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ドーナツの穴の話

先日、わたしの誕生日パーティーを
開いてもらった。
何か望みはあるかと聞かれたので
山盛りのドーナツが食べたいとお願いしたところ
なんとも素敵なドーナツタワーを
作ってもらった。
子供の頃からの夢だった
両手にドーナツを持って交互に食べるという
小さいけれど幸せな夢が叶った。

ドーナツは、いい。
特に穴があるところ。
わたしはドーナツを食べる前、
とりあえず穴を覗くことにしている。
もしかすると何かが見えるかもしれないから。
例えば宇宙の果てだとか。
未来の自分だとか。
将来結婚する相手だとか。
今のところ、いつでも穴の向こうは
穴の向こうのまま。
それでもいつか、何かが見えるかも。
ドーナツの穴には夢が詰まっている。

それになんといってもドーナツの
いいところは「穴があいている」という
その不完全さにある。
完璧ではないようで、それが完璧な姿なのだ。
ミロのヴィーナスが腕なしでも
完璧な姿であるように。

みんな、ドーナツのようにならなければ。
自分の不完全さを恥じたり、
完璧を求めて苛立ったりしないで。

きっと今のあなたが
不完全でも、完璧な姿なの。

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