見出し画像

空気を読むと損をする!ゲーム理論で科学的に証明#2

#1では空気を読まないことで起きるデメリットについて説明した  。
当記事ではそれを科学的に証明する。
#1を読んでい人はまずは  、そちらを読んでから読み進めることをお勧めする。

■当記事のテーマ
非効率な意思決定を起こさない為の方法について

■ 空気を読むと損をする!ゲーム理論で科学的に証明

囚人のジレンマという考え方

画像1

囚人のジレンマという言葉を聞いたことをあるだろうか?
囚人のジレンマとはゲーム理論で説かれた理論で、各プレーヤーが常に利得の大きい選択肢を選ぶ場合、協力した場合よりも悪い結果を招いてしまうというものである。
わかりにくいと思うので、例をつかいもう少しわかりやすく説明する。

現在、コーラは180円で販売されているとする。
コカ・コーラもPEPSIも新しいコーラを開発し、1ヶ月後の同じ日に発売することになった。
しかもそのコーラはトクホも取れる付加価値の高いコーラだ。
200円でも生活者は購入したいと言っている商品だ。
コカ・コーラは当初200円でトクホのコーラを売ろうとしていたが、同じ日にPEPSIも同じような商品を発売する。
それを知っているコカ・コーラは「PEPSIはきっと価格で戦ってくるはずだから、今のコーラと同じ180円で販売してくる可能性がある。
であれば、もっと安くして170円で販売しよう」と考える。
対してPEPSIも同様に新しい商品は200円で売れるのは知っているが、コカ・コーラが180円を意識するはずだし、PEPSIがそれを意識して価格を設定すると想定するだろうから、PEPSIは現在の180円よりも安くして販売することにする。
つまり、新商品で生活者が200円で買いたいといっているにも関わらず、商品の発売価格をお互いが意識した故に170円に下がってしまうのだ。
もし、コカ・コーラとPEPSIが情報共有をし、お互いが200円で売ろうと示し合わせれば、両者ともに200円で売ることができるのに、相手を意識し、空気を読むことで170円に下がってしまうのだ(実際に情報共有をすると不正競争となる為行ってはいけないことである)。

これが囚人のジレンマである。
上記を図表で表すと下図となる

囚人のジレンマ

お互いが協力すれば200円で販売できるのに、相手はきっと値引きするだろうと予想をした結果、最終的に170円の価格で両社が発売することになる。囚人のジレンマはまさに経済非効率性(両社とも30円の損)を生んでおいるという事であり、空気を読むという事が経済非効率性を生むという事を科学的に証明していることになる。

経済非効率性は話し合いで防ぐ

画像2

囚人のジレンマが発生すると、経済非効率が生まれるという事は説明した。これを防ぐための方法は1つしかない。
声に出して話し合う」ことだ。
「事前に私はこう考えている。あなたにはこうすることを望む」
こういう事で囚人のジレンマは防ぐことができ、お互いが最大利益を得ることができるのだ。
つまり、相手の気持ちを察する、行間を読むなどは「余計なおせっかい」になりかねないのだ。
もちろん、相手の気持ちが手に取るようにわかり、絶対に外さないという自信があるなら「空気を読む」ことをすればよいだろう。
それでも、百発百中で永遠に外さず行くという事は難しいだろう。
もし、それが大事な記念日のプレゼントだったらどうだろう。
一所懸命考えに考え、用意したサプライズ。
渡すほうも、受け取るほうも最高の瞬間を得られるはずだったのに、とんだ見当違いのものがだった時・・・地獄である。
受け取ったほうもショックだが、渡したほうはもっとショックだろう。
そういったことが起きないようにするためには、
「何が欲しい?」
と聞くだけで良いのだ。
こうすれば外すことは100%ない。
空気は読むのではなく、口にして会話しすり合わせをするほうが生産性が高いのだ。
1対1でこれである。
多数相手となると難易度は数倍にも跳ね上がることは容易に想像できるだろう。
人数が多くなればなるほど、誤解が起きないように文章にして伝えることをお勧めする。

まとめ

画像3

空気が読める人間は素晴らしいと思うが、永遠に続けることは難しい。
であれば、口にして相手の意見を確認するほうが良いだろう。
暗黙の了解などはないのだ。
更に空気が読めない外国人が今後身の回りに増えてくる社会においては余計に口に出すことが重要になるだろう。
むしろ、それを求められるようになるだろう。
日本経済が低迷していく中で、より効率的にならなければいけない中で、この経済非効率性は無視できない状態ではないかと考える。
囚人のジレンマは会話で解決できる。

最後の一枚のピザ迄おいしく食べよう。

その為には会話をする。
唯一これだけがそれを実現する方法だ。