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YouTubeの漫画イラストを仕事にしたい人に伝えたい現実①

こんにちは。私はYouTubeの漫画動画イラストを描いて生活しています。
この仕事を始めて1年が経ちました。漫画動画のチャンネルは日に日に増え、クラウドソーシングには依頼が大量にあります。
プロ・アマ問わず誰でも挑戦でき、なによりイラストや漫画を描くことが好きな人にとっては非常に魅力的!私もそんな気楽な考えでこの仕事を始めました。

では実際はどうなのでしょう。

・どんな人が向いている?
・漫画動画のメリットとデメリットが知りたい!
・どの程度の実力が必要?
・依頼を受けるときに注意するポイントは?
・生活できるほどの収入になる?
・実際の仕事はどんな感じ?


など、疑問や不安をお持ちの方や、漫画動画を仕事にしたいと思っている方へ、私の経験をもとに漫画動画という仕事の現実をお伝えしたいと思います。

【この仕事に向いている?】
チェックリストで簡単診断

私が思う必要最低限のポイントを集めてみました。

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【①について】
100%アニメ塗りを求められると思ったほうが良いです。
ちなみに私のイラストは厚塗り寄りでしたが、この仕事のためにアニメ塗りを勉強しました。何も考えず応募した無謀な私(;^ω^)
なのでアニメ塗りができる人は強いですよ!羨ましい(笑)


【②について】
なんだかんだで質より速さを求められます。
たとえ依頼が「クオリティ重視」と書かれていても、納期最優先です。
スピード万歳!早いの最高!!
ゲームで例えるとステータスは素早さに極振りです。


【③について】
1つの作品を納品すると、すぐに次の依頼が来ます。
午前中に納品⇒その日の夕方に次の依頼
夕方に納品⇒その日の夜か翌朝に次の依頼
丸1日フリーになったのは1年で10日あったかな?という感じです。


【④について】
「技術的に」というより「精神的に」です。
基本的にはシナリオ(文章)が送られてきます。
つまり、自分の好きな話が描けるわけではないということ。あくまでも作画だけが我々の仕事です。

<私の場合>
私は正直、この④が全くダメでした。精神的にキツかった。
なぜかというと、

最近の漫画動画は内容が過激化しているから。

特にスカッと系に代表される、最終的に「ざまぁみろ」的な展開になる話や、人の容姿を中傷したり、差別的な用語(キモオタ・デブ・ブスという言葉が乱舞していた…)、攻撃的な内容が圧倒的に多くなりました。
チャンネル運営側も再生回数が伸びるので、シナリオやサムネイルはどんどん過激化します。
もちろんこの内容を楽しんで観たり、描いたりできる人は大丈夫でしょう。
でも私は、最初の頃は感動系の漫画動画を受注していたこともあり、
「こんな荒んだ話題を楽しむ人が多いのか?」と感じ始めた途端、仕事として割り切れなくなってしまいました。
このことについては、別の機会に失敗談としてお話しようと思います。



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【①について】
これは完全アウト(というか仕事として論外…)
全て1発OKということは少ないです。
「髪色を変更して欲しい」とか「もう少し表情を変えて欲しい」といった軽い修正は1~2回あります。
もちろん過剰な修正依頼や相手の連絡ミスによる大幅な修正は追加料金を申し出ても大丈夫。私も何回か追加料金を請求したことがあります。

【②について】
シナリオを確認し、不明点や疑問点があれば積極的に質問します。
最低限の礼儀をわきまえた会話ができれば問題ありません。
たまに「友達感覚かよ!」とツッコミたくなるような文章のクライアントもいますが(苦笑)、こちらは冷静に「仕事」として対応しましょう。

【③について】
基本的に漫画動画は毎日更新しています。
私が漫画を描いて終了ではありません。
音声や動画編集など、後工程があるということを常に意識していました。
納期を破ると、減額や契約終了というぺナルティを設けている案件もありますよ。注意です!

【④について】
自分のこだわりを100%表現したい人は難しいと思います。
こだわりたい!
自分が納得できる絵になるまで何度も修正したい!

・・・わかります!わかりますよ、その気持ち!!

ですが、それは長時間労働地獄に陥ります。
私がそうでしたから(ノД`)・゜・。

漫画動画の仕事はこのように進みます

例として、私が実際に受注していたクライアントさんとの流れをご紹介します。

【1日目】
①クライアントからシナリオが届きます
シナリオの精度はバラつきがあり、イメージ画像付きの原稿もあれば、文字だけがズラーっとビッシリ並んでいるだけの原稿もありました。(;^ω^)オォゥ…
この時に、線画の納品希望日、カラーの納品希望日が提示されます。
予定が合わないときは、この段階で調整を申し出ます。

②キャラクターデザインを送ります(無い場合も)
毎回登場キャラが同じだったり、以前に描いたキャラクターだった場合は省略されます。
新しくメインとして登場する場合は、シナリオを読んで自分なりに細かく描いたキャラデザ案を提出します。

③シナリオを読んで不明点があれば質問します

④キャラクターデザインが決定次第、線画を始めます

1日目の大半はシナリオやイメージの確認で終わります。
依頼が夕方や夜に来ても「1日目」とカウントされるので、本当は午前中に欲しいな…というのが本音です(>_<)

【2日目~5日目】
①ひたすら線画を作成します
27ページ(64コマ)なので、1日16コマ=6~7ページ。

②5日目は線画提出日なので、指定された時間までに仕上げます
夜遅く(23:59までに提出で)OKなクライアントでしたので、17時~20時頃に提出していました。

③線画のチェックをしてもらい、修正があれば対応します(即対応・即提出)
場合によっては翌日に返信がくることもあります。
夜中の2時に返信があったときは流石に寝ていたので、翌朝すぐに修正しました(^_^;)

【6日目~8日目】
①ひたすらカラー作業です
線画と違い、考えるポイントが少ないので、サクサク進めます。

②8日目は線画提出日なので、指定された時間までに仕上げます
この後、サムネイルの作成があるので早めに提出します。

③カラーのチェックをしてもらい、サムネイルの指示を待ちます
サムネイルの指示は翌日になることもあります。

【9日目】
①サムネイルを作成します(納品まで)
基本、サムネイルは1日で完成させます。
線画⇒チェック⇒修正⇒チェック⇒OKならカラー⇒チェック⇒修正⇒チェック⇒OKなら納品
1工程ごとにチェック入ります。サムネイルはとても大事なので何回も修正したり、途中で別パターンの追加依頼がくることもあります。
追加依頼は「追加料金〇〇円でお願いします」と提示してもらえたので助かりました。

②報酬の確認と受領連絡をします
クライアントから報酬支払済の連絡が届いたらすぐに確認します。
お礼と共に「次回もよろしくお願いします」と、さりげなく営業(笑)

1日目の①に戻ります
このループが延々と続くのが漫画動画を描く仕事です。

今、大学生です。学生でも簡単にできますか?

将来漫画家になりたい!イラストの仕事をしてみたい!という人は「経験」という意味でアリだと思います。
ですが、個人的には夏休みなどの長期休暇中に単発の仕事で探したほうが良いと思います。
継続で仕事を受けて、学校が始まった途端にクオリティがガタ落ちしたり、納期を守れなかったり、急に音信不通になったりすると、低評価がつき今後の仕事に影響が出ます。(クラウドソーシングをしないのなら別ですが、それでも相手にとって迷惑であることに変わりはありません)
つまり、学生でもできるけど「簡単」というのは違うと感じています。
厳しい言い方ですが、学生だから大目にみてもらえることはありません。

ですが、
在学中から本気で取りみ、クライアントさんと良好な関係を築けば、卒業後にいきなりフリーランスとして漫画動画イラストで生活することは可能です。
仮に「やっぱり就職したい」となってもフリーランスとして仕事をしたことを評価してくれる会社もあります。(実力主義の会社は特に)

厳しいことも書きましたが、今は全員がクリエイターになれる時代です。
私だって出来たので大丈夫!
私は会社を辞めてフリーランスになりましたが、無意味な飲み会や無駄な通勤時間というストレスから解放されました(*^_^*)


今回は
・どんな人が向いている?
・実際の仕事はどんな感じ?
という点についてチェックリストや実例でお話しました。

もちろんクライアントによって違うと思いますが、漫画動画の仕事がしたい!という方の参考になれば幸いです(*^-^*)

次回は、漫画動画の仕事のメリット・デメリットについてのぶっちゃけトークです。
今後も漫画動画のイラストレーターという仕事についてお話したいと思います。
ここまで読んでいただきありがとうございました!






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