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敗血症性ショックに対するステロイドはショック離脱を早める

前回2016年のSSCGでは、輸液や昇圧剤によって血行動態が改善した場合にはステロイドの推奨がされていなかったよう。今回のSSCG 2021で以下のように推奨が変わった。

成人の敗血症性ショックの患者において昇圧剤の継続投与が必要なとき、ステロイドの静脈投与を推奨する。(弱い推奨、中等度のエビデンス)(原文は英語)

というのも2018年に出たメタアナリシスにおいて、①ステロイドはショックからの離脱を促進し(平均差 1.52日、95%信頼区間 1.71–1.32)、昇圧剤を必要としない日数を増加させた(平均差 1.5日、95%信頼区間 0.8–3.11日)とのこと。

輸液や昇圧剤を使っても平均血圧が維持できずにダメ押しで投与するのではなく、昇圧剤で血圧が維持できている時に、早期に昇圧剤を終了できるように投与するということ。詳しく見たい方は以下の原著論文をどうぞ。

ただしステロイドを投与しても、短期的・長期的な死亡率を改善させることは示されておらず、あくまでショック離脱を早めるだけと認識する必要がある。また高血糖や高ナトリウム血症といった副作用があるため、糖尿病患者などではリスク・ベネフィットを考慮する必要がある。

いくつかのRCTがあり、患者の組み入れ基準やステロイドの投与方法は統一されていないのも問題として残っているが、SSCG2021ではステロイドの開始基準や投与方法を次のように示している。

ステロイド開始の基準である昇圧剤の継続投与の定義は、「目標とする平均血圧を維持するために、ノルアドレナリンもしくはアドレナリンが 0.25μg/kg/分 以上で、少なくとも4時間以上必要な時」。
ステロイドの典型的な投与方法は「ハイドロコルチゾン 200mg/日(50mgを6時間ごと)」とされている。ただしこの方法が最適かは分かっておらず、多くの臨床研究でこの投与方法が用いられているからというのが理由。

ちなみにステロイドの終了方法は、UpToDateでは以下の通り。

コンセンサスはない。しかし典型的には5-7日間投与し、臨床の反応に合わせて漸減する(昇圧剤の終了に引き続いて早期に漸減する)



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