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今日からあなたの名前は無量空処

あれなんて言うんですかね。
海外で起きたびっくりニュースが載ってるHPなのかな。少なくともそういうニュースを紹介するHPによく見られるようなwebアドレス・デザインを使用して作られている。
だけどその手のHPとは、少なくとも一点において全く違う。それは「ニュースについての文章が異常に長く、何ページにも渡って書かれている」ということ。文章を長くするために文章は冗長アンド冗長の極み。1ページ読んでも得られる情報はほぼニュースの核に関係の無いことなのはザラだ。
わかりやすくするため例を上げたい。

バイクにひかれた赤ちゃんゾウ、非番の救急隊員が救助 タイロイターニュース
[バンコク 21日 ロイター] - タイ東部のチャンタブリ県で20日、バイクにひかれた赤ちゃんゾウを、非番の救急隊員が救助したことが話題となっている。

この救急隊員は、26年の経験を持つマナ・スリベートさん。赤ちゃんゾウは群れで道路を横断している途中、バイクに追突された。

21日にソーシャルメディアに公開された動画では、呼び出しを受けたマナさんが、横たわった赤ちゃんゾウに心臓マッサージを施す様子が写っている。数メートル離れたところでは、マナさんの同僚らが負傷したバイクの運転手の救護に当たっていた。

バイクの運転手もゾウも回復しつつあり、重傷ではなかったという。

マナさんは電話でロイターに対し、「反射的に救命行動に出たが、母ゾウや仲間のゾウが赤ちゃんを呼ぶ声が聞こえていたので、最後まで気が気ではなかった」と語った。手当て後、赤ちゃんゾウが動き始めた時には涙が出そうだったという。

赤ちゃんゾウは10分ほどすると立ち上がり、治療のため別の場所に移送された。事故のあった場所に戻されると、すぐに母ゾウらと合流した。

マナさんはこれまで多くの交通事故現場で救命活動に当たってきたが、心肺蘇生術を施して生還したのはこのゾウが初めてだったという。


ロイターの中にあるほっこりニュースは、当然ながら簡潔だ。これを例の、忌々しいHP群にありがちなニュースに変えてみよう。(当然ロイターのニュースに明記されている以外のすべての事柄は私がテキトーに考えた嘘である。)

(p1)
彼女とのデートに出かけた男性が巻き込まれた信じられないアクシデント
マナという男性が、出かけた先で信じられないアクシデントに巻き込まれました。
マナはその日仕事が休みでした。彼女のメグとデートの約束をしており、その集合場所に向かう途中、信じられない出来事が起こったのです。
(p2)
マナとメグが付き合いだしたのは、学生時代でした。2人はテニスサークルの先輩後輩でした。明るいメグの性格にマナが惹かれ、マナから告白したのです。
(p3)
メグの両親は、マナとの交際は咎めていません。ただ1つ、結婚はメグが大学を卒業するまで待つことという約束を2人としています。マナも概ね賛成のようです。
(p4)
2人がその日待ち合わせ場所に決めたのは、現場の隣にあるジョージ公園でした。ジョージ公園は1972年に、近隣の小学校校長であったジョージ・スミスの寄付により建てられた公園です。
(p5)
その日の朝10時ごろ。ジョージ公園のベンチでメグを待っていたマナの耳に、バイクの急ブレーキ音と、ドンという音が飛び込んできました。マナはベンチを立ち上がり音のした方に向かいました。
(p6)
マナが見たのは、フロントがひしゃげた1台のバイクとその持ち主でした。このバイクは日本のYOKOHAMAというメーカーが作ったバイクで、丈夫さには定評のある製品でした。それがひしゃげてしまうなんて、バイクは何に追突したのでしょう。
(p7)
バイクの近くには、なんと象も倒れていました。横たわった体の下から血がじわじわと広がっていました。さまざまな状況が、道路にいた象にバイクが追突したことを示していました。
(p8)
ところで象が道路にいるというシチュエーションは、決してタイでは珍しいことではありません。事故が起きたチャンタブリ県のあたりには、野生の象が生息しています。特にまだ赤ちゃんの象は、家族とはぐれてしまい、家族を探しているうちに人里に出てしまい保護されることが月に1回程度の頻度で起きています。
(p9)
「血を流して倒れている象を見たときどう思いましたか」というインタビューに対し、マナはこう答えています。「ヒトの生活領域に迷い込んでしまう象は何回か見たことがあったが、事故にあったのを見たのははじめてだった」
(p10)
マナはまずバイクの持ち主に近づきました。左足が骨折している他は、全身すり傷程度で、意識もあり会話もできました。マナは公園の中に落ちた丈夫そうな枝を添え木にし、自らのシャツを破って手際よく折れた足を固定しました。
マナはプロの救急隊員だったのです。非番でしたが行動は「反射的だった」と後のインタビューで話しています。
(p11)
マナはバイカーの手当がひと段落すると、今度はなんと、象に近寄っていきました。脈をとるなどいくつかの検査を素早く行い、心臓マッサージを始めました。
(p12)
チャンタブリ動物園の獣医は「獣医師以外が象の救命をするのはかなり難しい」と語ります。「成功させるには優秀な観察眼が必要」と。そして少なくともマナには、獣医師の免許も象の救命経験もありませんでした。
(p13)
マナより遅れて公園に着いたメグも、隣の道路で騒ぎがおきてること、また、そこに恋人がいることに気づきます。メグがマナに駆け寄ると、象の彼は救命処置を行いながらメグに頼みました。「バイク運転手のために救急車を呼んでやってほしい」と。メグは象のぐったりした顔を見ながらスマホで救急車と、近くの動物園に電話をかけました。
(p14)
象の手当の間、マナは象の気配を絶えず感じていたようです。「反射的に救命行動に出たが、母ゾウや仲間のゾウが赤ちゃんを呼ぶ声が聞こえていたので、最後まで気が気ではなかった」
(p15)
象はとても仲間想いの動物だと言われています。群れの仲間が怪我や病気で動けないとき、まるで励ますように皆で囲んで鳴き声を上げます。案外マナへの威嚇ではなく、怪我をした小象を励ましていたのかも……?
(p16)
マナの救命処置が功を奏し、赤ちゃん象は10分程で立ち上がることができるようになりました。メグの要請でやってきた近隣動物園の獣医師と象の飼育員は、赤ちゃん象の治療を進めるため別の場所に移送されました。

…………もう疲れたからやめますね!!!

中身の無いスカスカ短文が20ページくらい続いて、実は内容もとりたてて書くほどのものでなかったりする、このタイプの記事、ムカつくよね〜。普段温厚な夫が最後まで付き合ったらしくブチ切れていた。(2020年怒りおさめはコレに決定したも同然)
NAVERまとめ亡き後、「○○って誰? 結婚は? 相手は? 炎上騒動があったって本当?」系HPと並ぶツートップになった感がある。
……んだけど、これを人に説明するのってすごく難しい。「NAVERまとめ」とか「追っかけてくるバナー広告」みたいにサクッと表せる言葉を、少なくとも私は知らない。
…………んだけど! やっと今日しっくりくる名前が思いついたのでここにメモっておく。何ならみんな使ってほしいやね。
それは、

「無量空処」

これだわ。
なんか相手に無限を味わわせる能力なんだよね。やられた相手は結末にたどり着けなくなる的な。アキレスと亀とか、ゴールド・エクスペリエンスレクイエムみたいな感じ?
とね、

「無量空処」
五条悟の領域展開で、領域内に引き込んだ相手に無限回の知覚と伝達を強制する。

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/呪術廻戦

wikiにも書いてあるんだけど、正直よくわからん。
でもこの終わらないテキストを読んでたら「あ、これこそ五条先生の……じゃん(downloaded)」ってわかったわ。なるほどこりゃつれぇわ。

これであれ系HPについて話したいとき「この前無量空処くらったわ、やっぱクソだわ」で済むから便利だね〜。

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