知恵の実

詩を載せています。フィクションです。 昔のや最近のや日々感じたことなど色々と。 備忘録…

知恵の実

詩を載せています。フィクションです。 昔のや最近のや日々感じたことなど色々と。 備忘録も兼ねて。

最近の記事

童話のおはなしに 出てくるような お姫様には なれなかった 魔女に 魔法をかけられて たとえば とても 醜くなって たとえば とても 美しくなって 何かに 惹かれ 何かに 焦がれ なんでも良いのに なんだって良いのに 心が 躍る 心が 燃える そんな童話の 主人公 魔女になったっていいのに エキストラにも なれない 哀れな 私は いつだって 本を開いて 夢みてる 昨日も 今日も あしたも きっと 次の 次の 次の日も

    • 触れる

      どんなに きつく抱きしめても 皮膚が邪魔で 肉が邪魔で 流れる血液を押し出す心臓 鼓動が いつも邪魔をする もっと奥まで触れたいけれど 何故か 近付けば遠ざかる 骨だけになっても きっと愛しい だから もっと ずっと 奥まで せめて タマシイだけでも 溶け合って 混ざり合って ひとつになれれば、、、きっと おそらく たぶん もっと 大丈夫 皮膚が邪魔で 肉が邪魔で

      • 鳥居

        鳥居のまんなか くぐったら うしろの正面 手は上に ぐるっと回って もういっかい 意地悪カラスが 18羽 お月さまは 冊の中 右見て 上見て 下見るな 明日の昨日は もうおしまい 一番鶏は もう泣かない

        • ✖️

          あなたの声が 聴こえた 気がして ふりかえって 見渡してみる 僕だけが 私だけが と願う醜さ それでも 貴方だけは 笑って歌って叫び続けて あの輝かしい栄光の裏側で いつまでも 憧れる闇のようであってほしかった 私が替わりに 死ねば良かった 私が替わりに 死ねたら良かった

          喪失

          叫び続け 手を伸ばしても 届かなかった 祈り続け 膝をついても 叶わなかった 泣き崩れ 諦めても 忘れられない どうして こんなに 渇いているのか 風が吹く 風が吹く 掻き消すように すべて 飲み込んで 私を消して

          ふりだし

          想い出 ひとつ くださいな あなたの 秘密 ばらまいて 繋いだ 紐は からまって ほどけた 帯は 散らかって 乱れた 髪を 掴んだら 紅い 紅を お守りに 鬼が来るのを 待てばいい

          ふりだし

          晴れた空では 

          明日 晴れたら この傘は いらない 誰にも言えない 秘密だってあるけど 指先から こぼれてしまった 音符は 拾い集めて 歌うから もう 大丈夫 くちびるの動き 落とした 視線から これで おしまいなんだ 気付いたよ 忘れても いいから 笑っていてよね 時々 思い出してやんない 今日まで 少し泣きたいのに 泣けないのは何で 自分の感情が何処かなんか 知らない 何でも 知ってる あなたも ひみつ 灰にならずにすむ方法をこれから先も わたしの 替わりなら どこにでも… 四角の中から

          晴れた空では 

          祈り

          どこから 間違えたのだろう? いつから 間違えたのだろう? ただ 当たり前の 日常を ただ 繰り返し 過ごすことで 変わらないに 安心し 変わらないに 不安になって 上手く呼吸ができない また夏が近づいてくる  すれ違う 制服のスカートを 眺めたりしながら あの日の 自分と 重ねてみたり これ以上 気付きませんように これ以上 傷つきませんように 誰にも 気付かれませんように 誰にも 傷つけられませんように 誰も 傷つけませんように 誰も 傷つきませんように

          音楽

          脈拍 不規則 感じながら 曲がった 思考と感情は 楽譜の中の 並んだ 音符 正しさとは 何か 叩き込まれる どうだ どうだ わかったか 自由とは 意外と 不自由で がんじがらめの 心地よさ お前は何も 心配するな アタマの中は からっぽで ただ そこにある 正しさに したがって  ただ そのとおり  生きていけば 正解で 正しく正解が 正解だから お前は何も 考えなくていい 私は 何も 考えなくていい 私は 何も 考えなくていい?

          公園の ベンチから

          社会から隔離された 私にも やさしい 焼き立ての パンの匂い 子供の笑い声 あらら 喧嘩になっちゃった たっくんの お砂場の トンネルが なんだって? ふふっ かわいい 中学生かな? ふざけあってる男子たち フェンスの向こう側 横を通り抜ける  女子の冷たい視線 のち笑い声 ふふっ 青春だね 立ち話をしている マダム 優雅に談笑? イッヌ! 交尾してますけど? 駐車場 ハンドルに足かけて 寝てます? 社名隠さなくて 大丈夫かな? ふふっ どんまい もう一度 パン買って 帰ろう

          公園の ベンチから

          美術館

          遠くで 聞こえる 子供たちが笑う 公園 ぬけたら 謎のモニュメント 少し ひんやりとした 空間  高い天井 響く 足音 大きな額縁  正しい 鑑賞の仕方 なんか 知らないけど この空間に 私が 居て 完成

          日常

          誰かに 見つけられなくても 誰かに 認められなくても 粛々と 日常は過ぎゆく  息をひそめ 目立たぬように ここに いるから ここに いるのに ― 私を 見つけて ― ちぎれながら 怯えながら 口を塞がれ 叫びながら 震える手を 押さえつけて 絶望を 憂いながら 希望を捨てきれず 理想を 夢見ながら 空想を膿みだす 腫れあがった アタマが 酷く いたい

          ひなまつり

          真っ赤な お花の 着物きて 髪にも かんざし 赤 挿して 赤い ひな壇 赤い さかずき あまざけ あんまり 好きじゃない 大人が 望んだ 人形みたいに わたしは にっこり 笑っていれば かぁさま ばぁさま 満足かしら

          ひなまつり

          を葬る

          私が 吐き出した なんでもない 言葉たち  ひとつひとつ 丁寧に  集めて 紡いで 彩って あなたは 美しく 覚えていて くれるのね 飲み込んだ 言葉たちは 行き場をなくし ひとつふたつ 転がって 押さえて 潰して 押し込んで それでも 哀しく 想いあふれて しまうのね 音符を付けたら どうかしら るるら ららりら ららるらら キャンパスに載せたら どうかしら 色とりどり 赤 青 黄色い 真白色 それじゃあ だめよ 全然だめ わかってないな わか

          宇宙を 歩いてた あの日の 秘密 二人だけが 海に浮かんだ  迷子になった 森の中  たのしいね ステップ  ころんだ 小石 笑って泣いて 蹴とばして 掴みかけた ひらひら 風よ 吹け!  声が 聞こえる さあ 出発だ!  懐かしい 未来 思い描いた 過去が それでも!! 

          回想

          怖いものは なかった 何でも できた  何も見えて いなかった  知らない間に 傷つけた ソンナツモリジャ ナカッタノニ いつの間にか 悪者に なってた 僕の かわりなら いくらでも 何もかも怖くて 閉じこもった 何も見たくない 聞こえない 聞きたくないから 近づかないで 知らないうちに 傷ついた アノトキハ シアワセダッタノニ いつの間にか わからなく なってた 君の かわりなど いないのに