艦上偵察機「彩雲」が見れる!|河口湖自動車博物館 飛行館
前に、靖国神社の遊就館で零戦を見た時に。
他に零戦が見れるところは? と、探したら、東京から近いところだとほとんどが52型の展示で。
その中で珍しく21型を展示していたのが、今回の河口湖自動車博物館・飛行館でした。
えー、どうする? 夏休みに行く? と既に予定が満杯の8月のスケジュールを確認していた中で。
夫「ちょっと待って…」
私「え?」
夫「この博物館、8月しかやってない」
そう。
この博物館、1年間で8月しか営業してない博物館だったんです!
(個人の方が収集したものを展示している博物館なので、博物館経営そのものが目的ではないからかもしれません)
じゃあ、また来年まで待つのも何だから、行ってしまえ!
と山梨行きを強行してまいりました!
場所はここ。
富士山の樹海の裾野みたいなとこにあって、「え、ここに博物館があるの…?」って感じの道を進んで行ったら、突然の渋滞!
1ヶ月しかやってないからか、日本各地のナンバープレートを付けた車が集まってました(笑)
(でも、比較的早く入れた)
自動車博物館と、飛行館は別々になっていて、それぞれに入館料が必要です。
私たちは今回様々な都合上、飛行館だけ入りました。
でも、自動車博物館には6輪のティレルとかあるんだって!来年また来て見たい!!
飛行館は大きなガレージみたいで、所狭しと戦時中の飛行機が展示してあります。
日本にここだけ!艦上偵察機「彩雲」
先に言っておくとね。
館内が狭くて、しかもお好きな方がたくさんいて、良い写真はほとんど撮れてないの(汗)
この、艦上偵察機「彩雲」は2000年にトラック春島のジャングルで発見されたものを、持って帰ってきて復元したもの。
55年も放置されていたから、朽ちてたけど、ほぼ完全な状態だったんだって。
日本ではここだけ。世界では米国のスミソニアン博物館にあるらしいけど、世界でもこの2機のみ。
中島飛行機(現在の富士重工)のエンジン「誉」を積んでいて、米軍機のグラマンを振り切り、戦後の米軍のテストでは時速700キロも出たとか。速っ。
どうしても中島飛行機のエンジンは零戦に乗ってた「栄」が有名で、「誉」はあまり活躍しないまま戦争が終わった印象ですが。
あー、こんなことなら積んでた『悲劇の発動機「誉」』を読んでいくんだった。
何度思ったかわからないけど、自分の無学さが憎い。
なかなか置いてない!零戦艦上戦闘機21型
これこれ!
多くの零戦の展示が52型なのは、数が多かったからなんだろうけど(それでもほとんど残ってないけど)、これは21型よ!
空母の艦載機として作られて、戦争の緒戦で活躍した21型。
(色々賛否はあるものの)大空のサムライ、坂井三郎が乗っていたのもこの21型。
もちろん、52型も展示されています!
こちらは、靖国神社 遊就館の52型。
型に関わらず、零戦てさぁ、小さいんだよね。
そういう時代だった、といえばそうなんだけど、こんな小さなプロペラ飛行機に乗って、長距離の攻撃とか行ってたんだよね。
実物を見ると、零戦そのものの性能もすごいけど、パイロットの方たちがどれだけ優秀だったのか、って思う。
そして、その優秀な人でも死んじゃったのが戦争なんだよな…。
初めて見た!一式戦闘機 隼
零戦は海軍機だけど、それと並んで有名な陸軍の戦闘機「隼」。
名前は知ってたけど、見たのは初めて!
と、思ったら、日本で隼見れるのはここだけだって。
そうよね、零戦だってほとんど残ってないだから。
上昇力や、加速力は零戦を上回っていたとされる隼。
エンジンは零戦と同じ「栄」を乗せているんだけど、零戦は三菱重工製、隼は中島飛行機製。
昔、零戦はホンダ車、隼はトヨタ車、なんて例えている人がいたなぁ。
隼は、零戦に比べて操作がしやすかったらしい。
外見じゃよくわからない。
他にもマニア垂涎の貴重なアイテムがたくさん
ふらっと、窓側に展示してあるものを見たら、「AITI」の文字が目に入って。
AITIって愛知か…?
そういや、愛知の時計屋か何かが飛行機作ってて、「時計屋」が飛行機…?って思ったなぁと思い出して。
よくよく展示を見たら。
お前…彗星か!!
靖国神社 遊就館で復元した彗星を見ていたんだよね。
正しくは、愛知時計電機が製造。
搭載してるエンジンも作ってて「熱田」って名前。
で、今、愛知時計電機って何になってるの…?
と、思ったら。
まだあった!
しかも、愛知県名古屋市熱田区にある。
「熱田」ってそこから来てるの…?
今、展示してある他の飛行機は、この彗星と同じようにボロボロだったものの中から、それでも比較的状態の良いものを大事に持ち帰って復元したんだよね。
そして、その近くには、中島飛行機が開発した、初めての国産エンジンの「寿」が!!
ど、どっから見つけてきたの…?
そして、こちらは唯一!まだ動くエンジン「栄」!
更に更に、こちらも唯一現存する、「陸攻」こと、一式陸上攻撃機。
実はこれも初めて見た。
「赤とんぼ」こと九三式中間練習機。
練習中に海に落ちても見つけやすいように尾翼が朱色に塗られていたことから「赤とんぼ」って呼ばれていたらしいんだけど
…え、海に落ちても、って、落ち…るの…?
おまけ
飛行館だけでは勿体ないので、その他、山梨県富士吉田市を満喫してきました。
とにかくコシが強い!
と、言われている吉田うどん。
初めて食べたけど、ほうとうみたいだった。
小麦粉感強い。
麺が一本ずつしか食べられない。
更に、何かやたらGoogleの評価が高いな… と思って立ち寄った新倉山浅間神社。
長い階段を登ってみて、わかった。
これ、あれじゃん!五重塔と富士山が一緒に撮れて、外国人観光客に人気のとこじゃん!
あと!
これも目的の1つだった、金精軒の水信玄餅(※夏季限定)
めっちゃプルプル。
ただ、これ、寒天。
「餅」ではない。
けど、美味しかった!
最後に、せっかく湖に来たので遊覧船に乗りました。
めっちゃ武田信玄感出してる…
え、信玄に船のイメージないけど…
乗っているのは、ほとんどが外国人観光客の方でした。っていうか、私たちの他に日本人いた?
日本語通じますかー?!
先ほどの浅間神社と同じく、富士山は見えず。
ま、良いんだけどね。
私、山梨の出身で、リビングから富士山を見る生活を18歳までしてたから。せっかく写真撮るなら見えて欲しかったけど(笑)。
と、言うわけで、とにかく貴重なものがたくさん見れた河口湖自動車博物館・飛行館でした。
見に来ている人は、マニアなオジサマが多く、誉のエンジンとか撮りたいのにガレージみたいだから明かりが足りず、写真撮れない!!って四苦八苦していたら「もう少し明るくしてくれればいいのにねぇ」と話しかけてくれる、フランクな雰囲気の場所でした。
(女性で血眼になって飛行機見てるのが珍しかった…? いや、そんなことは…)
実物を見る、ってとても好きなんです。
本で読むのも好きには好きなのですが、想像と違うことも多いし、何よりインパクトがあるので頭に残りやすい。
実物を見て初めて、「あれはこうだったのかな?」「何でこうなってるのかな?」と考えられる事も多くて、それを更に調べることで新しい事を知ったりもするし。
戦時中のものは特に残っていないものが多くて、話で聞いたり、本で読んだりすることしか出来ないことが多いので、こうやって残してくれる人がいて、実際に見ることが出来るというのは、ありがたく、貴重なことだと思います。
1年で1ヶ月しか開いてない博物館ですが、ご興味があったら、是非、来年にでも!
お好きな方には涎も涙も出る博物館でした(笑)!
私もまた来年行って、今度は自動車博物館も見たい!
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