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フランスとブラジルを繋ぐ新品の苔の生えた橋

仏領ギアナとブラジルの国境はオヤポク川。オヤポケ川とも言う。
最初のはフランス語Oyapock、後のはポルトガル語Oiapoque。

この川をピローグ(Pirogue)と呼ばれる小舟で対岸へ渡る。
所要時間は正味10分くらい。

実はこの川の国境を超えるために橋が架けられた。オヤポク橋と言う。
工事が終わったのは2011年、開通したのは2017年。
なので、私は通ったことがない。

橋が完成した後も、ブラジル側の道路の整備(多分まだ終わってない)や税関の人手不足とかで毎年毎年「今年開通」詐欺があって、遅れに遅れ2017年にやっと開通となった。

ていうか、橋、いる?

普通は橋ができるとみんな便利になるんじゃないかと思うけど、仏領ギアナでは違う。

どっちみち、ブラジルから車では原則的には来れないはず。
というのも、ヨーロッパ基準の自動車保険に入っていないとギアナを運転できないと聞いた。
だから、橋があれば逆にギアナからブラジルは車で行っても問題ない。
でもほとんど車で行く人はいないと思う。

ブラジル側は舗装されていない道なので、雨季は四駆でもスタッドして数時間から数日動けなくなったりもするので、移動が大変。
私もブラジルに行った時はわざわざ乾季を選んだ。

ブラジル側はこんな感じの道(↓)だから、雨季は大変。ちょうどこの映像の時期の次の乾季にこの道を通ってブラジルに行ってきた。
しかもこの道1本しかないので、ここを通る以外ない。

やっと町に到着したと思っても、観光名所というわけでもないのでそこからまた移動しなければいけないのでブラジルを旅行するには自家用車だと不便。

橋、ほんとにいる?

いろんな物流があるから、と思う人もいるかもだけど、基本、ヨーロッパ基準ではないブラジルの商品はほとんど入ってこない。ギアナの労働者を守る、という大義名分もある。
あと、やはり道が悪いので輸送にも時間がかかる。

開通した今もどのくらいの交通量があるんだろう。
2019年の記事を見たけど、やはりピローグ使用のほうが多いみたい。
しかもブラジル側の税関が平日8時から12時、14時から18時しか開いてない。(2019年からどうやら8時から18時までオープンしてるらしい)

シラクがブラジルの大統領と会見した時、ちょっと冗談ぽく「二つの国をつなぐ橋を作ろう」なんて言ったところから建設の話が始まったらしいんだけど、シラク自身ほんとに橋ができるとは思ってなかったんじゃないかな。

私がオヤポケに行った2014年にはすでにちょっと錆びたり苔が生えたりして、まだ誰も通っていないのに古ぼけた感じになってた。
見出しの写真はピローグで国境渡ってる時に撮った写真。

未だに、この橋ができて良かった!と言ってる人に会ったことがない。

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