不妊治療の話ともうやめる話。
私、妻。
妻35over、夫45over。結婚1年目。
妊娠、出産の観点からすると、高齢な夫婦。
不妊治療を始めて約1ヶ月。
でももうやめたいというのが私の現時点での思い。
通い始めて血液検査や精液検査、フーナーテストをしてきた。
初めてのタイミング療法のときにフーナーテスト。それがゼロという結果で、医師からは、
「次回のタイミングで妊娠しなければ人工授精に移りましょう」と言われた。
その矢先、生理が始まらなくて早期妊娠検査薬を使うと陽性。
喜んだ。
浮かれた。
けど、診察の予約日より前に、出血。
ネットで調べたら、少量の出血は妊娠初期にもあること、とのことだったから出勤。
仕事していると生理痛の酷い時の痛みがきた。
早退をして受診。
エコーには何も映らない。
「受精はしたけど着床したか、してもすぐ剥がれてしまったんでしょう。惜しかったですね」
おしい、なんていう、テスト用紙に書くような言葉(私は教育関係の仕事をしている)を、自分に向けられた。それも産婦人科で。ちぐはぐな気がして少し可笑しかった。
妊娠とも言わないらしい。化学妊娠。生化学的妊娠。
流産にもカウントしないらしい。
「でもこれで一歩、いや、半歩かな、進みましたね。」と言う医師。
曖昧に笑うしかできなかった。
何をどう受け止めればいいか分からない。
帰ってからたくさん泣いた。1日仕事を休んだ。5日間毎日泣いた。すると涙はおさまった。
妊娠もしてないのに大げさかな、そう思うけど泣けてくるから仕方なかった。
出血が終わる頃、子宮の中を見ることになっていた。
本来なら、卵管造影検査だったけど、流産したから先に子宮内を見ておきましょう、と。(妊娠とも言えないと言った医師だったけど、流産だとはっきり言ってた。何度も。)
その検査が今日だった。
たまたま仕事が休みになった夫に運転してもらい、病院へ。生理食塩水を流し込みながらの検査だと聞いていたから痛いのだろうかと内心ビクビクしていた。
また、医師の淡々とした口調と、妊娠もうまくできない自分への劣等感のようなものから、診察室は毎回苦痛で、毎回診察後は傷ついて泣いていたので、ついてきてもらえてラッキーだと思った。
しかし運転手の夫は、私を下ろした後、コンビニに行ってしまった。朝ごはんが食べたい、と。
待ち時間が長くていつも不安だから早く戻ってきたほしいこと、診察室に一緒に入ってほしいことを訴えた。
分かったと言って送り出された。
夫は来なかった。
子宮鏡検査は、私には痛かった。
深呼吸しながら耐えたけど、痛かった。
看護師さんが途中、側にきて、声をかけながらさすってくれた。
生理痛の酷い時の痛みより痛い。お腹の、中が、痛い。
短くうめき声が思わず出る。手に持っていたタオルを握りしめる。
終わった後、手が痺れていた。
普段、着替えるときに看護師さんはいなくなるけど、このときはそばにやってきて着替えるのを待っていた。倒れるかもしれないと思われたいたのだと思う。
横になる?無理しちゃだめ、座れる?それとも横になる?と何度も聞かれた。
私は、とにかく早く結果を聞きたくて、大丈夫と答えて診察室のいすに座った。
そこで看護師さんが血圧を測る。結果はどうだったのか知らない。何も言わないということは、正常範囲だったのだろう。
子宮自体には問題はなかった。
けど、生理食塩水でこれなら、卵管のどちらかが詰まっているのかもしれないと言われた。
けど、卵管造影検査は、したくない。痛いと聞く検査。子宮鏡検査でこれなのだ。一体、何倍の痛みがあるのだろう。
いくつか質問をした中で一番衝撃的だったのは、
人工受精は、はっきり言ってあまり妊娠しない
というものだった。
迎えに来た夫は、たばこの匂いがした。
私が気を失いそうになりながら検査をしたときに、この人はたばこを吸っていたのか。
不妊治療開始と共に、夫は禁煙外来に通い始めた。薬飲んで、もう三週間ほどではないだろうか。それでもまだ吸っている。本数を減らしている、この箱が無くなったら買わない、そんな言葉を何度聞いたことか。
受精卵が育たないのは、遺伝子的に不良だからというのがほとんどの原因だそうだ。
高齢な私たち。夫のたばこ。
たばこをやめない限り、受精卵が着床し、育っていく可能性は伸びないはずだ。
だったら、私はなんのために毎週、診察で精神的にダメージを受け、生理が来る来ないで気を揉み、陽性なのに胎嚢にすらならなくて仕事ができないほどに落ち込んでいるのか。これから先、こんなことを毎月繰り返すのか。
私は、もう、不妊治療をやめたい。
私一人では耐えられない。
夫が次にセックスを求めてきたら、コンドームを渡そうと思う。つけないのなら拒否だ。そして、私は、ピルを再開しようと思う。
これで、重い生理痛からも、また解放されるのだから。
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