいたい、一日一回、多ければ、違うクラスに行くので、数回、笑われたりする。唯一、笑わないのは、幼稚園と、幼稚園前の保育園の年齢の子供達だけ。

昔なら、私の英語の発音を、大人であれ、子供であれ、笑ったら、とても傷ついたと思う。けれど、今は、全然傷つかなくなった。

一つには、良い意味で、笑われるのに、慣れたというのもあるし、自分の母国語は、日本語であり、日本語能力を保持した状態で、これ以上英語を上達させるのは、年齢的に無理なこと、自分なりには、十分、読み書き話すができると思ってるからだ。

私の英語は、完全じゃないし、間違い、訛ってるけれど、笑ってる人も、私が何を言ってるかは、だいたい理解できてるはず。もし、言ってる事が、理解できなければ、聞き返してもらえば良いと思っている。

教室で、子供が笑ったら、「笑ってれば、良いよ〜。でも、何言ってるかは、わかってるでしょ。」と言ったりする。

基本、私が接する子供たちは、攻撃的な場合もあるし、非常に暴力的な社会なので、教師が、子供の発言で、傷ついたり、恐がったりするのを見せていると、効果ありとみて、悪い態度が、ずっと続く場合もある。もし、嫌な気持ちになっても、それで引いたりするのは、良くない。

笑われていても、「笑ってれば、良いよ。」と流して、毅然と接してくると、子供達と関係が築ける場合もある。

無理でも、それは、彼らの、自信のなさの裏返しだと、受け入れて、気にしなければ良い話。

あまりないけれど、笑う相手が、大人の場合、外国から来ている人の発音をバカにする人とは、日本人であれ、アメリカ人であれ、親しくするつもりはないので、関係を築くための行動は、とらず、真顔で不快感を軽く出したりする。

子供の場合について、考えてみると、日本でも、地方の言葉と違う言葉を話す人を、子供が笑うのは、あることと思う。私は、関西で学校だったけれど、もし先生が、東京弁とか、東北弁とか、九州弁だったら、笑ったかもしれない。中学生くらいになったら、真似て、バカにしたかもしれない。

また、大人の日本人から、「君は、なんで、そんな関西弁なんだ。」と、関西弁の話し方にダメ出しを、受けたこともある。

子供でも、大人でも、日本で育った私の日本語について、笑われたら、真剣に、対応したり、落ち込んだりしない。だから、外国で、言葉を笑われても、気にしなくて良いのだ。理由は、相手の、態度が問題だから。あと、そういう人は、どこにでもいるものだ。対応してたら、キリがない。

私は、外国に住む場合、その国の言葉を覚える努力をするのが良いと考えている。

それと、努力の結果、笑われて、気にする必要あるかというのは、別の問題だ。

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