見出し画像

11.無痛分娩コンサルって何?

 TwitterなどのSNSで盛り上がっている無痛分娩ネタを、専門家の入駒慎吾が解説していくシリーズです。今回は私自身の“つぶやき”へのリプライから、無痛分娩コンサルティングというお仕事を一度ちゃんとした形で説明した方がいいと考えまとめてみました。

入駒慎吾のご紹介

 私、入駒慎吾は、産婦人科と麻酔科のダブル専門医です。産婦人科医としてのキャリアは約8年間で、大学病院、総合周産期センター、NICU、離島医療とほぼフルコースで経験させていただきました。今は、このダブル専門医にMBA(経営学修士)を掛け合わせて、一般社団法人日本無痛分娩研究機構の代表理事とともに、株式会社LA Solutions(ヘルスケア企業)の代表取締役CEOをしています。

プレゼン資料_5ミニッツTALK_2

これが、すべての始まり!

 2017年4月に、ショッキングな医療事故報道(すべて過去のもの)が相次ぎました。産婦人科クリニックで起こった麻酔トラブルでした。日本の無痛分娩の安全性が問い直された出来事でした。これが、私の人生の分岐点となりました。

プレゼン資料_5ミニッツTALK_3

この社会課題の分析

 医療構造と麻酔担当医の2つが問題となります。

 先ず、医療構造から分析していきましょう。下図のように、日本はアメリカと比較して分娩施設が集約化していません。これは、「良し・悪し」や「進んでる・遅れてる」の話ではなく、あくまで特徴の話です。この医療構造の違いから、日本では各分娩施設に産科麻酔科医を常駐させることはできません。

プレゼン資料_5ミニッツTALK_4

 次に、「誰が無痛分娩の麻酔を管理しているか?」、つまり麻酔担当医の分析です。実際、麻酔科医が無痛分娩を管理している割合は、総合病院でも47%、診療所に至っては9.1%でした。この現状を認識する必要があります。

プレゼン資料_5ミニッツTALK_5

自分に何かできないか?

 私は考えました。分娩施設の集約化が早急には望めないでしょうし、産科麻酔科医の育成も時間がかかるでしょう。しかし、現場で24時間365日夜中も頑張っている産婦人科の先生たちがいらっしゃいます。この方々を本気で支えなければ、日本の無痛分娩は崩壊すると思ったのです。壇上から偉そうにしゃべるだけでは、人の行動は変わらりません。可能な限り現地に赴き、感情に訴えて、論理で説得しなければ、無理だと確信したんです。私は病院を辞めて、この社会課題に取り組むことにしました。

 このような経緯で、現場に赴き指導やサポートを行う無痛分娩コンサルティング業を始めました。これまで存在しなかった世界初の業態です。

プレゼン資料_5ミニッツTALK

LA Solutionsの使命

 LA Solutionsは、設立時から企業理念を明確に打ち出しました。

「無痛分娩に関わる全ての人の満足と安全に貢献する」

 これは、患者さんやご家族だけでなく、医療従事者やヘルスケア企業、さらに社会までもハッピーにできないかと夢のある理念になっています。

プレゼン資料_5ミニッツTALK_7

どんなサービスを提供しているのか?

 LA Solutionsでは、無痛分娩の全症例振り返り研究指導各種レクチャー24時間電話相談など、無痛分娩に関する様々なサービスを展開しています。

プレゼン資料_5ミニッツTALK_8

コア事業は?

 LA Solutionsのコア事業となるのは、無痛分娩記録を用いた全症例の振り返りです。この振り返りを徹底することで、安全で質の高い無痛分娩のノウハウを浸透させることができます。

プレゼン資料_5ミニッツTALK

 いかがだったでしょうか?少しだけ、無痛分娩コンサルティングという仕事に関してご理解いただけたのではないでしょうか?

 次回は、このLA Solutionsの課題について解説します。驚きの展開になると思いますよ。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?