【ハートキャッチプリキュア!】過去より咲く花の育つ先

あらゆる物事には、”過去”がある。
例外はない。
今、生まれたばかりのものさえ、たしかに何かとつながっている。
芽吹いたばかりの種は受粉と結実の、宇宙の星はちりや岩石の集まりの、そして赤ん坊は両親の出会いの結果なのである。

物語でも、そういった設定は珍しくない。
たくみ、、、なものは、人物や出来事のリアリティを増して、まるで実在するかのような錯覚すら生み出す。
現実をなぞらえているのだから、当たり前のことだ。

六〇年前、つぼみの祖母の薫子は、キュアフラワーとしてディーンと戦った。
彼女は、自身に宿る能力を、将来獲得できる分も含めて、ことごとく使い果たす。
再びプリキュアに変身する力も、である。
ディーンは倒されたが、ずっと復活の機会をうかがい続けていた。
やがて、サバーク博士や三幹部達の手を借り、改めて自らの野望を果たそうともくろむ。

今から三年前のことだ。
植物学者だったゆりの父親は、研究のためにフランスへと渡った。
その地で、ばったりと消息が途絶えてしまう。
現在、ゆりは集合住宅に母親と二人で暮らしている。
いつも母親が三人分の食事を用意するのを、ゆりは苦々しく思っていた。

こころの大樹の根元で、キュアムーンライトとダークプリキュアが対決する。
ムーンライトは敗れ去ってしまう。
つぼみは、この夢を繰り返し見ていた。

すべて、第一話でつぼみがプリキュアになる以前のことだ。
もちろん、この記事のように初っ端から説明されたわけではない。
そのようなことをされたら、視聴者も戸惑ってしまう。
各話にて、回想という形で徐々に明らかになっていく。
薫子の辛勝は第三二話、ゆりの家庭環境は第一三話、つぼみの夢の真相は第三三話である。

つぼみとえりかは、シプレ、コフレと会い、プリキュアとしての活動を始める。
薫子が園長を務める植物園で、彼女達は高校生のゆりのことを知る。
ゆりも父親からの影響か、花が好きだった。
加えて、かつてお互いにプリキュアだったという理由から、薫子とも面識があった。
キュアムーンライトの正体は、ゆりなのである。

新しく誕生した妖精ポプリは、彼女に惹きつけられる。
ポプリは、悪にくじけず、正義をつらぬくゆりの強い心を見抜いていた。
自身のパートナーにしたいと、シプレやコフレ達に話す。
つぼみも、ゆりとの共闘を願う。
だが、とっさにゆりは断ってしまう。

けっきょく、ポプリはいつきをパートナーとする。
いつきはキュアサンシャインとして、新しくつぼみ達に加わる。

夏休みが終わって、授業が再開された。
ポプリはいつきと遊びたくてしかたない。
植物園で、ポプリは、いつきをしつこく引き止める。
とうとういつきが注意するが、ポプリは園を飛び出してしまう。

河川敷にデザトリアンが出現し、つぼみ達が駆けつける。
ポプリとゆりも、ちょうどその場所に居合わせていた。
いつきが、相手の攻撃からポプリをかばう。
そこで、ゆりは、いつきがポプリのパートナーであることに気づいた。
いつきに向かって、ゆりの厳しい言葉が放たれる。
ほんの直前まで、いつきはパートナーを失いかねない状態だった。
もし妖精がいなければ、プリキュアにはなれない。
つぼみ達は、なんとか勝利をおさめる。
いつきも、ポプリと仲直りした。

ゆりがプリキュア達に対して何かを指摘したことは、これが最初ではない。
えりかは、ゼラニウムの花言葉”真の友情”を引き合いに出して、自分とつぼみとの関係を表現する。
そのとき、ゆりは、まだ二人がその本当の意味を分かっていないようだとつぶやく。
妖精と友情――これら二つは、ムーンライトにとってもかけがないのないもののはずだった。
ゆりは、プリキュアとして未熟なつぼみ達に、のちに判明する自分の姿を、どこか重ね合わせていたのかもしれない。

文化祭が近づいてきた。
つぼみ達は、ファンション部の部員である。
出し物として、彼女達はファッションショーを企画する。
つぼみ達は、えりかの姉と、その友人でもあったゆりをモデルの候補に選ぶ。
えりかの姉は、出演の依頼を受け入れる。
しかし、一方のゆりは、ショーのテーマを聞くと、用事があると言い残して立ち去ってしまう。
そのテーマは、”新しい自分”だった。

つぼみが植物園に寄ると、ゆりが薫子にモデルのことを相談している最中だった。
思わず、つぼみは扉の前で立ち止まる。
そして、二人の会話から、ゆりがパートナーの妖精を失っていた事実を知ってしまう。
夜、つぼみは薫子にゆりにまつわる事情をたずねる。
が、薫子は本人の口からでも聞けると答えて、何もしゃべらない。

キュアムーンライトだったゆりは、プリキュアとしての使命も責任も、充分に理解しているはずだった。
けれども、それは誤解にすぎないと思い知る。
ゆりには、世界はおろか、大切に想う、ごく身近な存在さえも守ることはできなかった。
また同じく、自身の代わりに誰かが傷つき、犠牲になってはならない。
だから、ゆりはつらく悲しい経験を、絶対に忘れないように胸の中にとどめおいた。
ただ一人、自分だけが深い後悔に永遠にさいなまれることになっても、あえて彼女は選択した。
それこそが、妖精へのせめてもの罪滅ぼしなのと同時に、ゆりの考える”強さ”のあらわれでもあった。

砂漠の使徒の侵攻が、日に日に激しくなっていく。
つぼみ達は、シプレとコフレからハートキャッチミラージュの話を聞いた。
これは、プリキュアの可能性を無限に高めることができるアイテムなのだという。
三人は薫子にそのありかを質問する。
だが、薫子は回答をはぐらかす。

たまたまその内容を耳にしたゆりは、ハートキャッチミラージュがプリキュアパレスにあることを告げる。
彼女も、プリキュアの能力を強化するという、つぼみ達の提案には賛成していた。
ゆりの言葉が決め手となって、薫子はつぼみ達をプリキュアパレスへと案内する。
つぼみは、ゆりにも同行を頼んだ。

ハートキャッチミラージュは、それに値する人物プリキュアだと認められなければ、使うことができない。
そのためには、先代のプリキュアに打ち勝って、実力を証明する必要がある。
しかし、薫子はつぼみの祖母でもある。
キュアフラワーになることも叶わない。
そこで、彼女の代理として謎の青年が立てられる。
”謎”とはいえ、つぼみ達は彼を見知っていた。
何回も、青年は彼女達を窮地から救い出してきたのだ。

青年の機敏で場慣れした動きに、つぼみ達は圧倒される。
武道の心得のあるいつきでさえ、まるで敵わない。
不安げに、薫子がまだ早かったと口にする。
ふと、つぼみは思いつく。
三人で絶え間なく、青年に攻撃を加え続ける。
すぐかわされてしまうが、その連続の中で一瞬、彼にわずかな隙が生じた。
つぼみ達は見逃さなかった。
ゆりは、彼女達の連携に、驚きつつも感心する。

ゆりの中で、つぼみ達に対する印象が変わる。
要するに、プリキュアのありかたも、自身が思い描いていたものとは変化しつつあった。

いうまでもなく、世界を守るという責務は、あまりにも重い。
そこに住む、ありとあらゆる生命の行く末が、自分にゆだねられるからだ。
ゆりは、そのとてつもなく重大で深刻なものを、自身だけで背負おうとして失敗した。
今まで彼女は、つぼみ達にプリキュアとしての覚悟が足りないと思っていた。
たぶん、彼女達のおのおのが負っているものはムーンライトよりも少ないのだろう。
ところが、三人の分を合わせると、その重さは同じぐらいになり、しかも、しっかりと支えることができていた。

青年の中身は、ゆりのパートナーの妖精コッペだった。
彼は、薫子の夫、すなわちつぼみの祖父の若い頃に外見を似せていた。
つぼみ達が、どうしてなのかと疑問を抱く。
ゆりは自身の解釈を教える。
コッペは、薫子のために、彼女の最愛の人の容姿でそばに寄り添おうとしている。
プリキュアと妖精とは、相互に想い、助け合うものなのだ。

パレスから帰る途中、つぼみはハートキャッチミラージュをながめていた。
本当にプリキュアの可能性を無限に高められるのならば、ムーンライトもその対象に含まれるのではないか。
もう一度、変身することができるのではないか。
薫子が返答しあぐねる。
ゆりは強い口調で言い返した。
決してなれるわけがない。
彼女は、つぼみ達にこころの花を示す。
それは完全に枯れ果てていた。
二度となることはできないと、ゆりは冷たく繰り返す。

その夜、とうとう見かねた薫子は、つぼみ達にゆりのことを語る。
父親が失踪してすぐ、ゆりはプリキュアに選出された。
パートナーの妖精コロンの手助けで、傷心の彼女は立ち直ることができた。
コロンは、シプレとコプレの先輩でもある。
二匹は、ムーンライトがダークプリキュアに敗北したあの日の状況を、続けて教えた。
戦闘中、コロンはサバーク博士が乱入してきたことに勘づく。
すぐさま、ムーンライトに警告する。
だが、彼女は、一人で大丈夫だと笑ってみせた。
ダークプリキュアがムーンライトに襲いかかる。
どうにか、これを防ぐことができた。
が、突如として現れたサバーク博士が、ゆりを狙って光弾を放つ。
体勢を戻すほどの時間もない。
ムーンライトはすくむ。
たちどころに、コロンが、ゆりの前に飛び出した。
コロンは直撃を受ける。
そのすさまじい衝撃で、ムーンライトのプリキュアの種が真っ二つに割れる。
ムーンライトは呆然とした。

コロンの白い身体は、茶色くすすけていた。
ゆりの手のひらの上で、コロンは別れを伝える。
そして、彼の身体はますますくすんで黒くなり、破裂するかのように粉々に砕け散る。
ゆりは絶叫した。

かなりのインパクトである。
本作にては、プリキュアがデザトリアンを打ち負かすとき、花びらが舞い散る中で、光に包まれて心地よさそうに改心するという演出になっている。
いわば、”癒す”という状態に近い。
けれども、コロンの描写は、もっとより直接的なものだ。
そこからは、”死”が容易に想像される。

翌日、薫子はつぼみ達を植物園に呼ぶ。
ゆりもやってきていた。
つぼみ達が一生懸命にこころの種を集めたおかげで、とある奇跡が起きた。
こころの大樹に、コロンの魂が出現したという。
異変を察したダークプリキュアは街を急襲する。
つぼみ達が、応戦を引き受ける。
ゆりは、こころの大樹のもとへと移動した。

実際にコロンは待っていた。
ゆりが抱き寄せようと手を伸ばすが、むなしくすり抜けてしまう。
コロンは生き返ったわけではない。
ただいっとき、この世に魂だけが立ち戻ってきた。
コロンが、ゆりに優しく声をかける。
自らが消えた後も、彼女のことを見守っていた。
ゆりは独りで、自身だけで頑張りすぎたのだ。

彼女が、これまでの自分を否定する。
自身はおろかだった。過信しすぎていた。
その結末が、愛する妖精との死別である。

コロンはなぐさめる。
ゆりが単身にこだわったのは、他の誰にも傷ついてほしくないという優しさのためだと、ちゃんと分かっていた。
彼女はすでに、つぼみ達を通して、仲間の価値を学んでいる。
コロンが励ます。
そうであれば、ゆりは再び、プリキュアとして戦うことができる。
彼女はこころの大樹を見上げる。
地上では、つぼみ達が、ダークプリキュアを相手に苦戦を強いられていた。
ゆりは決心する。
そして、こころの大樹に願いを叫ぶ。
あたり一帯がきらめく。
風が吹き立って、ゆりを包みこむ。
彼女のプリキュアの種の片割れ、、、が、こころの種によっておぎなわれていく。
街でも、木々の枝から、こころの大樹の光が輝きだす。
つぼみ達とダークプリキュアとの前に、ゆりはまぶしく舞う花びらとともに立った。

勇気、愛、友情、優しさ、悲しみ、喜び。たくさんの気持ち、みんなの心。わたしは戦う、みんなの心のために

彼女は、キュアムーンライトへの変身を遂げる。

この作品の放送は、二〇一〇年である。
配信サイトで観返すまでの一一年間、私が鮮明に記憶していたところといえば、父の日、マンガの好きな番長、夏休みの宿題、キュアサンシャインの登場と、そしてここなのだった。

ほぼ二ヶ月半前にあたる第二三話には、いつきがはじめてキュアサンシャインになり、たいへんな盛り上がりを見せた。
自らがデザトリアンと化したとき、彼女は普段の立ち振る舞いとは真逆の乙女らしい本心をさらす。
それで、いっぺんに視聴者の人気を得ていた。
砂漠の使徒に、生身で対応する場面もあった。
いつきがプリキュアになったら、どのようになるのかという期待は大きかった。
某アニメショップのメルマガには、担当者の近況として、この回が取り上げられ、興奮のあまりつい叫んでしまったなどと書いてあったことを覚えている。

それほどのものの後では、相当でない限り、単なる劣化や焼き直しといわれて終わってしまう。
しかしながら、ゆりの復活は、確実にキュアサンシャインのときにも見劣りしない。
制作スタッフ達は、感動というシンプルながら難しい要素を使って、まったく異なる形式で話を仕上げてきた。
すごいとしか形容できない。

激闘の末、キュアムーンライトはダークプリキュアを追い詰める。
けれども、サバーク博士が割りこみ、ダークプリキュアを連れて逃げ去ってしまう。
つぼみ達も、砂漠の使徒の幹部らを撃退した。
帰り道で、ゆりは、ファンションショーのモデルになることを承諾する。

こころの大樹の下で、ゆりはコロンの魂に呼びかける。
二度目の別れが迫っていた。
ゆりがコロンを抱きしめる。
花が散った。
彼女の目から涙がこぼれ落ちる。

今まで、私はいくつかの記事で、年甲斐もなく泣いてしまったことを宣言してきた。


が、当然すべての作品のそういった部分で、常にそうなってきたわけではない。
ここでも、私の涙腺はゆるんでいたが、別に泣きはしなかった。

植物園では、コッペを通して、つぼみ達が二人の様子を見つめていた。
彼女達も泣いている。
つぼみはシプレをぎゅっと抱きしめる。

そのとき、私は自身の頬を指先でなでた。
何か冷たい感覚がしたからだ。
つぼみ達を介することで、二人の強固な絆と、別離の悲しさはいっそう引き立つ。
上手すぎる表現である。
これ以上、余計な説明はいるまい。

ゆりは、つぼみ達と一緒に、ムーンライトとして砂漠の使徒に立ち向かう。
ところが、まだまだ彼女には、残酷な真実が待ち受けていた。
実は、サバーク博士こそ、行方不明のゆりの父親にほかならなかった。
彼は、こころの大樹を知るというデューンの誘惑に負けた。
そして、悪の仮面を身につけ、いっさいの記憶を失ってしまう。
自覚はなくとも、博士は、そこに半生を置き去りにしてきた。

が、どうやら心の奥底には、かすかに家族の思い出が残っていたらしい。
博士の作り出したダークプリキュアは、意図しなかったながらも、ゆりとそっくりになった。
そのことは、ダークプリキュアも感じ取っていた。
彼女は、博士を誰よりも慕っている。
しかし、ゆりほどに、彼と親しい存在にはなれない。
その娘のゆりは、血縁という、ダークプリキュアには絶対に真似できないものをもっているからだ。
自身が、彼のもっともそばにいるためには、ゆりをほうむら、、、、なければならない。
ダークプリキュアは、自らの出生にとらわれていた。

このアニメの本来の対象は、就学前の子供である。
そのような作品で、複数の人物の過去を取り上げるのには、リスクが付きまとう。
はっきりとはしないが、私が幼稚園に通っていた頃、おそらく一日の体感は今よりも長かった。
夕方になれば、その日の朝はとっくの昔だった。
半年だとか、一年だとかの単位には、すごく遠いという漠然としたイメージしか抱けなかった。
当時の私は、時代劇で見るような、刀を差した侍や瓦きの町家などは、ほんの約五〇年前の光景だと考えていた。
あのときからの五〇年前といえば、現実には、第二次世界大戦が終わって、私の祖父母が学生だった時代である。
それは、現在の私達が、何千万年や何億年を具体的に実感できないと同じことだろう。
背景を思い描けなければ、どうしてもストーリーの理解は困難になる。
数が多いのならば、なおさらのことだ。

従来のシリーズとは、あえて違った展開を目指したかったのか。
子供向けでも妥協しないという姿勢のたまもの、、、、か。
有名な、いわゆる第二の対象も含め、幅広い人々が楽しめるようにしたのか。
数年後に、子供達が思い返したとき、単純な懐かしさ以上の何かを与えるためか。
実際のところは分からない。
けれども、本作が、ただ玩具を売るためだけの子供騙しにとどまらないことだけは、たしかである。

ダークプリキュアとの決戦の中で、サバーク博士の悪の仮面が割れる。
こうして、ゆりの父は正気を取り戻す。
ダークプリキュアへの勝利の後、父娘おやこは抱き合って和解する。
そのとき突然、デューンが襲いかかってきた。
父親は、ゆりを守ろうとして、その一撃を全身で受ける。
彼の肉体は消滅してしまう。

ゆりは激烈な憎悪にとりつかれる。
つぼみの叱責で、ゆりはプリキュアとして戦う理由を改めて認識する。
それは、憎しみではなく、愛にほかならない。
ついに、彼女達はデューンを撃ち破る。

二〇一七年の『キラキラ☆プリキュアアラモード』まで、ゆりは現役のプリキュアとして唯一の高校生だった。
なぜ、他は中学生やそれに類する年齢なのに、彼女だけが特別に高いのか。
様々な意見があるだろう。
私が思うのは、妖精との死に別れ、肉親との敵対など、並々ならぬ悲劇に対しても、きちんと向き合って克服できるように、従来よりも引き上げたということだ。
人生は長ければ長いほど、喜びとともに、苦しい体験も増える。
同時に人間は、その対処を学び成長していく。
だから、小学生よりも中学生が、それよりも高校生のほうが、生きるすべ、、を知っている。

『馬越嘉彦 東映アニメーションワークス』には、キャラクターの設定資料が掲載されている。


サバーク博士のページのコメントによれば、当初ゆりとの親子のかかわりは想定されていなかったという。
これは私の推測でしかない。
が、物語が進む中で、スタッフ達は確信したのでなかろうか。
ゆりならば、平和のために父を打倒しなければならないという大きな苦悩にも、決して屈することない。
誰かの手伝いが要ったとしても、必ず乗り超える。
それで、彼女の父親がその位置に据わった。
ゆりの意志を目の当たりにして、私はそのように感じた。

まちがえなく、この作品は面白い。
しかし、ひたすらそれ”ばかり”を観続けるわけにはいかない。
放映からは、すでに一一年が経過している。
その間に世の中は変化した。
私達も、何かしら変わるはずなのだ。
先に踏み出す勇気が重要なことは、よく分かっている。

ゆえに、毎週日曜、私は欠かさずシリーズを観ている。
前進なのか、停滞なのかは不明だ。
だが、この瞬間は、ここにしかない。
今いちばん大事なことをやる——未来を生きるとは、そういうことなのである。

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