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シネマ香水の感想

外出が減った代わりにインドアな趣味が広く浅く増えてきた、と言う友人から、Celesシネマ(通称?シネマ香水)というサービスを教えてもらった。

香水計り売りのCeles(セレス)さんでやってるサービスで、映画のタイトル、シーン、登場人物などを書いて送ると、香水スタイリストさんと映画好きなセレスのスタッフさんが香水をセレクトしてくれる、とのこと。(ブレンドとかではなく既存の香水からピックアップしてくれる。)

香水に関しての知識は皆無だけど、気になって3作品選んで注文してみたので、映画の思い出等交えての感想殴り書きしてみます。

※以下、映画の内容と、その映画に対してどの香水が選ばれたのかという点と、二重でネタバレ注意。
※香水と関係ない映画の話もちょろっと出てくるのでそれも注意。
※見出しは映画タイトル、香水ブランド、香水銘柄の順。



1. 時計仕掛けのオレンジ
Byredo 
– Oud Immortel
(バイレード
– ウードイモーテル)

クラシック音楽を愛する、残虐・極悪・非道をすべて兼ね備えたアレックスくんが新しい心理療法で超無理やりいい子?にされる物語。なんかタイトル聞いたことあるからってTSUTAYAで借りて、当時の彼氏、現旦那と一緒に見て気まずくなった思い出がある。バジルが可愛い。
ちなみにその日はクリーピーも見て後味の悪さに胸焼けした。でも後味悪い物語ってなんか惹かれるよね…。

届いた香水は、吹き付けてすぐは無印良品とかで焚かれてるスッキリ柑橘系のアロマオイルってかんじでした。語彙力の無さ…。
けど時間が経ってみるとあこれ!電車とかで嗅いだことある!っていう香りに。欧米のイケおじもしくはツーブロ営業マンがつけてるイメージ。ユニセックスらしいけど。

映画のイメージ的には、もっと怪しくてどろっと甘い匂いかな?と思ってたけど、暴力の限りを尽くしてるアレックスを見てるとある種ぶっとんだ爽やかさみたいなものも感じなくはないのでこれはこれでアリかもしれない。

あとこれは妄想だけど、テキトーに盗みに入った金持ちの家で家主のおじさんを痛めつけたあとにこれを見つけて、テキトーに自分に吹き付けて、何この匂い??みたいな顔して出てくアレックスくん、みたいなイメージが浮かんだ。


2.ライフイズビューティフル
Santa Maria Novella – Angels of Florence
(サンタマリアノヴェッラ – エンジェルオブフローレンス)


第二次世界大戦下、迫害されながらもユーモアと希望を忘れないユダヤ人親子の話。夜中になんか面白いもんやってないかなってケーブルテレビつけたらやってて、前半は正直ちょっとつまんないんだけど最終的には号泣しまくった作品。グーグル先生によると、94%がこの映画を高く評価したらしい。すごいな。

クレバーでユーモアなパパは、強制収容所に収監されても息子を楽しませてくれて、見てるこっちもクスッと笑える場面が多々ある。あるんだけど、そのぶん息子が見てないところでは流石にキツイって顔を隠し切れずにいるのが本当につらい。

個人的にこの映画のラストシーンと対比されるのが、映画版ミストのラストシーン。
パパが命を繋ぎ生き残った息子と、もはやこれまでと息子を殺して、あとは自分が死ぬだけという状態の父親。戦車に乗っての生還と、トラックで運ばれてくる選ばなかった最適解…。さあ行こうぜ絶望のわずかなこっち側へ、ってか…。

最高の最悪を思い出してきたな…もうやめましょう…。

香水の話をすると、これも街中で嗅いだことのある香り…美人なおねえさんがつけてるイメージ。すっきりした甘さのフローラルな香り。
つけた瞬間は強制収容される前の幸せな日々が連想される。
時間が経つと香りがふんわりしてきて、切なさとパパが残してくれた希望とユーモアを想起させる。

で、つけた瞬間何かに似てる香りだと思ったんだけど、たぶんバラのバブだわ(圧倒的庶民)(ごめんなさい)


3.ミッドサマー
APOTHIA – IF
(アポーシア – イフ)

カルト村の住民と自分勝手な大学生たちがわちゃわちゃする、スウェディッシュエログロナンセンス映画。わりと賛否両論みたいだけど私は好き…。「牧歌的」と「不穏」って共存するんだ…。

シネマ香水を教えてもらって真っ先に思い浮かんだのがこの映画で、一番わくわくして待ってた。
そしてこの映画だけシーン指定していて、それは「ダニーがメイクイーンに選ばれた際の食事シーン」。
お花に囲まれていてめちゃくちゃ綺麗で、キマってるのもあってふわっふわもふわっふわ。なのにちょっと(だいぶ?)不穏で不気味な空気感が漂うあそこのシーン、大好き…。アッテストゥパンはもう見たくねえけどあのシーンはまた見たい…と迷っていたらディレクターズカット版が来て喜び勇んで行きました。アッテストゥパンは薄目でやりすごした。

この香りが一番好き!甘すぎず、本当に花に囲まれているようにみずみずしい。リラックスできるから寝るときにつけて嗅いでる。とてもいい。
でも百合の花とかって密室で敷き詰めて眠るとそのまま死んじゃうとかって言いますよね…みたいなね。香りに不穏なところは無いけどミッドサマーイメージといわれると勝手に不穏な方向に連想しちゃった。

百合の花くだり何で死ぬんだ?と思って「百合 敷き詰める」でググったら厚労省の自殺相談窓口が出てきた。これで出てくるのすげー。


以上!
面白いからまた注文しようか悩み中…何がいいかな~最近アマプラでゴーンガールとCUBE見て面白かったからそれかな~。

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