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底力

こんにちは。

今日はとある時感じた自分の底力について。
こんな力が自分の体内に秘められていたなんて!と
驚いたとある思い出話です。

それは子供達が5歳と3歳ごろのことだったと思います。
買い物から戻り、屋外の駐車場から2階にある玄関に向かって
階段を登る時でした。

当時、次男は鼻から24時間酸素吸引を必要としていました。
家の中では医療用酸素濃縮装置から酸素を吸引していましたが、
外出時には携帯用酸素ボンベから吸引していました。
その携帯酸素ボンベの大きさ(必要量)は
治療に必要な酸素量と呼吸数によって変わり、
その時は比較的小さな携帯用ボンベサイズになっていましたが、
それでも2〜3kgの重さがありました。
自分で階段を登れる位自立歩行も進んではいましたが、
とはいえ自分で歩いて登るには段数の多い階段(30段位)でした。
不安定な歩行で落ちたら危ないので
まだ階段の登り降りは抱っこをしていました。

その日はスーパーの買い物から戻り、比較的大きな荷物の多い日でした。
袋入りのにんじんやじゃがいもやりんご、Gallon サイズの牛乳やらと、
結構重い荷物になってしまいました。
その日は平日で私と子供二人と出かけた為、
荷物は私が家に運び入れる必要がありました。
とはいえ、長男は5歳、自分で階段の登り降りもできるので、
持てない重さではないなと思い階段に向かって歩き始めました。

さて、階段を登り始めようとしたその時、
急に長男が言いました

「僕も抱っこ」と。

え!?

焦りました。

階段約30段です。

次男は当時:14-15kg
酸素ボンベ:2-3kg
買い物の荷物:3-4kg

合計軽くみても約20kg

そして長男は約20kg

合わせて40kg

結構な重さです。戸惑いました。焦りました。

一方で子供は自分の気持ちに正直です。

目の前で弟は抱っこされている。
僕も抱っこ。

当時5歳だったので普段は抱っことは言わないのに
何故かその時は急に抱っこの要請を。
その状態だからこそだったのか?抱っこと。

理由は忘れましたが何か急ぐ用事があったのだと思います。
長男に自分で登ることを説得する気力がその時になかったのか、
よし、全部抱えて登ろう、一瞬だ。と思いました。
そして何故か安全に登れる確信があったのです。

左手に次男を抱え、
背中に酸素ボンベを背負い、
右肩に荷物のバッグをかけ、
右に長男を抱え、
合わせて40kgを持ちながら
約30段の階段を登り上がりました。

何故か重さを重いと感じない不思議な一瞬でした。
サクサク登れた一瞬でした。

日常的に背中に背負っていた携帯酸素ボンベのお陰か、
予期せず自然と随分と背筋が鍛えられていたようで、
予想より軽く感じられたのは幸いでした。

当時、次男は軽く走り始めていたので、
運動の為にも近くの公園によく遊びに行っていました。
その際は背中に携帯酸素ボンベを背負って
次男の後を追っていたですが、私は比較的背が高いので、
尚更まだ背の低い次男の後を追うのはなかなかの至難の業。
元気に動く次男の後を頭をくらくらさせながら追いかけていました。
次男を抱っこすることも多いし背中は常に痛く、
子育てってほんと体力勝負だわ〜と思っていましたが、
背中の痛みの原因は抱っこからでなく、
携帯酸素ボンベにより背筋が鍛えられている際の
筋肉痛から来ていたとは。
とある時、シャワー後にふと鏡越しに
自分の背中を見てびっくり。

今まで見たことのない、見覚えのない、、、
もしやこれは背筋というもの?と。

その後、ありがたいことに次男の体調も改善し
酸素吸引治療が終了となり、それと共に私の背筋は
跡形もなく消えてしまいましたが、
重い荷物を持つ時にふと思い出すあの一瞬の底力。
あの一瞬の「全部抱えて登れる」と自分の力を信じた確信が
どこから来たものなのか、今振り返っても不思議です。

最後まで読んでくださりありがとうございました😊

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