見出し画像

凡才フリーランスの生き残り方について話したい


(注)この記事はフリーランスのITエンジニア向けに書いていますが、別業種でも役に立ちそうな内容も書いています。ぜひご覧ください。

ぼくは中の下レベルの凡才フリーランスだった。
(今は起業してしまったのでフリーランスではないが…)

ITエンジニアとしてキャリアをスタートさせたにもかかわらず、なんと技術にまったく興味がないという、致命的な欠陥があった(笑)

案件のスキルセット(=求められるスキルたち)には見たことないような技術、ツールの羅列。知らんけどまぁやるしかない。
そんな根性で7年ほどフリーランス生活を続けてきた。

ITエンジニアにとって、技術が好きな人であればフリーランスの世界は天国である。腕に自信があればどんどん独立して、起業してほしいと思う。
ただ、ぼくみたいにただ子供にご飯を食べさせるためだけに働いているような凡才フリーランスは、生き残るための戦略を考える必要がある。

『考える必要がある』とえらそうに言ってはいるが、ぼくは戦略を考えずにズルズル過ごしてきた。振られた仕事を淡々とやるだけ。
7年ほどのフリーランス生活を経て、結果的に戦略が必要”だった”な~と思い返しているだけなのである。

自戒も込めて、おススメの戦略、やっておけばよかったことなどを赤裸々に語っていきたいと思う。
いまフリーランスの人、これからなろうとしている人の参考になれば嬉しい。

1. ニーズの高い技術領域で攻めよう!


フリーランスになる前から得意な技術領域を持つ人もいるかもしれない。
もちろんぼくはそんなものは持ち合わせていなかった(苦笑)。
多少、Javaをかじったくらいで即独立。
世の中のお荷物フリーランスがここに爆誕したわけである。

当時、たまたまタイミング良くJavaに需要があったのもあって、比較的すぐ案件が見つかった。
ただこれは本当に運が良かっただけなので、戦略も何もない。

どの技術領域で攻めるか。これは単純にニーズのある領域に乗っかってしまうのが確実だ。
できれば独立する前から、ニーズの高い技術領域に触れられるプロジェクトにかかわり、実務経験として経歴に書ければベスト。

こよなく愛する技術があるから、それ以外はやりませんぞ!!

の一点張りになってしまうのはエンジニアあるあるなのだが、そこは冷静にニーズを分析してほしい。
自分の好きな技術が世の中のニーズと合致しているとは限らない。

ぼくも凡才のくせに好きなツールがあった。
そのツールこそ業界No.1だと信じていたのだが、何を根拠にしてたかというと、自分が使いやすかったから(笑)
業界的にはマニアックな部類のツールだったため、案件の母数が圧倒的に少なかった。当時のぼくはこの事実を見て見ぬふりをしていたため、後々ちょっと困った。
うまく路線変更できたのは、”顧客に恵まれた”というただその一点に尽きる。

顧客にも予算があるため、たとえ優秀なエンジニアであったとしてもクビになることはある。
すぐに別案件にスイッチできるように、なるべく案件数の多い技術領域をマークしておきたい。

2. スキルシートはなるべく細かく書こう!


スキルシートとは、経歴書のこと。

これまでの業務経歴をまとめた資料なのだが、この書き方で損をしているエンジニアがとても多いように思う。
凡才フリーランスにとって、スキルシートを上手に書くことは生命線である。

具体的には…

・案件のタイトル、概要
簡潔に分かりやすく書く。
開発の背景、業務への適用領域(どのような業務に対してシステム化を図ろうとしているか)も書けると、視野が広いと見られて印象UP

・アサインされたポジション(PM、PL、PGなど)

・担当した工程(要件定義、基本設計、詳細設計など)

・使った開発ツール、言語
⇒余すことなく全て列挙する。バージョンまで詳しく書く

・発揮したバリュー
顧客、プロジェクトメンバーへの貢献度について書く。
定量的に書けそうなところはなるべく数値で書く。
システム導入による業務時間の削減効果〇h⇒■hなど。

が書ければ、ひとまず良いと思う。

当たり前のことばかりかもしれないが、開発の背景、業務への適用領域といった部分まで視野を広げて書いたり、数字をたくさん使って具体性を上げると、見栄えの良いスキルシートに仕上がる。

3. 質問、報告はマメに行おう!


エンジニアはコミュ障だと思われがちだ。

雑談ができないのは全然かまわない。
ただ、仕事を進める上でコミュニケーションがうまく取れないと、顧客からの印象はかなり悪くなってしまう。

ぼくの経験上、コミュニケーションがうまく取れない人は、スキル的にも不十分なことが多い。
だが、スキル不足でも頑張ってて向上心がある人はその”気合い”を評価され、契約継続となることも多い。
”気合い”がどこで評価されるかというと、質問、報告といった基本的なコミュニケーションだ。

リモートワークにおいても、チャットでこまめに質問、報告を行うこと。
それだけで頑張ってる感は伝わるし、

振った仕事はちゃんと”自分事”として取り組んでくれるんだ

と思われ、信頼されていく。

別業種の人から見たら、「なんだ当たり前じゃん」と思うかもしれないが、エンジニアの世界ではきちんとコミュニケーションが取れることはとても評価される。
(しかも、特別高いコミュニケーションスキルが要求されているわけではない)

4. 一人で抱え込まない!


妙なプライドを持っている人(なぜかスキル低め)に多いのだが、一人で作業を抱え込んでしまうのは絶対に避けたい。

アサインされたばかりの40代のエンジニアが開発タスクを割り振られたとき、「1ヶ月でできます!」と息巻いていた。
でも、2ヶ月経っても結局完成に至らなかった。
(ちなみにそのエンジニアはぼくのチームではなかったため、進捗が追えていなかった)

1.5ヶ月ほど過ぎたあたりで顧客の担当者が状況確認したところ、ツールの仕様が悪いことを免罪符に、開発が思うように進まない言い訳を垂れ流すという事態に。

たしかに仕様が悪い部分もあるかもしれないが、それはそれで早めに周りの人に相談すればよかったのに…
どうして溜め込んでしまったのだろうか?

おそらく「そんなこと分からないの?」と言われて恥ずかしい思いをするくらいであれば、質問せずにググって自分の中で解決すればいいと思っていたのではないか?

自分が恥ずかしいかどうかはチームにとっては関係ないこと。
質問できないことで作業が進まず、プロジェクトの予定が狂ってしまうことは大きな問題になる。

一人で完遂できる場合はまったく問題ないが、少しでも厳しそうであれば早めにアラート(=助けを乞うこと)をあげること。

まぁ、ぼくも1~2年目まではなかなかできてなかったけど(笑)

5. 丁寧に仕事をしよう!


特に、テストや障害対応が丁寧な人は好まれる傾向がある。

テストレビューのときに、「こういうデータを用意して、結果がこうなりました」と時系列で論理的に説明できる人は優秀な人だなぁと常々感じる。

こういう人は最初の印象こそ地味だけど、じわりじわりと信頼されていく。

早くても仕事が雑だと、周りがフォローしなければならなくなるので、チーム全体の生産性は下がってしまう。
一つ一つのタスクを確実に終わらせていくことを意識したい。

あぁ、ブーメランだ、これ(自戒)

6. ひたすらトライ&エラーしよう!


現場ですぐに役に立ちそうなこと、今困っていることはその場で調べて解決する。

調べる過程で、仮説⇒検証の繰り返しを行うことで自分の引き出しを増やしていく。
1つの答えを見つけるためのルートをなるべくたくさん歩いてみる。それが自信になっていく。

「もしかしたらこうじゃないかな?」とか「こうすればもっとパフォーマンス上がるんじゃ?」と、自分で仮説を立てるのがポイント。

ググったりChatGPTで出た答えをそのままコピペするだけでは、なかなか身についていかない。たぶん、何度も同じことを調べてしまう。
何度も調べないためには、仮説⇒検証を繰り返して失敗体験をたくさん積むことが大切だ。

7. まとめ テクニカルスキル以外で大切なこと


こうして書いてみると、スキルを極める以外にも大切なことがたくさんあることが分かる。

・(スキルシートなどの)アピール戦略
・仕事に取り組む姿勢

をおろそかにしている人は想像以上に多いので、これらを意識するだけでも十分差別化になると思う。

何度も言うが、ぼくはスキルレベル的には中の下以下だと思っている。
でも、スキル以外でもアピールできるところはたくさんあると思うし、むしろ凡才ならばアピールしなければ生き残れない。

プログラミングスキルを判定する某サイトの中の人から聞いた話だが、SランクよりもAランクの人の方が企業から好まれるらしい。
人としてのバランスが評価されるのだそうだ。技術一辺倒ではやはりダメなのだ。

フリーランスは自分をブランド化できるかどうかがカギだ。
世の中のニーズから外れすぎず、自分の武器はしっかり磨こう。

凡才であっても、磨いた武器で誰かの力にはなれる。
目の前の人を助けることに集中すること。大きな会社相手の仕事であっても、その会社の”人”のために尽くすこと。

自分のスキルを誰かのために振るうという意識。
そういうところが大事なのではないかと思っている。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?