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青天を雲を陽を祝ぐ小春哉

2022/11/9(水)NHK文化センター 俳句講座に投句した四句の中の一句。受講生から2点いただきましたが、岸本先生からは選無しでした。
【学びポイント】
言葉の響きを大事に詠む。
【解説】
この回の兼題「小春」で詠んだ一句に、先生からは「よくわかる内容」であるという評価をいただきました。ただ、最初の「青天(せいてん)」は音読みで、硬い感じがする、とのこと。後ろに続く「雲(くも)」「陽(ひ)」「小春(こはる)」などの訓読みの言葉の響きに対して、硬い、ということです。
また、「祝(ほ)ぐ」という動詞が気になる、ということと、「哉」の古めかしい表記も、必要か?という疑問が呈されました。
添削例は
 青空と雲と陽とある小春かな
太陽の光を「陽」と表記するのは、富安風生の言によれば「バタ臭い」のだそうです。岸本先生の好みでは「日」と書きたい、とおっしゃいました。
 青空と雲と日とある小春かな
最終的に上記のような添削例に落ち着きました。
【作者としての想い】
青天と青空、語の意味は同じでも、句全体を通して読むと、ここでは青空の方がしっくりくるのか・・・・と思いました。自身の作句の癖として、漢語を多用するところがあるので、今回の先生のご指摘は非常に考えさせられました。
それは「哉」の表記についても同様です。「青天」と「哉」で統一感を出したつもりでいたので、最初を「青空」と直されたら、当然着地はひらがなの「かな」となるのが自然です。
「陽」「日」の表記については、好みの問題かと思いました。
動詞「祝ぐ」に関しては、美しい冬の青空・雲・陽射し、それらすべてを心から慈しみ、喜び、嬉しく思う気持ちをこの動詞に託したのですが、伝わらなかったようです。仰々しい感じに受け取られたということでしょう。
先生に添削いただいた結果を見ると、全然普通の句、取り立てて言うほどのことでもないなぁと、正直思いました。季語「小春」でなくてはならない、しっかりとした写生句をこの冬詠めるように、ここからチャレンジです。

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