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ありのままの私と、隣り合わせで生きていく。喜多桜子さんの人生の節目

2022年4月末、喜多桜子さんは、自身が創業に携わった”女性キャリアスクールICORE”を卒業することを決めた。今後は、運営から軸足を抜き、パートナーというカタチで関わっていくことに。

「私のこの選択すらも、誰かの、なにかの勇気になれば良いな。」創業から約1年。彼女に起こった変化とは。そして、これからどんな未来を描いていくのか。ICORE1期生として関わってきた私の目線で、今のリアルな気持ちをインタビューさせて頂きました。

喜多桜子さん…株式会社ICORE創業者/ウェルビーイングプロデューサー。看護師として働いた後「幸せとは?」をテーマに、これまでに世界二周70か国200都市を訪問。2022年「世界の幸せの形」をテーマにライツ社より出版決定。


理想を叶えた先にあったもの

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——今回、ICOREを卒業されるとの発表、とても驚きました。その決意に至るまで、どんな背景や想いがあったのですか?

全てにおいて、理想に向かってがむしゃらに走ってきた1年だったと思う。この1年もだけど、30代前半は特に”こうありたい”と”こうすべき”そのはざまで揺れ動いていたんだよね。

これまでの私は、直観に従いつつも、自分が決めたことに責任をもってやり抜かなきゃ!とか、困難を乗り越えた先に、まだ見ぬ理想にたどり着けると思っていて。でも自分は、HSS型HSPの繊細さん。加えて、強み診断の最下位が「忍耐力」という、逆境を乗り越える要素を一切兼ね備えていない私にとって、この価値観に沿うことは、想像以上に相性が悪くて苦しかった。

”この先にしか自分らしさがない”と思うと、何度も不安に襲われた。でも、挑戦も失敗も繰り返した今、ようやく『何かを成し遂げた先に、”自分らしく生きられる”とは限らない』という真実に、頭ではなく心で実感したんだよね。自分らしい人生は、もっと軽やかに実現できる。もっと本質的に人生を味わい尽くそうって思ったんだ。

——”自分らしい人生を実現する”といえば、ICOREはまさに、その想いが込められていると思います。実際に創られてみて、なにか変化はありましたか?

『自分にとっての豊かさや、幸せと向き合える場所をつくりたい』そんな思いから、自分の信じるものを全て詰め込んだのがICOREだったんだよね。

始める前は不安もあった。けど、私が想像してる以上に、1人ひとりが自分と向き合ったり、新しい挑戦が生まれる様子を目の当たりにして、自分の想いは間違ってなかったと確信できた。”ICOREを創って良かった”心からそう思えたことが、すごく嬉しかった。そう思えたのはみんなのおかげ。運営メンバーはもちろん、リンクス(受講生)や、これまで沢山サポートしてくださった皆様には感謝の気持ちしかない。

ICOREで掲げた「It's my lifeな人生」というビジョンを心から実現したいと思っていたし、そんな人が増えたらいいなと思っていて。実際、嬉しいことに、受講生の皆はどんどん自分らしさを増していったの。

その一方で、私は組織の一員として「こうあるべき」に囚われて、自分という存在が、どんどんなくなってしまうような感覚に苛まれるようになってしまった…。立場や肩書を意識することも、「こうあるべき」を求められることも、組織の中ではよくある話。私が立場を気にすることも、決して間違いではなかった。

でも、もともと世界を二周するくらい自由で破天荒な人生を生きてきた私だから。受講生のみんなが、どんどん自分らしく輝きを増していく姿を見せてくれたことで、私も”より自分が信じる道を、もっと深めてみたい。私は「私のIt’s my life」を実現し続ける人でいたい!”そう強く思うようになっていったの。

この選択が、「正しいかどうか」はわからないけど、「自分の美意識に従って、これからの人生を生きていく覚悟」ができたんだ。

——ICOREで自分自身と向き合い続けてきたのは、リンクスのみんなだけではなく、桜子さんもだったんですね…。葛藤する中で、なにか見えてきたものはありましたか?

最近、私の大切にしたい視点があって。それは、1度見つけたBeing(在りたい姿)はゴールではないということ。人間って、なぜかゴールを設けてしまいたくなるけれど、人生に正解もゴールもないと思うんだよね。

生きていたら、色んなことがある。
良いことも、上手くいかないことも、沢山ある。
そんな時にこそ、問いかける。

『で、本当の自分はどう在りたいの?』って。

ひとつひとつの選択は「Being(在りたい姿)」が基準であって、その選択に”意志”を持たせていくことこそが「自分の人生を生きる」ということだって思うから。

世の中の声ではなく、そんな自分のBeingという美意識を大事にしてあげたいと思ったんだよね。世間一般的に正しくはないかもしれないけれど、この選択がやっぱり私らしくて、人生の最期に「最高の人生だったな」と言える気がしたから。

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——そのために、ICOREの運営から卒業をし、桜子さん自身もまた、新たに挑戦していこうと思ったんですね。


beingの本質に近づくために。

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——1つの大きな決断をされた桜子さん。いつも何かを決める時、大事にされている想いなどはありますか?

私の判断基準(美意識)は「今日が人生最後だとしたら、どっちの選択をした自分が好きか。」人が豊かに生きるための真理って、本当はとてもシンプル。

世の中のノイズはとても惑わせ上手だし、目に見えない価値を信じるのは怖い。でも、その美意識があることで、意志決定をした自分を信じたいと思える。好きになってあげたいと思う。その選択が、正解かどうかは全てではないんだよね。そうやって自分の美意識を信じる積み重ねが、「自分の人生を生きる」ということだと思うから。

——自分の美意識を信じる。簡単そうで難しいからこそ、大切なことですよね。他に、現在考えている今後の活動などはありますか?

私は「目に見えないものこそが人生を豊かにしてくれる」と信じていて。社会人になってからは一貫してそこに挑んでいるからこそ、今後もその軸はブレずに活動していきたいと思ってる。

今後、メインで進めていく出版や、自然と調和しながらウェルビーイングを体験するプロジェクトにも、その想いが詰まっているんだ。このテーマは凄く壮大だから、人生をかけて、旅するみたいに味わいながら実現していきたい。私の、もはや趣味のような『Well Being』の探求が、誰かの毎日を少しでも心地よく生きるキッカケにつながったら嬉しいな。


『心豊かに、軽やかに。』

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——新たな門出に立つ桜子さん。今はどんなお気持ちですか?

正直、この発表をすることは、すごく勇気のいることだった。逃げだとか、責任感がないとか、そういう世の中の声は、いつだってすごく、怖い。

でも、沢山サポートをしてくれているリンクスのメンバーに正直に話をした時「初めは寂しいと思ったけど、とんでもなく桜子さんらしいなって感動した。こうあるべきにとらわれず、どこまでも桜子さんらしく人生を生きて欲しい。」そう言ってもらえた時、本当に嬉しくて涙が出たんだよね。

大きな選択をする時って、しないほうがいい理由が沢山出てくる。でも、美意識を意志にしていくことは、自分を信じられる勇気になるし、自分にとっての誇りになる。無形で、目に見えないからこそ、進んでないように見えるかもしれない。それでも、ノイズの多いこの世の中だからこそ「ありのままの私と、隣り合わせで生きていきたい」

”挑戦したい”って言っているけど、なにかを成し遂げようとする欲とか、そうではなくて。今の自分を、削いで削いで、その先の本質に向かって追求していく。目に見えないものの価値を信じているからこそ、それを信じられる世界を創っていきたい。


——これからが楽しみですね!最後に、リンクスのみんなへメッセージをお願いします。

『自分の価値は、なにかを付け足して、誰かに評価されて生み出されるものではなく、既にみんなが持っている。』

ICOREを通して、みんながより自分らしく輝きはじめる姿を見て、私自身も、こんなに大きな選択をすることができた。リンクスのみんなは、私の一生の仲間であり、誇りであり、勇気。出会ってくれて、本当に、本当にありがとう!ICOREを卒業しても、このご縁は変わらないし、大好きなみんなのことを、ずっと応援してます。私もまだまだ道半ば。一緒に頑張っていこうね!!


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―インタビューを終えて…

桜子さんはいつも、誰よりも”ありのまま”を大事にされている方だという印象がありました。そして今回、それを実現しようとする途中には、多くの挑戦や、葛藤があったことも知りました。『Being』それだけ聞くと、とっても抽象的なコトバ。でも、今回インタビューを通して、目に見えないBeingに挑む桜子さんの覚悟は、本物だなと思いました。

今の私はというと、ICOREで見つけた『在りたい自分』の実現のため、いろんなことを吸収しようとしたり、挑戦の波に乗っています。何かを成し遂げようとすることの連続だからこそ、立ち止まることが怖くなる時もある。反対に、立ち止まりたくなることもある。でも、桜子さんの生き方を知り、それでも良いんだと思えたんです。この経験があるからこそ、むしろ自分の人生を味わい尽くせるのだと。5年後、もしかしたらそれよりも近い未来に、桜子さんのようになっていたいなぁ。そんな、憧れのような感情を抱きました。

私にとって、ICOREという場所での学びや、ここでの出会いが、これからの人生においてもかけがえのない場所であるように、桜子さんとっても、ICOREが、リンクスのみんなが大切な存在だということは変わらない。そう改めて教えてくれたことが、嬉しかった。これからもずっと、桜子さんのことを応援していきます。

一人一人にその人にしか語れない人生がある。いろんな人の人生や想いを遺すことで、誰かの人生が誰かの勇気や励みになる。その活動に活かさせていただきます🕊