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「9月入学制度をどう考えるか」①私はこう考える

総合大学で教育心理学と教育相談の授業を担当しています。
休校が長引く中、急浮上してきた「9月入学制度」ですが、授業後に書いてもらっている学生のリアクションペーパーにも次のような記述がありました。「今話題となっている9月入学制度の教育に及ぼすメリット、デメリットについて知りたいと思いました。」この回の授業内容が「教育における発達理解の意義」だったのでの関連付けて書いてきたものと思われます。これを読んで、学生自身の考えを聞いてみたいな〜と思い、次回の授業(5・9)のグループセッションのテーマとすることに決めました。まず、私自身はどう考えているのか?  自分自身が「自分の頭」で考えて、整理しておかねばなりません。この1週間、モヤモヤしていたことをココに書いてみることにしました。

この1週間、さまざまな意見を読みまくった

先週1週間は「9月入学制度をどう考えるか」をめぐって、それこそ洪水のように、各方面から記事が押し寄せてきた。仕事の打ち合わせをお願いしてあった、ある大学の先生は「9月入学制度についての取材が殺到して、オンライン授業の準備ができない」と嘆いていらした。高校生自身が「9月を新学期に」と訴える動きもあった。大学(非常勤)と高校(心理職・再雇用)、二足のわらじを履いている私には、「楽しみにしていた学校生活を取り戻したい」という高校生たちの訴えは胸に迫る。

泥縄はやめてもらいたい

「9月入学制度」について、私の意見は「泥縄はやめてもらいたい」このひと言に尽きる。授業をもっている大学も、勤務している高校も、共同研究をさせていただいている付属校も、そして、日本中のどの教育現場も、とにかく目の前にいる子どもたち、生徒たち、学生たちをなんとかしなくては…と必死で頑張っている。「足りないもの」だらけだ。ICTの整備も、3密にならない条件整備も、先生の数も… 日本中に無理している先生がいっぱいいると思う。先生だけでなく、子どもたちに関わるいろんな仕事の方たちがいっぱい無理をして頑張っている。かく言う私も、オンライン授業の準備に膨大な時間を費やしていて、1日のほとんどの時間をパソコンの前で過ごしている。こんな事態でも、少しでも”良質な学び”を学生に提供したいと思うからだ。                                確かに「9月入学制度」について検討する必要性はあるのだろう。    でも”今”じゃない!「9月入学制度の検討」を言う前に、「足りないもの」を補うために、お金と人の手当てをしていただきたいと切に思う。

まとめとして

「特に学ばせていただいた記事」から、言葉を拾わせていただくかたちで、まとめていきたい。                         「教育現場の負担もそうですが、日本の雇用やイベントなどの社会経済活動に広汎な影響が及びます。」(末冨さん)              「今年の学習の遅れをどう取り戻すか、受験生をどう救済するかということと、日本の学校制度を9月始まりにするということは分けて考えたほうがいい。」(おおたさん)                        「休校中でも、子どもたちの学びをオンライン、オフライン問わず支援していくことに時間と予算を割くべきかと。また、入試で休校中の子が不利にならないようにしていく措置や指導要領の弾力化など、他の政策手段のほうがあまり社会的なダメージなく実施できると思います。」(妹尾さん)  「9月になれば、コロナウィルスとの闘いが終わるわけではない。」「京都大学の山中教授がおっしゃるように、それは短距離走ではなく、長距離走です。」「ここ数年は、何がおこっても、「学びをとめない方法」を考えていくことに注力するべきだと思います。」(中原さん)

特に学ばせていただいた記事

いつも学ばせていただいている末冨 芳さん(大学教授)おおたとしまささん(育児 教育ジャーナリスト)妹尾 昌俊さん(教育研究家、学校・行政向けアドバイザー)が揃い踏み                                                                                メリット・デメリット、推進派・慎重派双方の意見を”冷静に”整理してくださった広田照幸さん(大学教授)                                                                ☆いつも”熱い”中原 淳さん(大学教授)中原先生のHPやブログのおかげで「双方向型オンライン授業」をなんとかやれています!

最後に

中原  淳さんの言葉をお借りして…                   「わたしたちは、地に足をつけたことを、ひとつひとつやっていきましょ う。そして、それは、ただちに、今からです。  そして人生はつづく」

はい! 心して、そうしていきたいと思います。                                              そして、今日も1日、全ての人が無事でありますように…

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