部活動問題をめぐる茨城新聞社の報道姿勢について

 茨城県教委が高校部活動に対する制限を緩和する条件として、教員の同意が必須条件であることについてはすでに別の記事で指摘しました。この件に関連して、茨城新聞社に対し意見及び要望を伝えました。(一部抜粋)

 当組合として茨城県教委に問い合わせたところ、生徒・保護者だけではなく、指導者の同意もまた必須条件とのことでした。日本教育新聞・NHK・茨城放送など、そのことを報じている社もあります。ところが御社の記事の中にはそのことへの言及はありませんでした。
 御社の記事を読む限り、生徒・保護者さえ同意すれば、指導者の同意がなくても例外措置が認められると解釈できます。しかしそれは事実に反します。
 解釈の幅が全く生じないような記事を書くことは、限られた紙面の中で、相当困難なことだと思います。伝えることと省くことが生まれるのはやむをえないことです。しかし、落としてはならないポイントも存在します。私たちは、教員の同意が必要か否かという点は、落としてはならないポイントにあたると考えています。
 御社の報道姿勢を継続的に観察しているわけではありませんので、あくまでこの記事だけから判断した結果ですが、部活動問題に対する御社の報道姿勢には、教員も重要な関係者であるという視点が弱いように思います。
 生徒・保護者がどれほど部活動の必要性を強調しようと、教員が顧問を引き受けなければ部活動は成立しません。勤務時間外に及ぶ部活動指導を合法的に命じることは、現在の法体系の下では不可能です。それでも部活動が成立しているのは、教員が「善意」で部活動指導を引き受けているからにほかなりません。「指導者の同意」という情報を報じないことは、そうした教員の「献身的な努力」に対する配慮や留意が足りないと言わざるを得ません。
 部活動問題をめぐる報道において、今後、教員側の視点にも立った報道を行うよう要望いたします。

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