手形やでんさいのサイクルが変わる?
税理士法人 入江会計事務所の北村です。
先日、中小企業庁から手形などのサイトについて新たなルールが
発表されました。
これまで、中小企業庁や公正取引委員会では決済に際して手形や
電子債権などを振り出す場合、その決済の期限が繊維業で90日、
その他の業種で120日を超えるものは下請法が規制する「割引困
難な手形」等に該当するおそれがあるものとして指導をしてきまし
たが、これだと売上を上げたとしても決済されるまでに最大で3ヶ
月ないし4ヶ月かかってしまい、手形などを受け取る側の資金繰り
の大きな負担になるとして、長年にわたって問題視されてきました。
こういった手形や電子債権を振り出す側は仕事を発注する元請け、受
け取る側は元請けから仕事をもらう下請け業者という場合がほとんど
で、下請けは元けからの仕事をこなしたとしても、実際に元請けから
お金をもらうまでにかなりの時間がかかるので、この状況を改善する
べく、令和3年以降検討が重ねられてきました。
そしてこのほど、2024年11月以降はサイトが60日を超える手
形や電子債権の交付、一括決済方式による支払は行政指導の対象にな
る、と下請法の運用が変わることとなりました。
これにより、手形などを発行する元請け側では資金不足になる可能性
があるので、新規借入や当座借越枠の増大などが予想される一方、手
形などを受け取る下請け側では資金化されるまでの期間が短縮されて
資金繰りに好影響が出ることが予想されます。ただ、実際にこのルー
ル変更により、元請け側及び下請け側の資金繰りの状況にどのような
影響が出るのか、注目していきたいところです。
中小企業庁 手形運用通知ポスター
https://www.meti.go.jp/press/2024/04/20240430002/20240430002-b.pdf
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