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LGBTQアライ vol.5 高室理央さん

こんにちは、irOdori(イロドリ)です👗

今月6月は、LGBTQなどの性的マイノリティの方々の権利向上を促すプライド月間です🏳️‍🌈🏳️‍⚧️Happy Pride🙌

irOdoriでは、このプライド月間、irOdoriの活動を始めてから出会ったアライ(Ally)の方々をご紹介していきます!

アライの意味とは「LGBTQなどの性的マイノリティの方々に寄り添い支援・活動する人」と言われますが、アライの方々は実際どのような活動をしているのか、探っていきます。

今回は、高室理央さんのインタビュー記事です👏
理央さんはirOdori代表・彩夏がビジネスコンテストで出会った方です。ご自身のジェンダー・セクシュアリティに向き合ってきた理央さんの半生を深掘りします!

インタビュアー:彩夏(irOdori代表)

Zoomでインタビューしました

男子サッカー部でひたすら衝撃を受ける日々

――――小さいときはどのような子でしたか?

小学生のときは休み時間はずっと男子と一緒に遊んでいました。女子は1人だったけど、男女差について考えたことはなくて、別に違和感はありませんでした。

ずっとサッカーをやりたくて、サッカーがある中学校を受験したいって思っていました。共学校は男子サッカー部でも女子が入部できると聞いたので入学しました。入学後、ちょうど担任の先生が部活の顧問だったので、入りたいですって改めて言ったら、「本当に入るの?大丈夫?」って反応が良くなくて、数日悩んだんですけど、
「私はサッカー部に入るために中学受験したんだし、そこはやるに決まってる」と思って入りました。

サッカー部では自分が女子であるということがこんなにも他と差が生むのかってひたすら衝撃を受ける日々でした。もし大人なら、男子だけのところに女子が入ってきたら、多分男子は女の子だからと特別扱いすると思うんですね。でも、中学生で、しかも私は普通に部員として入ってきているので、向こうも扱いに困っていました。しかも、サッカーはめっちゃ下手だったんで、全くうまくいかなくて。

2人組を作ると絶対私が1人余るし、みんなで自主練となると、どこに行くこともできないから、1人でずっとリフティングしている。練習のときも、私と順番が一緒でペアにならざるを得ない男子は、「ちっ」て舌打ちするっていう感じで、きつかったです。

自分は女なのか男なのか

そのときにずっと、「なんで私はこんなにチームになじめないんだろう」って考えていました。「やっぱり女だからなのかな。男になれたら、男だったらなじめたのかな。」でも、私はこれまで女であるということに別にアイデンティティーを持っていたわけではないし、それを否定したこともなかった。「じゃあ自分の中の女らしさ、男らしさっていうのはどういう部分で、自分って女なのか、男なのか」と考えていました。そしたら図書館で性同一性障害*の本を見つけて、こんなのあるんだと驚きました。

いろんな本を読んだんですけど、自分は小学生の間に男になりたいとは別に思っていなかったことを考えると、性同一性障害じゃないんだろうなと感じました。じゃあそうすると一体何なんだろうって悩んでいました。

中学2年の終わりでラグビー部に入ることにしました。当然男子ラグビー部で、女子はもちろん1人目だったんですけど、そこは部員数が少なくて、しかも高2が一番多くてみんな大人だったので、よくなじめました。中高合わせても6人しかいないので、普段の練習は他校と合同チームになりました。男子校と練習する場合も多くて、向こうはびっくりしていました。練習試合の対戦相手にも「あれ女子じゃね?」と向こうから指さされました。

でも、練習中に私は同じようにタックルに入るし、同じような勢いでタックルに入られるので、女子扱いされるわけにはいかず、「どうやったら一人前に扱ってもらえて、男女の差を超えてタックルに入ってもらえるかな」と考えて、人一倍声を出すとか、人一倍真面目に練習に取り組むとか、ポジション取りをやって、タックルは全力でこっちも入りに行きました。そうすると向こうも「手を抜いたらまずいな」と全力で入ってくれるようになりました。

なので、高校生のときには、女子であるということを受け入れたわけじゃないけど、女子であるということを前提にしつつ、どうやったらうまく生きていけるかっていうのが分かり始めた感じです。

LGBTについてようやく情報が集まってきたのは高校2〜3年・大学生のときでした。LGBTの概念を知って、性同一性障害の基準に当てはまらない自分でも、もしかしたら受け入れられる余地があるのかなと感じました。

*2022年1月、WHOによりICD-11が施行されて、性同一性障害は精神疾患から外されて「性別不合(仮訳)」になりました。

インターン先の女性上司に一目惚れ

――――女性を好きになったことはありましたか。

ありました。まず中学1年生のときに、バレー部のキャプテンの女性のことがめっちゃ好きになりました。そのことを周りにめっちゃ言って、すごいドキドキしながらバレンタインのチョコを渡しに行きました。でも周りの反応は「え?それ憧れでしょ?」いや、私にとっては憧れじゃない。私が憧れるのはむしろボーイッシュな感じの方なんですけど、そのバレー部のキャプテンはめっちゃ女性らしかった。

私は女の人も好きになるし、服装とか言葉遣いとか態度は男子らしくしていたい。けど、小さい頃から男になりたいとは思っていなかった。その当時は性同一性障害の診断基準しか知らなかったので、私は性同一性障害じゃないんだなと感じていました。

大学2年生のときにIT企業でインターンを始めたんですけど、私はそのインターンの上司をぱっと見てめっちゃ好きになりました。そのときはその人とは部署が違ったんですけど、あの人の下で働きたいと思いました。自分の部署がつぶれるからどこか異動することになったときに、その人のところに行きたいですって言って行きました。その人は肉体的な性別は女性なんですけどめっちゃボーイッシュな感じで「実はバイ(セクシュアル)なんだ」と最初にカミングアウトされました。でも、もうちょっと関係性が深くなってからこれまで付き合ってきた経歴を聞いたら、ほぼ全部女子だったんです。

――――レズビアン寄りのバイって感じですか?

どっちかというとレズビアンですなんですけど、レズビアンって言われるのは嫌だと言っていました。理由を聞いたら「レズビアンって女子と女子が付き合ってるみたいな感じするじゃん。でも私、自分で女子とあんまり認識してないんだよね」と。

じゃあ、その人にとっての性自認ってなんだろうって気になりました。その人自身もちゃんと把握していなさそうでした。私はその人のことを彼女って呼んでるんですけど、彼女の場合は女子らしさみたいなものを否定し続けて、中性的なポジションを小学生の頃からずっと取り続けてきている。

その人の話を聞きながらよく自分を振り返りました。その人は中性よりも若干男性寄り。じゃあ私はと言うと、多分その先輩よりももうちょっと女子っぽい気はするから、中性より若干女子寄りなのかな。向こうは完全に女の子しか好きにならないけど、私は男性も女性も好きになるので、バイだろうなと考えました。

かつ、その先輩は、IT会社の中のLGBT推進事業的なところにいたので、その人経由でLGBTの理解をもっと深めたりとか、LGBTプライドに誘われて行ったりとか、LGBTの友達が増えたりしました。

離島からマイノリティ理解を広げたい

――――今はどういうことをされていますか。

今後は、瀬戸内海にある完全離島の、船じゃないと行けない所に移住して、そこに都会の子どもたちを長期休みに呼んで、サマープログラムのようなことをやりたいと思っています。(2022年6月現在、移住済み)

それを通してやりたいことは、価値観の相対化

すごく平べったい言い方をすると、都会には足りないものがあるよね、自然とか離島とかすてきだよねみたいなことをよく都会で言うじゃないですか。親はそういうのを子どもに体験させたいから参加させるぐらいのノリだと思うんです。

でも、私がやりたいのは、どっちかっていうと、都会から見た離島っていうイメージじゃなくて、実際に中に入り込んで生活したときの離島と両方を持ってもらいたい。同じように、それを将来的に日本と海外でもしたいんですけど、先進国である日本の視点と発展途上国に暮らすということの視点を平等に持てるようになってほしい。これはありとあらゆるマイノリティ理解につながると思っていて。

つまり、マジョリティから見たマイノリティではなく、マイノリティの中に入ってマイノリティを体験して、マイノリティとして考えるとマジョリティはこう見えてるんだなとか、マイノリティにこういういいところがあるけどこういうところに問題点があるんだなっていうのを、他者がどう言ってるからとかみんながこう言ってるからとかじゃなくて、個人の体験として理解していく。そういうことを子どものうちからやらせれば、マイノリティ理解がもっと広がっていくんじゃないのかなと思っています。

――――めっちゃいいですね。ありがとうございます。

移住先で檸檬ホテルを開業

LGBTQ当事者は自分を相対化する機会にある意味恵まれている

――――当事者的な経験もしつつ、すごくいろいろ調べてアライにもなってくださってるなと感じています。二分化するのは私も苦手なんですけど、マイノリティとマジョリティ、LGBT当事者とアライの両方の立場でそれぞれの強みを教えてください。まず、LGBT当事者としての強みは何だと思いますか。

当事者としての強みは、一つまず思い浮かんだのは、アライになりやすいこと。自分の中にも当事者っぽいところがあるからこそ、アライになりやすいと思います。

あとは、これはLGBT当事者全部に共通してほしいなって思っているんですけど、LGBTに限らずあらゆるマイノリティに対する理解の深さがあること。それはマイノリティとして既にくくられているものに限らず、多分、世の中全ての人がどこかしらの部分でマイノリティを抱えていると思っていて。人には言えない、人とは違う自分みたいなところに「ああ、分かる、分かる。あるよね」って共感してあげられる。でも、アライもそうだと思うんですよね。アライと当事者両方に対して言えることだと思います。

あとは、他者と違うということを小さいときからずっと感じ続けているっていうことは、よく自分のことを内省して、自分を相対化する機会にある意味恵まれている

自分のことを考えれば考えるほど、何でこの自分を世の中は受け入れてくれないんだろうっていう、世の中に対する疑問にもつながっていく。絶望してしまうこともあるけれど、ある意味それをバネにして世の中を変えていこう、自分自身をより大きくしようっていう人たちもいる。すごく葛藤したからこそ、LGBTである自分を受け入れたときは、そこに対して疑問を全く覚えたことがない人に比べると自己理解の深さが全然違うと思います。他にも、考えれば何か出てきそうな気がします。

アライの強み

自分と世界の関係性を深く考える

――――アライの強みとか、アライでよかったなと思ったことがあれば教えてください。

むしろこれが、さっき話したほうになるかもしれないんですけど、アライは、自分はある意味マジョリティ側にいるけれども、マイノリティのことをよく理解している。これはすごい大事なことだと思っていて、自分がマイノリティ側にいなかったとしても、彼らのことをよく知って、自分と彼らを切り離すのではなく、自分の中にもそういう傾向あるなとか、そういう部分あるなとか、自分の延長線上にマイノリティの人たちがいるっていうことを理解している

かつ、アライは知識も大事だと思っているので、どうしてこういうのが嫌なのか、どういうしゃべり方したらいいのか、どういう扱いをするといいのかをどんどん吸収していくと思うんですけど、それはある意味新しい言語を手に入れていくのと同じようなことだと思っています。

例えばこれまで「彼女」とか「彼」っていう三人称を何も考えずに使っていたけど、もっといろんな言い方、三人称の使い方があったなとか、三人称の使い方を最初に本人に確認したほうがいいなとか、新しい気付きがたくさんあると思うんです。そうすると、世の中の人が普段何気なく呼ぶ、例えば「奧さん」「主人」っていう言葉に対しても、「あれ?この単語ってどうなんだろう?その背景にどんな文化が内包されてるんだろう」と考え始めて、より自分と世界の関係性を深く考えられるようになる

――――かっこいい。そうですね。

マイノリティな要素が生まれても動揺せず生活できる

もう一つ、アライになってほしい理由の一つを思い出しました。さっき、誰しもがどこかしらマイノリティっていう話をしたんですけど、自分は普通の人間だとか、自分は特にこれまで生きづらいと思ったことはないとか、それについて深く考えたことがないっていう人でも、いつまでもずっとマジョリティでいられる保証はないと私は思っています。

マジョリティでいることは確かにある意味恵まれている、すごく幸せなことだと思うんですけど、もしかしたら、急に明日交通事故に遭って身体障がい者になるかもしれないし、精神を壊してしまって精神疾患がある状態になってしまうかもしれないし、自分に何かがなかったとしても、結婚したパートナーとか付き合ったパートナーが「実は」って言ってくるかもしれない。

パートナー側に何かしらのマイノリティな要素が生まれたときに、これまでマジョリティだったから、それについて考えてこなかったから、どうしたらいいか分からない、それを受け入れることができないってなるのは、私は不幸だなと思っていて。

一方、例えばアライだったら、こういう人もいるんだな、こういう対処を求めてるんだなっていうのを勉強して、一度自分の中に取り込んだ経験があるので、それが自分のパートナーとか近しい人とかにマイノリティな要素が生まれても特に動揺することもなく生活していけるんじゃないかな。多分、同じように、何に困ってるのかなとか、どういうふうに感じてるのかなみたいなのを勉強して、それを自分の中に取り込んで、「ああそうか、そうなんだね」と。そういう強みを手に入れられるんじゃないかなと思います。

空間を居心地良くすることができる

こういう話をしたら、さらにもう一個思い浮かんじゃった、アライでよかったこと。すごい身近で起きるスモールサイズの話になります。

例えば友人がクローズドなゲイで、仲がいい親友の自分にだけ、ゲイであることを教えてくれました。後日、友達同士で遊んでたときに、友達がゲイのことをばかにする発言をし始めました。例えば、「お前、ゲイかよ」「お前、彼女作らないの?彼女作らないなんてどうかしてるよ」みたいな話とかをして、自分の親友が困って居心地悪い顔をしている。けど、彼はクローズドだから、それについて自分から発言することはない。

そこで、親友で話を聞いていた自分は、自分だけが知っているから「ゲイのこと、ばかにすんなよ」「そういう言い方はないんじゃない?」「別に彼女じゃない場合もあるんじゃないの?」「彼女いなくても別にいいじゃん」とか、何気なく彼が居心地がいい空間にすることができるようになる。これが、アライがその場にいることの大きな価値の一つかなと思います。

そうやってLGBTの人にさりげなく寄り添ってくれる人が増えたら、LGBTの人もすごい生きやすくなるんだろうなって思います。

――――すごく嬉しくなりました。私もこういうことをやれているかなと思ったし、もしやれているのであれば、もしかしたら私が知っている人以上に、多くの人を何かしらの形で救っているかもしれない。

買い物同行サービスのいいところ

――――irOdoriでは、買い物同行サービスとして主にレディースファッションやバレエグッズの買い物の同行をしています。それについてどう思いますか。

一番最初に聞いたときに、「ああ、いいサービスだな」と思いました。だから、ぜひ参加させてください、協力しますと言いました。

いいなと思った理由は、買い物は実際めっちゃハードル高いけど、やりたいという気持ちを持っている人は絶対既にたくさんいる。そこを同行でつなぐのは私の実体験的にもすごいいい解決策だなと思ったからです。

実体験の話は3つあって、1つ目は男性服を、2つ目が女性服を、3つ目がウィッグを買った経験です。

1人で行くのは怖い

1つ目、男性の服を買うときなんですけど、私は小学生の高学年から男性っぽいファッションが好きでした。服のコーナーに行っても、婦人服売り場よりも紳士服売り場のほうが絶対欲しい服がたくさんあるし、そこで買いたいんですけど、いつも男性服コーナーに自分が1人で行くことの怖さがずっとありました。男性服を自分が欲しくて見ているのに、「彼氏さんへのプレゼントですか?」とか、普通に聞かれる。居心地悪くて、できれば誰にも見てほしくないし、誰にも話し掛けてほしくない。でも、そっちに服があるから行かざるを得ないというか行きたい。女性が男性服を買うのでそのハードルがあるんだから、男性に見える人が女性服を買うっていうのは、もっと何倍もハードル高いだろうなって思います。

同行してもらうのは心強い

続いて、私が女性服を買うとき、実はこれもまた居心地が悪くて苦手です。というのも、入ったことがあんまりないから。

男性服のほうが好きで、スポーティーなファッションブランドばっかり行くんですけど、いかにも女性っぽいファッションブランドの服屋に行くと、めっちゃ緊張するっていうか、この場に自分はそぐわないんじゃないかとか思います。店員さんとの会話もあんまり得意じゃなくて。
「こういう服お好きなんですか?」って言われて、「いや、好きかな?」
「持ってるんですか?」って言われて、「持ってないな」みたいな。

私は男性っぽい服も女性っぽい服も持っているんですが、買い物はいつでも妹か友達に一緒に行ってもらうんです。妹や友達がいるとめっちゃ心強くて、じっくり見られるし、店員さんの対応も妹がやってくれます。一緒に服を見ているうちに、「これと似た服ありますか?」「これちょっと着てみていいですか?」「この服のこの部分はこう思うんですけど」「サイズ、もうちょっと大きいほうがいいですかね?」とか、自分の中から聞きたい、話したいことが出てくるので、自然と店員さんと会話できるようになります。そういう、同行してもらうことの力強さみたいなのを感じた実体験があります。

ドキドキしたけど、買ってよかった

最後、ウィッグなんですけど、社会人2年目に上がるときにウィッグを買いました。めっちゃロングヘアのかわいいウィッグです。安っぽいのにしたくなくて、ちゃんと地毛に見えるものがよかったので、高い店に行って買いました。

実はウィッグが欲しいなと思い始めたのは、自分が高校1年生のときからで、その頃妹が天然パーマに悩んでいました。ストパーをかけたいと言っていたので、じゃあウィッグ買ったらいいんじゃない?と私が妹に提案して、池袋のサンシャインにあるウィッグショップに妹を連れて行って、試着までやってもらったんです。ストレートヘアの黒髪ので、めっちゃ似合っててかわいいと思って、「これ買ったら?」って言ったんですけど、そのときに店員さんに「何か発表会とか、劇とかやるんですか」って言われました。それを聞いて妹が「要らないです。やっぱり買いません」と言って、買わなかった。

そういう経験があったので、自分が買うときにもちょっと怖さはありました。ウィッグショップってめっちゃ入りづらいんですよね。人はあまりいないし、買う人がそもそも少ない。

ウィッグショップに入ってよさそうなウィッグを見つけて、店員さんに試着してもらいました。3軒回って、ドライな対応の人から、いろいろ聞いてくる店員さんまでいたんですけど、そのときは妹のときみたいなことは言われず。ただ、「ウィッグよく買うんですか」「いや、初めてです」「これとか似合うんじゃないですか」「ありがとうございます」みたいな会話をして買いました。「何の目的で買うんですか」とか聞かれると、やっぱりちょっと詰まりますけどね。「いつ着けるんですか」「普段です」みたいな。結局、そのウィッグを着けて会社に出社しました。

買ってみたら、あんまりたいしたことなくて。行くときにはウィッグショップの独特な雰囲気に押されるんですけど、買ったら「ああ、買ってよかったな、毎日楽しいな」って思うので。シェアハウスに住んでいたときも、みんなにウィッグ着けさせて、「髪染めたいな、でもな」「髪切りたいな、どうしようかな」みたいな人には「ウィッグ買うといいよ」って勧めていました。ウィッグっていう文化が一般的なものになるといいなと思っています。

ということで、3つの体験から、自分が服買うときの居心地の悪さとか、同行してもらうことの安心感とか、ウィッグを買ったときの、ドキドキしたけど買ったらよかった体験から、買い物同行サービスはめっちゃいいなと思っています。

――――ありがとうございます。もし、このインタビューの記事を見て、理央さんがいいっていう人が現れたら、ぜひ同行してあげてください。

いろんなLGBTの人と話したい

――――最後に、このインタビュー読者に伝えたいことはありますか。

私自身がLGBTのいろんな人と会いたい、話したい、友達になりたいっていうのが結構大きいです。LGBTプライドに行ったときも、いろんな人たちと話させてもらいました。自分は普段当事者なのかアライなのか微妙だったんですけど、それでも一員として迎え入れてくれて、楽しく同じ時間を過ごせて、それが嬉しかった。

だから、もし私と話したいなって思ってくれた方がいたら、それはすごい嬉しいから、ぜひ話したいです。

あとがき

理央さんの言語化する能力の高さにとても感動しました。こんなきれいに伝えられるのは素晴らしいなって。普段から知識も得てきて、実体験もたくさんあったからこそ出る言葉なんだなと、すごく感じられました。たくさんお話を聞かせていただき、ありがとうございました。

インタビュアー・ライター:irOdori代表 彩夏


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