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旧東海道歩き85 大井川と田代ダムの話など

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とうとう、越すに越されぬ大井川を渡ります。
その大井川橋

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昭和3年に架設された鋼製のトラス橋
橋長は1026.4m
やだよー、、渡るの怖いよー。。。

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そして、大井川
一級河川で、南アルプス南部の間ノ岳が源流

古くは駿河国と遠江国の境界線とされていた、と。
そして、今は水量が少ないけれども、古くは、水量も多く、加えてフォッサマグナの崩落地帯が上流にあるため土砂流出量も多かった、と。
そして、水力発電もバリバリされてる。
いくつか、ダムを見ていくと

1928年完成 小山発電所(日英水電)→現在は廃止され撤去

田代ダム(日英水電から紆余曲折あって、東京電力リニューアブルパワー 東京電力グループ 他の大井川水系のダムは中部電力が管理)
で、やはりここも問題を抱えてる。

Wikiと記事を読んだ限りで時系列をまとめると
・1928年に田代ダム完成(この経営母体が日英水電気→早川電力→東京電燈→東京電力、と、どんどん吸収・合併された)
・完成当時の1924年には毎秒2.92トン
・1955年に東京電力は静岡県に対して毎秒4.99トンの取水量増量を申請して許可される
・下流の自治体は聞かされていなかった
・1961年の塩郷ダム完成によってダム下流約20km区間が完全に川枯れ
・1975年の「水返せ運動」で、東京電力・中部電力に河川維持放流を求めるが拒否される
・1987年に住民決起大会やダム直下流での座り込みなどを行った結果、中部電力は毎秒3トン~5トンの放流を行うことを発表したが、東京電力は求めに応じなかった
・2005年に、東京電力も世論の高まりを受けて、季節ごとに一定の放流を行う
・しかし、今も、リニア建設とセットで田代ダムの問題が語られてるってことは、多分、そんなに大井川に放流できてない。
そして、川の水を維持できないと、生物たちの環境も守れないから、ヤマトイワナが絶滅しそうになっている、など。
・・・なるほど、、高いところにある水は、もうそれ自身が高さエネルギーを持っているから、奪い合いになるのね。。。
そして、改善要求を出して、先に応じてくれるのはやっぱり、地元の企業だよね。。東京電力、ひどいよなぁ。。

1935年完成 千頭ダム(富士電力→日本発送電→中部電力)

大井川水系は糸魚川静岡構造線(糸静線)に沿って流れており、このため上流部の山地では崩壊が激しく、大量の土砂を生産する

で、このダム、上流からの土砂に埋もれちゃって、貯水容量がほぼほぼ無い、と。
2002年に堆砂率が98.1%で、日本一砂が埋まっちゃったダムだと。
ただ、発電目的のダムだから、特に問題は無いんだけど(周りが洪水になるとか)
・ここで土砂を止めちゃうから河口まで届かずに大井川河口の浸食が進んでる
・ダム上流での河床上昇
・生態系への影響

1957年完成 井川ダム

色々で書ききれない…
まず、こちら、ダムを作るうえで、井川村が水没して、それに対して、中部電力と静岡県に求めた条件が、以下3つ。

1. 長年に亘って交通の障壁となっている大日道路を、ダム完成までに隧道(トンネル)化して交通の簡便性を図ること。
2. 村づくりを良くし、文化水準を高めること。
3. 納得の行く個人補償を完遂し、現在を上回る民生の安定を図ること。

そしてこれが、今後のダムの補償のモデルになったとのこと。
それと、大井川鐡道井川線が千頭から井川駅(当時は堂平駅)が、ダム建設の為に開通されて、現在、経営は大井川鐡道に譲られてるけど、施設の管理は中部電力がやっていて、毎年3億ほどの赤字は中部電力が負担している、と。
いわゆる、秘境駅だらけ。

そして、井川駅の近くに、井川展示館もある。

https://www.chuden.co.jp/kids/pr/ikawa-pr/

…ずいぶん、旧東海道から脱線しましたが、、ダム、ここまで問題だらけだって、今回調べるまで知らなかったよ。。。
純粋に、クリーンなエネルギーのイメージだった。

あと、豆知識、なのかなぁ。
昔、ダムって、いわゆる、水が溜まってるそれをダムだと思ってたんだけど、そうではなくて、水を貯めるための構造物、だから、あの、コンクリートなりで作られてるものをダム、って呼ぶ、っていうのを大人になってから知ったのだった。


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