※ネタバレあり 『ボダ子』を読んで(課題本読書会の前と後)
2023年2月4日、東京で『ボダ子』を課題本とした読書会を行いました。
今回の課題本は2022年11月に行った課題本決定会で投票者11名中6名が1票ずつ投じ、2位に選ばれた作品でした!
▶【東京】2022年11月12日(土) スピンオフ企画レポート“スイーツ会&課題本決定会”
私もお名前を知らない著者の方だったのですが、プレゼンしていただいた方のお話がとても面白そうで「読みたーい!」と一票投じた作品でした。課題本にならなければ手に取る機会はなかったので、今回課題本にできて良かったです。
さて、今回タイトルにもしたように、課題本読書会前と後について書いていきたいと思います。読書会前に私一人で読んで感じたことと、読書会で出たご意見をまとめつつ私が感じたことなども加えて書いてみます。何度かやってみてるんですが、これをやると頭の整理にもなって当日さらに楽しい!ってことが分かったので、出来るときにはやってみようかなと思っております。
ちなみに過去の関連記事はこちらです。
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課題本読書会は実際に参加してみないと面白さって伝わらないかなーとも思うのですが、ひとまずこの記事を「おお、こんな風なのか!」みたいな感じで、前後編お読み頂けましたら幸いです。
では、前置きが長くなってしまいましたが、『ボダ子』に触れていきましょう。
えー、こほん。あ!ネタバレしますので、『ボダ子』をこれから読む予定の方はバックバック!
――――――――――――ここからネタバレ―――――――――――――――――――――――
1.読書会前
読書会中にも使うので、おおきく「ざっくりと感想」「小話」「各登場人物について」「話題にしたいこと」などに分けて書きます。
<ざっくりと感想>
実体験にもとづく衝撃作とあったので、主人公は著者近影のイメージで読んだ。全体的に自分が今まで全く見てなかった視点や考え方で物事が進んでいってハッとなることが多かった。「なんとかなる、なんとかなる」が「なんとかせな」に変わるのがぞわっとした。なんせ救いがない。
<小話>
13 義父に言われたら了解ですと言ってしまいそう
22 息子より娘がかわいい
27 悦子の呪詛想像しただけで怖い
33 自分の好みは何かの投影かもと思った
33 口癖がなんとかなる、はいいな
36 みにつまされる
49まで一気に読んだ。恵子どーしよーってなる
51 御影。近所。他にも馴染みの地名がぎょーさん
56 ゴルフ場の支配人のことなんて考えたこともなかった。賢い人がなるもんやとおもてた
60 被災地を復興バブルという視点で見たことはなかった
80 スナックでの兄弟喧嘩
100 津波避難タワー計画。悦子舞い上がる。前向きに生きることがこうへいの信条。振り返りを見ると色んなことをやっている
103 関西人の特性。
106 アサイもやり手
107 南海トラフ。地震イコール需要という考え方は自分の中になかった
108 運命の悪意。何か良いことがあると悪いこともあったり。なんでこのタイミングでってのはある
121 百万溶かした経験があると忘れられなそう
128 伊部の部屋で飲む。思い出には残りそうだがあまり楽しくなさそう。発泡酒も冷えてないだと
138 娘の妊娠の動揺はわかる
142受精卵が活発に細胞分裂を起こしているのだ
147 金がないとどうもならんことばかり
148 からの学園長理事長とのやりとりは痛快
167 娘への虐待悦子Borderになる原因
175 Q社常務の自殺やりきれない
176 娘がボランティア
183 都合の悪い患者が診断されるは衝撃
185 ボダ子と呼ばれる理由。最初否定的だと思っていたが、そうだったのか。愛称にできるほど周囲は重く感じていないということ。光が差してきた感じ
186 一人暮らしのおじいさんの話。お婆さん屋根裏あがれない。泣ける
188 娘の劇的な変化
189 つい言っちゃうのわかる。こうへいは無責任に優しいんだろうなあ
207 運命の悪意。伊部が消えて余録が入って事務所開設で伊部の女とも接点が作れる
214 泰子を雇う
215 余分な金を持つと女に走る
216 陰湿ないじめは読んでて辛いもんがある
230 ボラ鍋どんな味か想像つかない
236 娘のこれは見てられん
246 こうさかと及川に報いはあるのか。避難タワーもどうなるかわからないし、展開が読めない
268までタワー難航
283 何とかせな。ぞわっとする
292 まさに八方塞がり。香坂との飲み
355 伊部との修羅場500万!やべええ
364 ここまで追い込まれると起死回生の手が浮かばない。小説なんどからなんとかしてほしいと期待していながら読んでいる
365 打ち明けようと思っても怖くて言えないわかる
374 忘年会
384まで専務罰を受ける
400 ボダ子が失踪。真実がわかる
……はい!
というところが、読書会前に私自身が気になってたところでした。的外れなところもあると思いますが、ひとまずメモメモ。詳しい方がいらっしゃれば是非教えて頂きたいなと思っている次第です。では、ここから先は読書会後に感じたこと等を書いていきます。
2.読書会を終えて
以下は箇条書きです。
・あらすじを聞いて面白そうだと思い一票を入れた。
・主人公の性格が合わない。いちいちつっこみながら読んだ。
・仕事一辺倒で家庭を顧みないのはどうなのか。最後ブーメランでかえってくる。
・東北弁が読みづらかった。
・衝撃なのは分かるが、事実かどうかはどっちでも良くて小説として面白ければ良い。話がまとまっておらず中途半端な印象。物語として終わってほしかった。
・六本木のお店でこの本を知った。西村賢太のコーナーに置いてたので似たようなジャンルなのかと思った。
・私小説が好きだが、共通点を見いだせなかった。可愛げがない。プライドをうまくさらけだせなかったのかな。三章で自分らしさが出てきた。もっと思い切ってやっちゃっても良かったのでは。
・タイトルは知っていた。ボダ子との関係を深く書いてほしかった。大西のエピソードがつづられているだけあった。深い何かを期待して読んでしまった。場面的には面白いと思ったシーンもある。
・面白い。
・救いようのない話。見通しがなく嘘をついて逃げる主人公。
・まともな人がいないので共感できなかった。
・知り合いに似た子がいたのでその人たちを思い浮かべながら読んだ。
・社会派小説として読んだら面白い。
・ケンタッキーをむさぼるシーンが強烈。
・おらという人いる?
・ほのぼのとした話かと思った。
・人の嫌な部分を描くのが上手い作家だと思った。
・主人公が病的だと思った。
・被災地の景色を思い出しながら読んだ。
・私小説を読んだことはなかったが、尊敬できる人かどうかで読んだら出来なかった。それはなぜか。お金への執着や人格を見習いたくないと思った。
・全体として娘との接し方愛し方が分からない父の話。
・ボダ子のことが書いてない。
・重いがいまいち入ってこない。
・ウシジマくんの話。
・ボランティアについてが生々しく不快感。
・何とかなるが何とかせなになる。切羽詰まった落ちぶれていく様がリアル。
・全体的にはおじさんから居酒屋で耳元で自慢話を延々とされているような。
・においの描写は印象に残った。
・伊部とのパンツのくだりはかわいげがある。
・189の「大丈夫ですよ」もかわいげがある。
・公的な支援がないのが気になる。→知らなかったのではないか。
・ずっと孤独。
・病院の立場も分かる。
15時になり、読書会は一旦締めてお知らせをしました。その後も少しフリートークして、会場を出てからはスピンオフ企画へ……。
個人的には、文庫版を読んだのですが、単行本の方の装丁のほうが好きでした。内容は上記のような感想をお持ちの方がいらっしゃいましたが、なんせ陽と陰でいえば陰、快、不快でいえば不快の描写が上手い作家さんだなと感じました。社会派小説、あるいはビジネス書として読んでみるとまた違った視点で読むことが出来そうです。
『ボダ子』については以上です!
と、こんな感じで読書会前と後について感想と出たご意見等を書いてみました。
私自身の何か考え方が変わるというよりは(そういうときももちろんありますが)自分一人では気づかなかった点に気づくことが出来たり、一冊の本でここまで喋れるのか!という発見がいつも面白かったりします。読んでみて何も思い浮かばなかったなーとか特に話すことはないかなーと思っていても、色んな人の意見を聞くだけでも楽しいですよ。
ちなみに『ボダ子』を課題本にした時の読書会のレポートはこちらです。
▶《東京》2023年2月4日(土) 推し本披露会&『ボダ子』課題本読書会レポート
以上で終わります。
お付き合いいただき、ありがとうございました!
ここまでお読みいただきありがとうございます。宜しければご支援よろしくお願いいたします!