2023/09/20 試験で思うこと

秋の昇格試験の真っ只中ですね。
特に師範試験に挑戦する方は作品数が多いので大変だと思いますが、コツコツ頑張ってください。


私の教室では、試験は字典や資料から集字して、コピー切り貼りの草稿を作るところから必ずやってもらっています。

これが出来なければ、師範になってからのペン展で自運で制作することが難しいからです。
美しい字というのは字形だけで決まるものではありませんからね。
体裁を自分で整える力が必要なわけです。
これはお手本を見て書いているだけでは身につきません。

Photoshop、Illustratorを使える方はPCで作っても構わないことにしていますが、実際のところ、アナログ方式で作っている生徒さんの方が草稿にOKが出るのは早いです。
字粒の変化の付け方を画面上ではなく実寸大で考えられるからでしょうか。

草稿の出来栄えで力量が分かるというか、上のクラスに上がってから目立つ活躍をする人かどうかを測れるような気がしています。

推薦や準師範で辞めてしまった方も含めて、上のクラスで頻繁に写真版に載るような生徒さんは、この試験の草稿がとても美しいのです。

並べ方(貼り方)が美しいのは勿論ですが、草稿に書き入れる中心線のような基準線が狂いなくビシッと引かれている。

言葉を濁さずに言うと、五段まではたまに写真版になるかなぁ…という感じの競書の成績がもう一歩の生徒さんは、貼り方や線の引き方がとても汚い。


草稿に限らず、上手な生徒さんは、紙面が美しいのは間違いないです。
作品に変な汚れがあったり端が折れていたり、そういうことが一切ない。
これは有料添削でも感じています。

美しく書ければ草稿なんて汚くても問題ないと思う反面、こういうところで力量に差がついていくのだろうな、とは思います。
結局、字を書くのは所作ですから、身のこなしが丁寧な人は字の書きぶりも丁寧なのでしょう。


8月号の漢字部。
私も久しぶりに簡易的ですが、切り貼り草稿を作って書きました。

資料を切り貼り

ちょっと曲がっているけど、できあがり。

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