「行き甲斐のある病院」2022/10/31

医者はとにかく外に出ろと言う。
1日30分太陽の光に当たれば、ちょうどいい時刻に眠気が来るようになっているのだそうだ。それに外に出て疲れれば眠くなると。至って明快な理論である。
ところで、私が今眠れないことには何の根拠もない。今日は朝から窓際で直射日光に当たり、そのあと歯医者とついでに買い物をしてそこそこ消耗したはずなのに、そんでもって先刻睡眠薬を流し込んだのに、何の根拠もない状態にいる。
メンタルの医者にかかっている人たちは、みんなそういう「当たり前」とか「根拠がある」世界から外れてしまって困って病院に駆け込んでいるんじゃないのか? そこで、朝早く起きて日光浴をしたり適度な運動をすればちょうどいい時間に眠くなるなんて、小学生だってわかることを、しっかりしてそうなオトナのお医者さんから聞いたときのがっかり感ったら、ない。
ただでさえ憂鬱のドツボにはまりつつある私にはこう返すのがせいいっぱいだった。
「……この季節は毎年……そうなんですが……全然気力が出ない……ので……ちょっと……無理……だと、思います……」
先生は「そうですかあ、ではお大事にー」と言い、これは診察おしまいの合図だった。診察室内での時間、5分未満。

医者が何を考えているのか私にはよくわからない。
今まで関わった精神科医はみんなこんなだったので、この先生がひどいのではないと思う。だとしたら毎回モヤってる私、日光浴もちょっとした散歩も毎日続けられない私なんだろうけど、さっき言ったじゃん、「当たり前」みたいなところから逸脱しちゃったらもう救いは無いのかよって! ごめんだけどどうにかなりませんかーーーー?!?!

一方今日行った歯医者は達成感があった。
定期検診なんて必要か? と思っていたが、数か月ごとにプロが手入れと評価をしてくれるのってイイ。もっと歯を大切にしようと、歯ブラシを握る手にも力がこもるやね。
数か月後の検診の予約を笑顔で入れた。

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