「変わる事のない未来の撮影の約束」

5月14日ー24日に東京造形大学内のCSギャラリーにて園田翔悟を追悼する展示が行われた。
生前本人と関わりのあった30人の学生と作家さんがそれぞれの彼に対しての思いを自分の作品で表現した展示。追悼の展示なのにとても居心地の良い空間だった。
皆の愛が集まる場所。しょうごくんの魅力が成し得たものだと感じた。
入江家の長女としょうごくんは、同じ助産院で同時期に生まれた。
その頃からの付き合いで家族写真を何度か撮らせていただいてきた。毎回、驚かされる以来だった。
1度目は、しょうごくんの兄ゆうせいくん5歳の運動会をゆうせいくんだけを追って撮影した。運動会中、しょうごくんは、ベビーカーですやすや眠っていた。
2度目は、15年ぶりのゆうせいくんの成人式の撮影。コロナ禍で、制限のある中、家から会場まで2人で電車で向かう。その途中、どんどん友人が増えていきその都度、友人にさらったカメラマン同行を紹介。ゆうせいくんは、「自分は、入江さんを紹介するのはうまく出来るタイプだけど、しょうごはどうするのかな?」と話していた。僕もしょうごくんの成人式の撮影がどうなるのかなと楽しみにしていた。
3度目は、愛車のお別れ前に撮影。これもなかなか無い依頼で楽しかった。家族との集合写真では、もちろんしょうごくんも入って撮影していたけれど、次の成人式で撮影するという約束があったからなんとなく、一人きりのポートレイトは次に撮るかないいかなと思っていたのなと思う。

園田家は、家族で、sonarとして革バッグなどで一緒にグループ展「おうち、」などに参加してもらうなど交流は続く中、しょうごくんは、次回は参加するかなという時期だった。高校では、サッカーに打ち込み、東京造形大学に入学後、しょうごくんの創作の花が咲き、周りに人がどんどん集まってきたと聞いた。高校時代から、革バッグの裁断などはセンスがあり、携わっていたとのこと。うちにもしょうごくんが裁断した革のバッグがある。
しょうごくん高校3年の5月に、しょうごくんが所属するサッカー部の集団が、ランニングの合間で偶然入ったラーメン屋で席に座り先に食べていた。ポロシャツの胸のローマ字でわかった。
多分、しょうごくんかなと思う子もいたけれど、皆、真っ黒で似たような細マッチョ。
それまで会っても特にしょうごくんと会話をしたことは無かったし、
なんだか楽しげに試合の事など話している高校生に話しかけるのもなかなか出来なかったし、
確信が持てなかったので、その日の夕方に、ラインで親を通して時間と店の名前を伝えてもらうと、
やはりいたとのこと。そんな偶然もあるんだと思ったけれど、
とても良い笑顔で友達と話しながらラーメンを啜っている姿が印象に残った。
僕にとっては、成人式の撮影が、永遠に続く未来の約束。
しょうごくんは、僕にとって決して過去にはならない、
今度は、主役として1人きりでポートレイトを撮らせてもらおうと思い続けるだろう。

そして、この展示に携わった人や訪れた人にとってもしょうごくんは未来なんだと思う。
なぜなら、作品を通して今の自分と未来の自分を表現できたと思うから。

僕にとって、今の写真と未来の写真を考えさせれくれる存在として、しょうごくんは生き続ける。

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