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9月29日の日記

やることを早めに切り上げ、青山の方まで歩いて行った。目当ては青山ブックセンター。ここらへんはあまり来ることがないので、表参道などの洒落たショーウィンドウなどを新鮮な気持ちで見ながら、東京の街の重層性について思いを馳せる。

青山ブックセンターは久しぶりに来たけれども、やはりよかった。店内にかかっている音楽がよく、なんの音楽だろうとshazamで検索しようとしたが、Wi-Fiがなくできなかった。

店内入ってすぐのところにいろんな人がおすすめした本が並んだ本棚があった。

これに限らずおっと思うような棚が発見できるので楽しい。何度も同じところを行き来しつつ、あー、これがここに、とか、あーこんなものが、とか、へーこんなものが、とか、驚いたり感心したり考えたりすることができてよかった。

最近のもっぱらの関心は日常に関することで、それに関連する本が目につきやすいと感じた。『ストーナー』があり購入を検討したが原宿さんの帯があるやつが欲しいな〜と思い、やめた。

とはいえ、久しぶりの本屋ということもありいろいろと本を買ったのだった。

買ったのはこちらの6冊。左から簡単に紹介する。

現代思想『宮﨑駿『君たちはどう生きるか』をどう観たか』

『君たちはどう生きるか』に関する批評等がいろいろと載っている。ユリイカじゃないんだ、という意外さがある。
『君たちはどう生きるか』に関しては、なんというかこの作品のこの描写はこういう意味なんです、とか、誰々の発言の意味はこういうことですよ、とか、ある種の正解に向かう考察をすることがなんとなく忌避されていて、この本に対しても必然、あなたはどう思ったの?という目線で見ることになるだろうと思っている。または、君はこう言っているけどぼくはこう思う、とか、そんな感じ。まあとにかく他の人の感じたことは知りたいので買った。

野矢茂樹『大人のための国語ゼミ』

いや、しかし「大人の」である。私が学生だった時分は「大人の」と銘打ったものに関してはどこか軽薄な感じを受けていて、そんなものじゃなくてガチガチでゴリゴリのやつをやるぜ、という勢いがあったのに、今や大人に屈してしまった。とはいえ、これは別に悪いことではないだろう。
いきなり話が横道に逸れてしまったが、野矢茂樹の『論理トレーニング』は読んだことがあり、『国語ゼミ』もやろうかなと昔から思っていた。そろそろ自分のなかの気持ちとか環境とかが、いい感じに整ってきたのでこの本を手に取った次第である。

ダヴィッド・ル・ブルトン『歩き旅の愉しみ』

歩くことについて、いろいろな本を読みたいなーという気持ちがあり、その一環で買った本。帯には「『歩く愉悦』を多角的に考察」と書いてある。別に歩く愉悦は知ってるけれど、なにか新しいことが発見できれば嬉しい。

J•Dバナール『宇宙・肉体・悪魔』

かなりラディカルな未来予測をしている本。書かれた一世紀近く前だが、現代を言い当てたところがあるらしい。
SFのどこがいいかっていうと、究極の多様性があるところだと思っていて、これは自分に心の安寧をもたらしもする。自分が死んだ後も世界は続くわけで、その世界を想像するのってなんか楽しいぜ、ワクワクするぜ、というような感じ。非日常の入り口として。

神林長平『膚の下』

上述のおすすめ本が並んだ本棚にあった本。人工知能研究者の三宅陽一郎推薦。『戦闘妖精雪風』以来だな〜と思いつつ、楽しみ。

ミシェル・ド・セルトー『日常的実践のポイエティーク』

今回買った本の中で一番内容がよくわかっていない本。日常に感心があること、歩くことについて記載がありそうなことから購入した。なんかこれ違うな……となる可能性が高いと思っている。パラパラ見た感じけっこう体力がいりそうな内容だったので、読み終わるのはいつになるのか全くわからない。

それでいいよね!

(2023/09/29)

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