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ショートムービー「天井に、海がいる」


眠りから覚めると、いつかの夢の続きを見たのだと思う事がある。
朝ごはんを食べたら忘れてしまう夢を、思い出せない事にワクワクする。


反対に、いつまで経っても忘れない夢もある。
その夢は 現実の思い出とともに 私の心の中に居座っている。


今日はどんな朝かな、
目覚める少しまえに意識がある。

 晴れてる。

カーテンに当たる光が天井へと繋がる。
波のように煌めき 火のように あたたかく揺れ、私はそっと脚を伸ばした。

気持ちのいい朝。

天水の中にいるみたい、


水に映った天、水面を覗き込むとあったはずの空たちが、水の中にいてまるでもう一つの世界に繋がっているような気持ちにさせる不思議な景色。

その景色を現実で感じる瞬間が、踊りを見ている時の感覚。私はその景色を また感じたくなって作品にしたくなって、

今回、出演してくれたのは私の高校の同級生です。だいすきです。
私は彼女の踊りがとってもとっても 好きです。

音楽が流れた瞬間、
目に神秘が宿る。

彼女が自由自在に水の中へ歩いていく、


ここではないどこかに
いつの間にか、浮かんでいて、ぷかぷかと 水面を彷徨う魚のように美しい音楽と共に 考えることのない、「いま」という時間の中にいる。

水のように形を変えてくるりくるりと
また海、もしくは空の時間が始まる。

いつかは冷めてしまう夢を
いつかは溶けてしまう生を 感じながら
うっとりとしていた。
この水の動きに、過去や未来なんて存在していなかったのかもね。

うっとりする。
ここに私がいない時間。

ーただいま。

ちゃぷちゃぷとみんなの元へ戻る。掬いきれない水をはらって手を振った。

風。揺れる布がそっと私を包みこんでくれる。冷たい海水が足にあたって心地いい、優しい風と共にまた夢の住民になる。


1.浮光

2.花の国

3.海、もしくは空の時間


作品を観る

●「詩心の手帳-いろはのてちょう」
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