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短編物語(フィクション)& 詩

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作った短編と詩を集めています
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#絵

LaborDay スケッチ&水彩画&詩

アメリカは、今週の月曜日、Labor Dayでした。Labor Dayは、日本で言えば、勤労感謝の日という感じでしょうか。毎年、9月の第一月曜日になります。夏の終わりで、学校も、新学年が本格的に始まります。 わたしは、17年前のLabor Day直前に、アメリカに来たので、これで18年目に突入することに。最初は、半年くらいの感じできたのですが、結局、長く滞在することになりました。 いやー、17年のアメリカ暮らし、大変でした。けど、考えてみれば、ずっとアメリカに住んでみたい

[詩] この世界が、仮想現実だったとする説について、ちょっとした問答

ここが、仮想げんじつなら、3Dコンピューターゲームに興じてるようなもの。 パイロット見習いが、箱に入って、飛ぶための訓練を、してるようなもの。 ここは、「練習」、「リハーサル」のようなもの。 ならば、「本番」は、どこだろうか。 または、全部、「遊び」で、いわゆる本番は、どこにもないとして。 すべて、眉の間にシワ作るほどのことでは、ない。 今日も、力入っているようすだけど。ともこちゃん。

[短編フィクション]  Tくんのこと

Tくんは、ニューヨーク市内の小学校の2年生です。今日も、たぶん、どこかの教室の、一番後ろ、入り口の近くの席に、座っていることでしょう。 隣に、お友達が座ると、話しかけてしまうので、先生が決めた、離れた席に、一人で座っています。 ひとつ、Tくんについて、言えることは、いつも、ニコニコ、嬉しそうだと言うことです。 だいたい、学校には、楽しそうにしている大人も子供も、あまりいません。泣いたり、叫んだり、暴れたりする子供もいますし、先生も、大声を出したり、文句を言ったり、顔をし

[詩] 見慣れた光景

朝の地下鉄、通勤の人々、学校に向かうリュックの子供、 電車の中で、 夜を明かした浮浪者たち。 何も、持たず、ただ、横たわる者。 もろもろの 所持品、 黒のゴミ袋につめて、 大きなカートで運ぶ者。 色々持ってる人には、 ゴミにしか、見えずとも、 所持品の価値は、 持ち主が決定する。 他人がはかるものでもない。 かくいう 私も、穴があいたヨレヨレのTシャツや、 コインランドリーで一方をなくしたソックスを、 後生大事に、かかえて生きている。 そういえば 描いてる絵や

[詩] るるる

この時代がすぎて、 波のしぶきの先っぽの 水滴が 全部どこかにきえて 数々の ブロークンハートや 残った轍のあとや 重かった荷物や 足の痛み 打ちひしがれて 泣いた時間が どこか なつかしく あれは、あれで るるる となる 必然

[詩] とおくまでいきすぎないこと

どこにもいっちゃだめ と いわれて どこにもいけない 子供がいる   けど 遠くまで、いってしまったら かえってこれないことも あんまり 遠くにいっちゃだめよ と すこし いってくれる人が いないと とおくまで およいでいってしまう おきは しおがはやくて かえりかたが わからないのに

[詩] アボカド売り場できいたこと

かたいね、このアボカドぜんぶ、 でも、こうやっておいとくと、 すぐやわらかくなる。 おたがいに、えいきょうするんだよ。 たねがこうしん、するんだ。 こういうの しってるひと、あんまりいない。 ほら、テンガイのこともね。 あ、アボカドと、レモン、 リンゴ、それぞれ、べつのじげんにいる。 ここで、おれらと、いっしょにいて、 こきゅうしてるわけだけど。 うん、リンゴとアボカドは、それぞれ、ちがうから、 こうしんとか、しないんじゃないの。 まぁ、おれも、なんでも しってる

[短編物語] 『おこられ女』

私、どこ行っても怒られるんです。 今日も、朝から旦那に怒られました。旦那は、トイレのドアが開いてるのが嫌いなんですけど、私、いつも忘れて開けっ放しにしちゃうんです。お前は、何回言ってもダメだと、怒鳴られました。「ごめんね。」って言ったんですけど。そしたら、それも気に障ったらしく、さらに怒ってました。あと、さっき、洗濯したんですけど、旦那の使ってる布団を洗わなかったんで、怒られました。家、洗濯機ないんで、コインランドリー使ってるんですけど、お布団持っていくの重いんで大変なんで

[詩] こころって

こころって いつも つぎにいこうって いそいでる なんでって きくと しらんと ぶきらぼう へんなこ