「Zoomと自分」2021/05/17
・Zoomの居場所
オモコロの人達がよく公開しているオンライン飲み会を見るために必要だってんで、初めてZoomアプリをインストールした。
誰ともオンライン飲み会をしたことの無い悲しきモンスターだから、自分にとってZoomはオンライン会議用のものではなくyoutubeとかニコニコ動画に近い。
にもかかわらず、健全な現代人クエストのノーマルミッションを1つクリアしたような気持ちになっていたのだが、今はむしろ「オンライン飲み会は廃れた」という風潮らしいのだ。
飲み会って実際は、出席者全員で盛り上がるような場面より近くに座った2-3人ごとに別の話をしてたりする。でもZoomではそれが出来なくて、全員が並列で1つの話題に取り組むことになる。それが違和感だったり、重かったりするらしい。従来の飲み会の完全な代替手段にはなり得ないと判断されたのね。
(確かに、私と違ってオンライン飲み会をたまにやっている夫も「ずっと誰かが喋るのを聞いていた」と言ってた。場に加わる人数が多いほど自分のターンは回ってきづらくなるし、結果的に多弁な人はより多弁に、寡黙な人はより寡黙になりそう)
せ、せっかくミッションクリアで実績解除でトロフィー貰えると思ってたのに……。他のプレイヤーはミッションクリアで開放されるクエストをプレイして、こりゃゴミコンテンツだわ乙、というとこまで行ってたなんて。
そんな私がオンライン飲み会について想像するなんておこがましさの極致なんだけど、オンライン飲み会を従来のそれと同じような気楽さにするには「同時鑑賞」くらいがいいのかもなーと想像した。映画とかテレビとかみんなで同じタイミングで見ながらわちゃわちゃ言うやつ。同時性と共感を味わえるし、それでいて主役は映像だから集団の中の自分の立場を意識せずにいられる。
何て言うのかな、「中座しやすい」かつ「中座して戻ってきたとき話の輪に入りやすい」のがいいのかなって。
なお、言うまでもなくZoom自体は、なかなか会う機会の作れない仲間と集まったり、同窓会だったりに使う分にはやっぱり良いようだ。多少場の雰囲気が異なるとしても、今までライフサイクルの影響で疎遠になりがちだった友人の顔が定期的に見れて絆を繋げることや、それが自宅でできる気軽さの方が勝るってことか。
新しく出てきたものが、取捨選択を経てすわりの良い居場所を見つけたみたいで面白い。その過程に私はいないけどさ!
・アリクロの主人公
ゲームの主人公はあなた、という風潮は古くからあり、ソシャゲにおいてもそれは続いている。主人公は最低限しか喋らず、その内容もプレイヤーが選択肢から選んだものだったりする。でも「最低限」だからこそファンはそこに個性を見出しがちだ。
アリクロの主人公もご多分にもれず、最低限の発言から個性が不均等ににじみ出ている。多分言葉遣い的に女性だと思うんだけど、年齢はわからん。ティーンなのか、オトナなのか。
メタ的な見方をすると、キャラデザに関わった種村有菜ファンをメインターゲット層に据えているように見えるので、20代後半くらい?
他に、数少ない発言でわかることは、頭がぱっぱらぱーなこと。でも作中に登場するキャラはみんな頭がまあまあおかしいので、シナリオ担当者が意図的にバカを作ったわけではないように感ぜられる。
でもこの主人公、一人称が「自分」なんだよなあ。
書き言葉として一人称が「自分」になることはあるけど、話し言葉で、友人と会話している場面での「自分」はなかなかいないぞ。高倉健だって友達と話すときまで「自分は……」とは言わんだろ。
テキストを読んでいるとき、煙みたいにゆらゆらふわふわして掴めるような掴めないような主人公の姿が「自分」って言った瞬間だけ、ストイックで渋い壮年の男性の姿になるのが面白くて、彼女(仮)が一人称を発するタイミングを楽しみにしている。
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