「缶のミロ」2021/04/09

・当たり前の話
子供の頃、ミロが好きだった。
母の実家に行くと、祖母はよく近所の商店に買い物に連れて行ってくれた。今考えるとただ単に祖母が孫に何か買い与えたくてしていたことだとわかる。別にわざわざ孫のいるときに日用品や食料品の買い物をせんでもいいわけだから。お店は家から見える距離だったし。つまり買い物に行くと祖母は、弟と私に何か好きなものをひとつふたつ買ってくれるのだった。
商店の隣には大塚製薬の自販機が設置されており、子供心にその自販機をレアなものとして捉えていた私は、その自販機に並ぶ飲み物をよくねだった。そして、ラインナップを何周かする頃にははっきりとミロが好きになっていた。
しかしいつからか自販機からミロは消えて、かと言って粉末のミロを家に常備しているわけでもなく(私が好きだったからか小さい頃はそれでも割とあった気がするが、ミロで補わずとも割とデカ目に育ったのを見た親が「もういいか」と思ったのかもしれない)、ミロと私の距離は人並みになった。
成人しても私はミロをあまり飲んでいなかった。何故かと言うと牛乳を常備しないからである。牛乳って買ってまで飲むほど好きじゃない、料理に使うためにと思って買っても余る、賞味期限短い。などなど。
それに、一人暮らしのときだったか、親が何かのついでにミロ粉末を送ってくれたので作って飲んだら、強烈にコレジャナイ感があったのだ。祖母に買ってもらった缶のミロの美味しさと全然違う!! と驚愕し、私が好きだったのは「缶のミロ」だったのだ、と結論づけた。
が、2021年。世はまさかのミロブーム。
各所で見かけるミロのロゴと品薄状態のレア感に私の心は躍った。買った。
しかし牛乳は先述の理由で常備していなかった。一人暮らしをしていたときに、牛乳の代替品として選んだのは豆乳だった。牛乳より味が好みだし、賞味期限が長いのも安心だ(※開封後はなるべく早めにお召し上がりください)。ミロはやはり「缶のミロ」ほどではなかったが、でもじゅうぶんに美味しい。公式通販でいっぱい買った。
一方、夫は牛乳が好きだった。健康のためにもと言って牛乳の配達サービスを利用しはじめた。在庫を見つつ商品の感想をヒアリングしつつ発注するのは私の役目だったが、テキトー采配が災いし、ついに先日賞味期限切れの牛乳が爆誕してしまった。
宅配の在庫がダブついたときにちまちま自分も飲んではいたのだが、飲むのはヨーグルト系のものばかりで、そういえば牛乳は飲んでいなかった。賞味期限が切れた牛乳を旦那に飲ますのも忍びないし、どうせだからこれでミロを作ろう。
ひと口飲んで「これ、缶のミロだ!!」って声が出てしまった。
あの日、狭いワンルームで親の送ってきたミロを溶いたのは、豆乳だった。牛乳で作るミロと味が違うのは当たり前だ。ああ〜牛乳で作ったミロ、缶のミロの味がして美味しい! 缶のミロおいしいよ〜〜〜〜!!!!
これから自分は、牛乳の賞味期限が切れるのを待つようになるのかもしれない。牛乳の賞味期限が切れたときだけってことにしないと、豆乳のミロに戻れなくなるから。豆乳のも好きなんだけど、思い出補正には敵わない。

・アイマスの醍醐味
好きなアイテムを組み合わせて着飾る「着せ替え」も、まさに子供の頃から好きだ。
だからスマホの着せ替えゲームを、もう1年くらい続けてる。

これはシャニマスのまみみを再現しようとして苦心したもの。
まみみ的な、ゴシックとかパンクとかKERA系(←今でもあるのか?)のファッションって全然わかんなくて、こういうゲームで出てきてもどうやって使ったらいいのか困っちゃうんだけど、コーデのテーマを「パンクファッション」じゃなくて「ある日のまみみ」だと想定してみると途端にわかりやすくなる。
アイマスを遊んでると、アイドルというフィルターを通して世界の見え方が変わる瞬間みたいなのがある。あの子だったらこういうとき何て言うのか、何を選ぶのか。
文句を言いながらも結局アイマスから離れられないのは、そういう瞬間のせいだと思う。

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